【マジック】

…ようこそ。魔術師ギルドへ。ご用件は?
ほう、あんたジャッジになりたいのかい。そりゃご苦労様なこった。こっちに資料が・・・なんだいその不満そうな顔は。

なんでご苦労様なんて言うのか、だって?そうだな、じゃあ、あんたはなんでジャッジになりたいんだい?

…ふんふん、地元で大会を開きたいと。そうだな・・・ジャッジにならなくても公認大会は開けるんだが、それじゃ駄目なのかい?

…なるほど、ルールに詳しげなプレイヤーに言い負かされたのか。そりゃ、勉強不足ってことじゃ・・・ああ、すまん言い過ぎたよ。悪かったって。そんな泣きそうな顔で怒ることないだろ。

…権威がないと悔しい、か。まあ権威ってものには皆弱いからな(特にジャポンって国はそうらしい)。うん、まあ受け付けもヒマなことだし、ちょっとした話をしておこうか。

ギルドは基本的にルールに詳しい人間、大会を運営できる人間を選定・試験をして、その人間がジャッジにふさわしいかどうかの判断を下す。そうやって認定されたものが「認定ジャッジ」の資格を得て、公認大会でジャッジもすることができる。

…まあ待てって。どうやったらなれるのかこれから説明するから。
ジャッジになるにはジャッジ試験を受けなきゃならない。この試験には特にいつ行われるという決まりはないが、実技をその場で行えるという利点から、大きな大会、グランプリやプロツアー本戦で行われている。

グランプリ本戦は出たことがあるって?そりゃすごいな。・・・いや、デッキの話は後にしておこうや。まだこっちの話も終わってないしな。
まあ、本人の適性はおいといて、まずそういった大きな大会が近場になければ、そこまで出向くしかないわけだ。
ジャポンのホカイドーでジャッジ試験を受けた者もいるようだが、やっぱり僻・・・遠いところへは試験官のほうが出向いていくようだな。

…そうか、あんたは運がいいほうだな。そこなら比較的トキオにも近いし。

なに?どんな試験問題が出るのかだって?
…ふう、お前さん、それをほいほい教えるほど俺がバカだと思ってるんじゃないだろうな?

ああ、俺も知ってるが、教えちゃいけない決まりなんだ。教えたら黒服の男たちが家に来て記憶を消されてしまうからな。

…本気にするなよ。冗談だって。まあ、教えちゃいけないのは本当さ。でないと公平な試験にならないからな。
まあでもジャッジを観察するようにしていれば、ジャッジになるには何を勉強しておけばいいか少しはわかるだろう?

…そうだな、筆記試験と実技試験があることくらいは別に問題ないだろう・・・あと面接だな。もういちど聞くんだが、あんたはジャッジになって何をしたいんだい?

いや、大会を開くことはジャッジじゃなくてもできるんだってばよ。

あー、権威ね。でも、権威なんてなくてもきっちり説明できりゃ普通のプレイヤーは引き下がるだろ?

おいおい、そこであんたが切れてちゃダメだな。どんな感じ悪い自称ベテランでも、ちゃんと人として扱ってあげないとな。

ルールの勉強もしておくことは大切だが、ジャッジは人と人の間に立つことが多いからな、話術というか仲介能力と言うか、いうなればコミュニケーション能力ってやつが必要なんだよ。

いや、いつも笑顔で腰が低いのとはちょっと違う。ジャッジはウェイターじゃなく審判だから。

ああ、英語もできたほうがいいのは確かだよ。Can you speak English?

…落ち込むな。英語を話せるのはジャッジにとって有効ではあるけども、話せなくてもジャッジにはなれるから。
まあ、なったらなったでやっぱり英語力は必要になるから、ジャッジをしながらでも英語を勉強していけばいいさ。

おいおい、たかが英語くらいでそんなに及び腰になるなって。ルールグルなんてものをやってる人は、しちめんどくさいカードの組み合わせやルールの矛盾点について英語で四六時中議論してるんだぜ?(hahaha)カードの効果や動きをぜんぶ英語で説明するのはたしかに難しいけど、実際はそこにあるカードを示したり、ジェスチャーなんかでも伝わるもんさ。問題は、相手の言ってることが聞き取れるかどうかだけどな。

…だんだん不安になってきたって?
ジャッジを目指す人間がそんなことではダメだよな。実際のところ、ジャッジになるのは簡単さ。なってからのほうがもっともっと大変なんだ。

そうだな・・・まず、その人間のルール的な発言はすべて公式性を帯びるということ。そいつが言ったことがその場での「ルール」になってしまう。あるいは、間違っていてもヘッドジャッジが下した裁定はその場に限り有功だってこと。
ヘッドが間違えるってのはあまり聞かない話なんだが、レポートなんかを見てるとミスジャッジがあったことを槍玉にあげて不満たらたらの奴もいるな。あんなもの、逆にそれが間違っていることを証明できないほうが弱いんだってことだけどな。
まあCRやUTR全文覚えているようなプレイヤーはいないと思うけど、マジックに強いってことはルール(カード)に強いってことでもあるからな。
カードを効果的に使えるってことは、カードのルール的側面もカバーしているから、「最適なタイミング」を測ることができる、とも言えるんじゃないかな。

…ああ、話がそれた。
まあつまり、ジャッジになったら「発言に責任を持て」ってことさ。人間間違いはあるが、間違えまくってるジャッジは何を言っても信用されなくなるからな。
逆に、正解を出しているジャッジでもそれが「当たり前」として認識されているから、評価が上がるなんてことはそうそうない。複雑なカードどうしの組み合わせをきちんと説明できるのは確かにすごいかもしんないけど。

合っていても誉められず、間違ったら罵倒される。ジャッジなんてしょせんそんなもんなんだぜ?

いいことなんかないじゃないかって?いいことか・・・優秀なジャッジは海外のトーナメントにもスタッフとして参加できるってのはダメか?
ああ、英語ダメなんだったな。じゃあなんだろうな、ジャッジはボランティアだしな、お金が儲かるわけでもないしな。

…知らなかったのか?ああ、ジャッジは一応バイト代は出るみたいだけどな。遠征の大会じゃ電車代で足が出るくらいのものさ。地元ならまだ足しにもなるかもしれないが。

ジャッジになることが重要じゃなくて、ジャッジであることのほうがよっぽど大切なんだ。
彼らがなぜそうまでしてジャッジをしてるのか考えたことはあるかい?

そうだな・・・ジャッジでいいことってのはお金や名誉以外のところで存在するのかもしれないな。それ以外は損ばかりなのかもしれない。

だから、ボランティアだって言っただろ?損得以外のところで活動してるんだから、「金払ってるんだから客だサービスしろ」って喚く腐れ外道なんかよりよっぽどマシな人種だよ。

うん、よく考えてみるって?ああ、それがいい。
だが、そういう目をしている人間は、またここにやってくるというのがオチさ。受付やってるとそういうのはなんとなくわかるんだよ。
これも持っていきな。ジャッジになるためにはまずここらへんを読んでおいたほうがいいだろう。
あとは、ジャッジを続けられるかどうかはあんた次第さ。

おっと、魔術師ギルドへようこそ。はいはい、プレイヤー報奨プログラムに登録したい?ならここのURLに行って・・・

ああ、また来いよ。必ずだぞ。 そうそう、そこに日本語の案内があるだろ?それでDCIナンバーを入力して・・・

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