【マジック】
傍観者殿は解決したようですが、今一度「マナ能力ってなに?」というのを説明してみたいと思います。
406.1. マナ能力は、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えることのできる起動型能力か、マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すものである。マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある。
・まず一文目。「マナを加える起動型能力」であるということ。
つまり、パーマネントで、「x:あなたのマナ・プールにnを加える」という能力がそれに当たります。
xには、「Chromatic Sphereを生贄に捧げる」が入ったり、nには「好きな色1色のマナ1点」が入ったりします。
土地、クリーチャー、アーティファクト、エンチャントが持つほとんどのマナを加える能力はマナ能力である、と言えます。ただし、「起動型能力」であることが重要です。
・つぎ。「マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すもの」
これの区分があいまいな人もいるようですのでもう一度確認しましょう。マナを出すもの、これはいいとして、誘発型でマナを出すもの、となるとマナ能力とただの誘発型能力と分かれます。区別の仕方は、さらにもう一つの条件、「マナ能力が誘発条件であるマナを加える誘発型能力」これがキモです。
この「誘発型マナ能力」は、唯一マナを出すことによってのみ誘発します。テキストに「土地(山、島etc)がマナのためにタップされるたび」と書いてあるものがそれに相当します。
同じような書式ながら、「あなたの戦闘前メイン・フェイズ開始時に」や「クリーチャーが場に出るたび」という条件で誘発するものは、「マナを加える効果を持つ誘発型能力」であり、誘発型マナ能力ではありません。
それについて土曜学校68と69の《陰極器/Cathodion(MRD)》の質問でルーネが簡単に説明しています。
・さいご。「マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある」
これは、「ダメラン」がいちばんわかりやすいと思います。
(T):あなたのマナ・プールに(白)か(青)を加える。アダーカー荒原はあなたに1点のダメージを与える。
マナ能力とともにダメージを与えるものです。このダメージはスタックに乗らず即座に解決されます。
#蛇足ですが、《真鍮の都/City of Brass(8ED)》のダメージは「自分がタップ状態になったことによって誘発する誘発型能力」で、マナ能力は単にマナを加えることしかしません。
#呪文や能力をプレイすると、プレイしたプレイヤーがふたたび優先権を得ます。これは408.2eに説明されています。
#ですから、ライフが1点のときに《アダーカー荒原/Adarkar Wastes(6E)》から色マナを出すと、解決した(マナが加えられた)あと、状況起因効果(SBE)のチェック時に負けになります。
#しかし、ライフが1点のときに《真鍮の都/City of Brass(8ED)》から白マナを出すと、マナを加えたあと「1点のダメージを与える」はスタックに積まれます。
#《真鍮の都》の誘発型能力の解決前に、白マナで《治癒の軟膏/Healing Salve(8ED)》をプレイし、3点のライフを得て(ライフ4)、《真鍮の都》の誘発型を解決し(ライフ3)、生き残るといったことが可能です。
マナ能力は、その名のとおり「能力」であり、呪文ではありません。
《暗黒の儀式/Dark Ritual(UZ)》《煮えたぎる歌/Seething Song(MRD)》をはじめとする「マナを加える呪文」はマナ*能力*ではないのです。
408.2. スタックを使わない行動 も読んでおくといいかもしれません。
*マナ能力がプレイできるタイミング*
マナ能力がプレイできるときは、スタックに何かが積まれているかどうかにかかわらず、優先権を持っているときならいつでもプレイできます。
また、呪文/能力のプレイ時、および解決時にマナの支払いを要求するものに関しては、そのときにマナ能力をプレイすることができます。
この前者は、6版ルールから可能になったもので、呪文/能力のプレイ中に、総コスト(プレイするためのコスト)が決定された後、マナ能力をプレイできます。
409.1iで、「呪文や能力がプレイされたこと、あるいはスタックに置かれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する」とありますが、誘発型マナ能力はその例外にあたります。
《彩色の宝球/Chromatic Sphere(MRD)》でマナを出しながら《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》をプレイできるというトリックは、6版ルール以降のCRの改訂により生み出されました。
呪文/能力の解決中に、マナの支払いを要求するものがあります。《マナ漏出/Mana Leak(8ED)》がその代表ですが、こういった呪文/能力の解決時には、マナ能力のプレイが可能になります。(それ以外の理由で解決中に呪文や能力はプレイできません)
また、マナ能力でありながら、その起動タイミングに制限がかかっているものもあります。
オラクル改変を知っている人間にはおなじみ、《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond(MI)》です。
マナ能力でありながら、例外としてインスタントがプレイできるときにしかプレイできない---つまり優先権を持っているとき---つまり呪文/能力のプレイ中・解決中にはプレイできない---ものです。インスタントをプレイできるときの制限がついた起動型マナ能力を持つカードは3枚しかありません。(あとの2枚はクイズにしておきますw制限つきは合計4枚ありますが。)
まとめましょう。
・マナ能力は、マナを加える起動型能力と、マナ能力のプレイに誘発する、マナを加える誘発型能力である
・マナ能力は(起動型誘発型も)スタックを使用せず、プレイされたら即座に解決する。誰も優先権を持たないため対応はできない。
・マナ能力は優先権を持っているときにプレイできる。
・優先権がないときでも、呪文/能力をプレイしているときはマナ能力をプレイできる。
・優先権がないときでも、呪文/能力の解決中で、マナの支払いを要求されたら、マナ能力をプレイできる。
・マナを加える呪文はマナ能力ではない。
・マナ・ソースと書かれた呪文はインスタントである。
・マナ・ソースとして扱うと書かれた能力はオラクルを参照すること。
・マナを加える誘発型能力でも、マナ能力のプレイでの誘発でなければそれはマナ能力ではない。通常の誘発型能力と同じでスタックに積まれる。
文字数ギリギリですじゃ。書きすぎ。
傍観者殿は解決したようですが、今一度「マナ能力ってなに?」というのを説明してみたいと思います。
406.1. マナ能力は、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えることのできる起動型能力か、マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すものである。マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある。
・まず一文目。「マナを加える起動型能力」であるということ。
つまり、パーマネントで、「x:あなたのマナ・プールにnを加える」という能力がそれに当たります。
xには、「Chromatic Sphereを生贄に捧げる」が入ったり、nには「好きな色1色のマナ1点」が入ったりします。
土地、クリーチャー、アーティファクト、エンチャントが持つほとんどのマナを加える能力はマナ能力である、と言えます。ただし、「起動型能力」であることが重要です。
・つぎ。「マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すもの」
これの区分があいまいな人もいるようですのでもう一度確認しましょう。マナを出すもの、これはいいとして、誘発型でマナを出すもの、となるとマナ能力とただの誘発型能力と分かれます。区別の仕方は、さらにもう一つの条件、「マナ能力が誘発条件であるマナを加える誘発型能力」これがキモです。
この「誘発型マナ能力」は、唯一マナを出すことによってのみ誘発します。テキストに「土地(山、島etc)がマナのためにタップされるたび」と書いてあるものがそれに相当します。
同じような書式ながら、「あなたの戦闘前メイン・フェイズ開始時に」や「クリーチャーが場に出るたび」という条件で誘発するものは、「マナを加える効果を持つ誘発型能力」であり、誘発型マナ能力ではありません。
それについて土曜学校68と69の《陰極器/Cathodion(MRD)》の質問でルーネが簡単に説明しています。
・さいご。「マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある」
これは、「ダメラン」がいちばんわかりやすいと思います。
(T):あなたのマナ・プールに(白)か(青)を加える。アダーカー荒原はあなたに1点のダメージを与える。
マナ能力とともにダメージを与えるものです。このダメージはスタックに乗らず即座に解決されます。
#蛇足ですが、《真鍮の都/City of Brass(8ED)》のダメージは「自分がタップ状態になったことによって誘発する誘発型能力」で、マナ能力は単にマナを加えることしかしません。
#呪文や能力をプレイすると、プレイしたプレイヤーがふたたび優先権を得ます。これは408.2eに説明されています。
#ですから、ライフが1点のときに《アダーカー荒原/Adarkar Wastes(6E)》から色マナを出すと、解決した(マナが加えられた)あと、状況起因効果(SBE)のチェック時に負けになります。
#しかし、ライフが1点のときに《真鍮の都/City of Brass(8ED)》から白マナを出すと、マナを加えたあと「1点のダメージを与える」はスタックに積まれます。
#《真鍮の都》の誘発型能力の解決前に、白マナで《治癒の軟膏/Healing Salve(8ED)》をプレイし、3点のライフを得て(ライフ4)、《真鍮の都》の誘発型を解決し(ライフ3)、生き残るといったことが可能です。
マナ能力は、その名のとおり「能力」であり、呪文ではありません。
《暗黒の儀式/Dark Ritual(UZ)》《煮えたぎる歌/Seething Song(MRD)》をはじめとする「マナを加える呪文」はマナ*能力*ではないのです。
408.2. スタックを使わない行動 も読んでおくといいかもしれません。
*マナ能力がプレイできるタイミング*
マナ能力がプレイできるときは、スタックに何かが積まれているかどうかにかかわらず、優先権を持っているときならいつでもプレイできます。
また、呪文/能力のプレイ時、および解決時にマナの支払いを要求するものに関しては、そのときにマナ能力をプレイすることができます。
この前者は、6版ルールから可能になったもので、呪文/能力のプレイ中に、総コスト(プレイするためのコスト)が決定された後、マナ能力をプレイできます。
409.1iで、「呪文や能力がプレイされたこと、あるいはスタックに置かれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する」とありますが、誘発型マナ能力はその例外にあたります。
《彩色の宝球/Chromatic Sphere(MRD)》でマナを出しながら《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》をプレイできるというトリックは、6版ルール以降のCRの改訂により生み出されました。
呪文/能力の解決中に、マナの支払いを要求するものがあります。《マナ漏出/Mana Leak(8ED)》がその代表ですが、こういった呪文/能力の解決時には、マナ能力のプレイが可能になります。(それ以外の理由で解決中に呪文や能力はプレイできません)
また、マナ能力でありながら、その起動タイミングに制限がかかっているものもあります。
オラクル改変を知っている人間にはおなじみ、《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond(MI)》です。
マナ能力でありながら、例外としてインスタントがプレイできるときにしかプレイできない---つまり優先権を持っているとき---つまり呪文/能力のプレイ中・解決中にはプレイできない---ものです。インスタントをプレイできるときの制限がついた起動型マナ能力を持つカードは3枚しかありません。(あとの2枚はクイズにしておきますw制限つきは合計4枚ありますが。)
まとめましょう。
・マナ能力は、マナを加える起動型能力と、マナ能力のプレイに誘発する、マナを加える誘発型能力である
・マナ能力は(起動型誘発型も)スタックを使用せず、プレイされたら即座に解決する。誰も優先権を持たないため対応はできない。
・マナ能力は優先権を持っているときにプレイできる。
・優先権がないときでも、呪文/能力をプレイしているときはマナ能力をプレイできる。
・優先権がないときでも、呪文/能力の解決中で、マナの支払いを要求されたら、マナ能力をプレイできる。
・マナを加える呪文はマナ能力ではない。
・マナ・ソースと書かれた呪文はインスタントである。
・マナ・ソースとして扱うと書かれた能力はオラクルを参照すること。
・マナを加える誘発型能力でも、マナ能力のプレイでの誘発でなければそれはマナ能力ではない。通常の誘発型能力と同じでスタックに積まれる。
文字数ギリギリですじゃ。書きすぎ。
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