解説
先週、私はアーティファクト・土地が対戦相手の《アクローマの復讐/Akroma’s Vengeance(ONS)》で破壊されたとき、《聖なる場/Sacred Ground(SH)》で場に戻るかどうかという質問に回答しました。
《聖なる場》一緒に破壊されるので土地が戻らないと考えた方が多かったようなので、あらためて解説します。
同時に《聖なる場》が破壊されたとしても、土地は場に戻ります。
総合ルールの410.10dで、パーマネントが場を離れるときに誘発する能力についての説明があります。
要するに、ゲームは、何が誘発するかを「さかのぼって見る」ということです。
パーマネントが場を離れる直前に存在した能力だけを見、また、それらの能力は場を離れる直前のパーマネントの状態を見ます。
先週の例でいうと、《アクローマの復讐》は《聖なる場》と土地を同時に破壊しますが、ゲーム的には誘発するものを決定するためにその前の段階に注目します。
《聖なる場》が場にあったものとし、破壊されるパーマネントのなかに土地があれば、《聖なる場》は破壊されるそれぞれの土地に対して誘発します。
この能力は、解決時に《聖なる場》が場になくても解決されます。いったん誘発してしまえば、能力は発生源とは独立しています。
これと同じことが、《アクローマの復讐》や《抹消/Obliterate(IN)》によって、《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault(MRD)》とアーティファクトが同時に破壊されるときにも言えます。
同様に、《機械の行進/March of the Machines(MRD)》が場に出たとき、アーティファクトを破壊することで《ドロスの収穫者/Dross Harvester(MRD)》や《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter(ONS)》が誘発する理由なのです。
ダークスティールの質問
Q1:自分は《大霊堂の信奉者》を持っていて、対戦相手が《死の雲》を使いました。自分のアーティファクト・土地を生贄に捧げたことで、相手のライフを失わせることはできますか?
A1:《死の雲》は《アクローマの復讐》とは違い、「そのあと」で区別され、パーマネントを順番に生贄に捧げていきます。そのため、土地を生贄に捧げることでは《信奉者》は誘発しません。
これは、クリーチャーは土地の前に生贄に捧げられてしまうためで、土地を生贄に捧げるときには《信奉者》はすでに墓地に置かれているからです。
Q2:《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice(DST)》の能力で生み出すマナの種類は何なんですか?無色のマナなのか、どの色にもなるマナなのか、生み出す色を選べるのか・・・ 先週、《霊魂焼却》をこれで支払ってもライフを得ないと説明していましたが、「どれかの色のマナ」ならライフを得るんじゃないんですか?
A2:《マイコシンスの格子》にはマナを生み出す能力はありませんし、ほかのカードにマナを生み出させる効果もありません。
《雲上の座》は無色のマナを出しますし、《山》は赤マナを出します。その他も通常どおりです。《格子》の効果は、あなたがマナを*支払う*ときに、その制限をなくすものだと思ってください。
《霊魂焼却》の場合は、黒か赤マナであるかのようにすべてのマナを支払えるために、「Xは、黒か赤マナでしか支払えない」の制限を無視できるということです。
しかし、《霊魂焼却》のテキストはこうも書いています「与えたダメージに等しい点数のライフを得る。これはXに支払ったBの数を超えることはない」。あなたはこの点においては実際にマナを支払う行動をしていないので、《格子》は何の効果ももちません。
《霊魂焼却》はどのマナをあなたが支払ったのかをさかのぼってチェックし、それが真かどうかを確認します。
(すべての「〜かのように」の効果はこうして働きます。たとえば、《巨大蜘蛛》は飛行を「持っているかのように」ブロックできます。これは《樹上のレインジャー》のブロック制限を無視できます。が、《翼わな》の適正な対象ではありません。)
Q3:《起源室/Genesis Chamber(DST)》と《ダークスティールの粗暴者像/Darksteel Brute(DST)》を持っています。《粗暴者像》をクリーチャーにしたとき、トークンを出すことはできますか?
A3:できません。
《粗暴者像》は単にタイプが変わっただけで、場に出てはいないからです。なにかが場に出ることで誘発する能力は、それ以前にそのパーマネントが場にない場合にのみ誘発します。カードがタイプを変えることでは誘発しません。
一般的/古いカードの質問
Q4:タイプを変えるのと同じように、土地の色を変えれば、その土地が出すマナの色も変わりますか?
A4:土地の色は、それが生み出すマナの色とは無関係です。
土地は通常色を持ちません。たとえば《島》を《混沌の色/Chaoslace》で赤にしても、あいかわらずその《島》は青マナを出します。
土地が基本地形タイプを持つ場合は、その土地は土地タイプに応じた色のマナを出す能力を自動的に持ちます。《島》を《浅瀬のシャーマン》で《山》に変えた場合、それはもはや《島》基本地形-山で、赤マナを出す能力しか持ちません。
Q5:クリーチャーAにつけた装備品をクリーチャーBに移動させようと能力のコストを支払ったら、対戦相手がそれに対応してクリーチャーBをダメージ呪文で破壊しました。移そうとした装備品はAについたままですか?それとも外れるんですか?
A5:クリーチャーAについたままです。
装備能力は、装備品をもとの場所から対象のあなたのクリーチャーに移動させるものです。対象のクリーチャーが解決時に不正な対象になっていた場合、能力は打ち消され、何もしません。よって装備品はそのままです。
Q6:エンチャントを相手のものとして出せますか?たとえば、《栄光の頌歌/Glorious Anthem(8ED)》を相手のコントロールで出せますか?
A6:不可能です。
あなたは、パーマネントを自分のコントロールの下でしか場に出すことはできません。エンチャント(クリーチャー)呪文の場合は、相手のコントロールするパーマネントにつけることもできます。その場合でも、エンチャントのコントローラーはあなたです。
自分のパーマネントを相手に贈り付けたい場合は、《きふ》を使うことです。
Q7:《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger(DST)》を《爆片破/Shrapnel Blast(MRD)》の追加コストとして生贄に捧げました。結合か《爆片破》かどっちが先にスタックに乗るんですか?
A7:《爆片破》が先です。
呪文をプレイするとき、まず最初に行うことは、呪文をスタックに置くことです。そのあと対象を選び、最後にコストを支払います。生贄に捧げた《とげ刺し》の結合能力は、《爆片破》の上に乗ります。
字数制限につき続きは次回〜
先週、私はアーティファクト・土地が対戦相手の《アクローマの復讐/Akroma’s Vengeance(ONS)》で破壊されたとき、《聖なる場/Sacred Ground(SH)》で場に戻るかどうかという質問に回答しました。
《聖なる場》一緒に破壊されるので土地が戻らないと考えた方が多かったようなので、あらためて解説します。
同時に《聖なる場》が破壊されたとしても、土地は場に戻ります。
総合ルールの410.10dで、パーマネントが場を離れるときに誘発する能力についての説明があります。
要するに、ゲームは、何が誘発するかを「さかのぼって見る」ということです。
パーマネントが場を離れる直前に存在した能力だけを見、また、それらの能力は場を離れる直前のパーマネントの状態を見ます。
先週の例でいうと、《アクローマの復讐》は《聖なる場》と土地を同時に破壊しますが、ゲーム的には誘発するものを決定するためにその前の段階に注目します。
《聖なる場》が場にあったものとし、破壊されるパーマネントのなかに土地があれば、《聖なる場》は破壊されるそれぞれの土地に対して誘発します。
この能力は、解決時に《聖なる場》が場になくても解決されます。いったん誘発してしまえば、能力は発生源とは独立しています。
これと同じことが、《アクローマの復讐》や《抹消/Obliterate(IN)》によって、《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault(MRD)》とアーティファクトが同時に破壊されるときにも言えます。
同様に、《機械の行進/March of the Machines(MRD)》が場に出たとき、アーティファクトを破壊することで《ドロスの収穫者/Dross Harvester(MRD)》や《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter(ONS)》が誘発する理由なのです。
ダークスティールの質問
Q1:自分は《大霊堂の信奉者》を持っていて、対戦相手が《死の雲》を使いました。自分のアーティファクト・土地を生贄に捧げたことで、相手のライフを失わせることはできますか?
A1:《死の雲》は《アクローマの復讐》とは違い、「そのあと」で区別され、パーマネントを順番に生贄に捧げていきます。そのため、土地を生贄に捧げることでは《信奉者》は誘発しません。
これは、クリーチャーは土地の前に生贄に捧げられてしまうためで、土地を生贄に捧げるときには《信奉者》はすでに墓地に置かれているからです。
Q2:《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice(DST)》の能力で生み出すマナの種類は何なんですか?無色のマナなのか、どの色にもなるマナなのか、生み出す色を選べるのか・・・ 先週、《霊魂焼却》をこれで支払ってもライフを得ないと説明していましたが、「どれかの色のマナ」ならライフを得るんじゃないんですか?
A2:《マイコシンスの格子》にはマナを生み出す能力はありませんし、ほかのカードにマナを生み出させる効果もありません。
《雲上の座》は無色のマナを出しますし、《山》は赤マナを出します。その他も通常どおりです。《格子》の効果は、あなたがマナを*支払う*ときに、その制限をなくすものだと思ってください。
《霊魂焼却》の場合は、黒か赤マナであるかのようにすべてのマナを支払えるために、「Xは、黒か赤マナでしか支払えない」の制限を無視できるということです。
しかし、《霊魂焼却》のテキストはこうも書いています「与えたダメージに等しい点数のライフを得る。これはXに支払ったBの数を超えることはない」。あなたはこの点においては実際にマナを支払う行動をしていないので、《格子》は何の効果ももちません。
《霊魂焼却》はどのマナをあなたが支払ったのかをさかのぼってチェックし、それが真かどうかを確認します。
(すべての「〜かのように」の効果はこうして働きます。たとえば、《巨大蜘蛛》は飛行を「持っているかのように」ブロックできます。これは《樹上のレインジャー》のブロック制限を無視できます。が、《翼わな》の適正な対象ではありません。)
Q3:《起源室/Genesis Chamber(DST)》と《ダークスティールの粗暴者像/Darksteel Brute(DST)》を持っています。《粗暴者像》をクリーチャーにしたとき、トークンを出すことはできますか?
A3:できません。
《粗暴者像》は単にタイプが変わっただけで、場に出てはいないからです。なにかが場に出ることで誘発する能力は、それ以前にそのパーマネントが場にない場合にのみ誘発します。カードがタイプを変えることでは誘発しません。
一般的/古いカードの質問
Q4:タイプを変えるのと同じように、土地の色を変えれば、その土地が出すマナの色も変わりますか?
A4:土地の色は、それが生み出すマナの色とは無関係です。
土地は通常色を持ちません。たとえば《島》を《混沌の色/Chaoslace》で赤にしても、あいかわらずその《島》は青マナを出します。
土地が基本地形タイプを持つ場合は、その土地は土地タイプに応じた色のマナを出す能力を自動的に持ちます。《島》を《浅瀬のシャーマン》で《山》に変えた場合、それはもはや《島》基本地形-山で、赤マナを出す能力しか持ちません。
Q5:クリーチャーAにつけた装備品をクリーチャーBに移動させようと能力のコストを支払ったら、対戦相手がそれに対応してクリーチャーBをダメージ呪文で破壊しました。移そうとした装備品はAについたままですか?それとも外れるんですか?
A5:クリーチャーAについたままです。
装備能力は、装備品をもとの場所から対象のあなたのクリーチャーに移動させるものです。対象のクリーチャーが解決時に不正な対象になっていた場合、能力は打ち消され、何もしません。よって装備品はそのままです。
Q6:エンチャントを相手のものとして出せますか?たとえば、《栄光の頌歌/Glorious Anthem(8ED)》を相手のコントロールで出せますか?
A6:不可能です。
あなたは、パーマネントを自分のコントロールの下でしか場に出すことはできません。エンチャント(クリーチャー)呪文の場合は、相手のコントロールするパーマネントにつけることもできます。その場合でも、エンチャントのコントローラーはあなたです。
自分のパーマネントを相手に贈り付けたい場合は、《きふ》を使うことです。
Q7:《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger(DST)》を《爆片破/Shrapnel Blast(MRD)》の追加コストとして生贄に捧げました。結合か《爆片破》かどっちが先にスタックに乗るんですか?
A7:《爆片破》が先です。
呪文をプレイするとき、まず最初に行うことは、呪文をスタックに置くことです。そのあと対象を選び、最後にコストを支払います。生贄に捧げた《とげ刺し》の結合能力は、《爆片破》の上に乗ります。
字数制限につき続きは次回〜
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