テンプレの話

2003年7月15日
油の温度は180度以上で・・・

【マジック】
Shifting Sky
{2}{U}
Enchantment
As Shifting Sky comes into play, choose a color.
All nonland permanents are the chosen color.

ひとことにテンプレといっても、さまざまな原則にもとづいて作られています。
たとえば《変容する大空》をはじめとするエンチャントは、常在型能力であるため、「are」が使われています。

これがbecomeやgetを使われていないのは、この能力が変化させるものやあとづけで能力や特性を付与するたぐいではなく、最初から「そうであるかのように」扱わせるものだということです。

昔はエンチャントも対象をとったりしていましたが、特性変更エンチャントはたいてい常在型で、いつからかbe動詞を使ったテンプレになっています。

誘発型能力は「when/whenever/at」であらわされ、常在型能力は「is/are」で示されている、ということもできます。

また、英語のテンプレはCRの前提のもとで書かれており、《ボガーダンの鎚》の手札に戻す能力がどの領域に置かれていれば使えるのかはカードに明記されていません。
もっとも、「{2}{R}{R}{R}: Return Hammer of Bogardan from your graveyard to your hand. Play this ability only during your upkeep.」
と書いてある通り、指定された領域から別の領域へ移動させる能力なのですから、まず前提となる「移動もと(=墓地)」に置かれていなければこの能力はプレイできません。

よく読めば、これは自明の理なわけですが、それでも曲解解釈できる人間はいるわけで、キチンと「マジック風の」流儀でもってカードを解釈することもプレイヤーの技術としては大切なことです。

ほかにも、「play」は「カード/土地のプレイ」と「ゲームをプレイする」の二つの使い方があったり、呪文や起動型能力、誘発型能力のコントローラーはCRに定められているので「draw a card」で「誰がカードを引くのか」にはルールの前提があるわけです。

《泥棒カササギ》や《賛美されし天使》の戦闘ダメージ誘発で、戦闘ダメージ解決前/解決後にコントロールが移った場合の処理なども、やや判断が難しいレベルのルール的な裁断はやはりCRですべてサポートされています。


ま、それはそれとして、JFK版日本語訳カードリストにもいくつかの「約束事」があります。「発生源を用いているテキストは『[発生源]は、〜する』と句点をつける」「誘発型能力は『とき、』『たび、』まで句点を入れない」などなど。

現在のところ、原文にはない余分な説明(「全ての〜」)や、日本語テンプレによる追加(「軽減し、0にする」)もありますが、8版対応版にするにあたって、順番に「余分な」説明を消していきたいと思っています。

以前からもテンプレについては意見を求めているわけですが、反応があったことはないのでここらへんは好き勝手にやらせてもらおうかなと。

また、テキストで完全に語られていない部分については、下段の裁定部分を使って説明できるというのもあり、これからは方向性を変えて「オラクルの直訳」にシフトしていこうと。

それにより完全に初心者お断りな感じになりますが、サイトの使い方さえ間違わなければそれなりに役には立つと思います。

うちのサイトは結局のところ「工具箱」であって、説明書はいっさいついていないという徹底ぶり。

説明書を書いてるヒマがあったら、そもそも工具の洗練をしたほうが早いわけです。

不親切だ、とはよく言われますが、自分なりに道具の使い方を考えて使ってくださることを切に願います。

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