今日も今日とて

2004年1月16日
【マジック】
Oxidize (緑)
インスタント Darksteel,アンコモン
アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。それは再生できない。
Illus.Kev Walker (???/165)

 コモンからアンコモンに変わるだけでこのアリサマですか。
 MRDでの緑はアーティファクトを破壊するためには《解体》《忍び寄るカビ》《ヴィリジアンのシャーマン》くらいだった(もう一枚は装備品のみ)のですが、DSTにきていきなり躍進。
 赤の前任者《粉砕》は2マナでかつ破壊するだけだったのが、こちらはアンコモンに格上げで1マナ再生不可。
 いままでのプレビューで出てきた「破壊されない」もの以外はすべて屑鉄にできるカード、イラストも《白金の天使》が朽ちている図と、シャレのきいたフレイバーでニヤリとさせられっぱなし。
 除去としては「超優秀」、0マナアーティファクトを対象にする以外はマナ的な損も最小限であることを考えると、対アーティファクト除去としては色を別にしてもぬきんでているものがあります。
 リミテッドでもシールドなら確実に入れるべき10点に近いカード(ただし確実に勝ちにつながるわけではないので9-8点程度かな?)、ドラフトでは「これを流すには惜しいが〜〜〜もほしい」と、ピックに迷う良カードであると言えます。
 リミテッドのMRDも緑のカードは単体で隙がない良いカードが揃っているためタッチでも十分役に立ってくれますが、さらにこのカードの出現で戦列が強化されるでしょう。
 一方構築では、今までカエルや処罰者の再生に困っていたタッチグリーンの人々には「4枚くれ、5枚でもいい」並みの「親和メタ」になることは十分予想できますが、はたして《帰化》の汎用性と《Oxidize》の特化性、両立するスロットがあるかどうか。
 ブロック構築では、赤緑「アンチアフィニティ(AA)」とでも言うべきアーティファクト嫌いデッキを組む可能性も見えて来ました。もちろん1ターン目はモックスをからめて赤スリスになるでしょうが。

 確実にアーティファクトを仕留めることができるカード、厄介な神器生物にガタガタ震えることもなく安眠を保障してくれそうですが、ここでふと考えてみます。
 「こういうカードを出すことでバランスが取れているといえるのだろうか?」
 一昔前・・・いや三昔前くらいになりますか、四版のころは除去といえば《恐怖》《稲妻》《剣を鍬に》と軽量&高性能のクリーチャー除去が揃っており、タフネスが高くなければ焼かれ、高くとも黒くなければ《恐怖》で死に、黒くても《剣を鍬に》で農園送りととかくクリーチャーは除去されやすいものでした。

 それでもその厳しい時代を生き抜いてきたクリーチャーもいるわけですが、生存率はかなり低かったのも確かです。
 やがて《稲妻》《火葬》が消え、火力が3点ではなく《ショック》の2点が基準になり、プロテクションやアンタッチャブルといった特殊能力を持ったクリーチャーもやや増え、「クリーチャーでも安心して殴れる」時代はいっときありましたが、それでもパワーバランスはやや除去・カウンターよりであったことは確かです。

 そういった背景を考えてみると、今のこの「アーティファクトが強い、アーティファクト除去も強い」という構図、いまいち釈然としないものがあります。壊れやすいアーティファクト・クリーチャー、安くて良い除去呪文、壊れないアーティファクト、それに対する対応策の数・・・
 ひとつ間違えばカードパワーのインフレを起こしかねない危うさを秘めているとも言えます。

 《ロクソドンの戦鎚》のように大盤振る舞いの装備品があることからも今までのカードパワーを一変させる動きがミラディンブロックで起こりつつある気がします。
 なんにせよ、MRDブロック構築では《粉砕》とともに筆頭に上げられるカードになることでしょう。

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