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解説
先週、《選別の秤/Culling Scales(MRD)》を持ち、《テル=ジラードに選ばれし者/Tel-Jilad Chosen(MRD)》(点数で見たマナ・コストが2であり、プロテクション(アーティファクト)を持つクリーチャー)がいる場合についての回答を書きました。

寄せられた多くのメールには、「《テル=ジラードに選ばれし者》を対象にとることはできないのだから、そのかわりに別のものを対象にとる必要があるのではないか」ということです。
その回答はこうです。「それが一番コストが小さい唯一のパーマネントでない場合はそのとおり」(#つまり、秤を残せて2マナ以下のパーマネントをガンガン破壊できる状況とは、対象に選べるパーマネントが《選ばれし者》しかなくなったときです。もちろん、他に2マナ以下のパーマネントがあればそちらを破壊します)

《選別の秤》の対象は、「場に出ている土地でないパーマネントのなかで点数で見たマナ・コストが最も低い土地でないパーマネント」であり、これは二つの条件を持っています。「土地でない」ことと「場に出ている土地でないパーマネントのなかで点数で見たマナ・コストが最も低い」です。この両方を満たすものが適正な対象であり、一番コストが低いものが対象に取れないからといって、二番目に低いものをかわりに対象にとるということはできないのです。
(#これは、呪文や起動型能力は、対象にとるものが存在しないとプレイできないのですが、誘発型能力は対象にとれるものがあろうとなかろうと自動的にスタックに乗ろうとしてしまうことから起こります。スタックに乗る時点で対象にとるべきものが不正な対象である場合、能力はスタックから取り除かれます。CR410.4を参照してください。)

ダークスティールの質問
Q1:《果たし合いの場/Dueling Grounds(IN)》があり、《応報の仮面/Nemesis Mask(DST)》がついた《回転する破壊者/Spincrusher(DST)》で攻撃された場合、すべてブロックを強制されますが自分がブロックさせる1体を選ぶはずです。弟は自分がブロックに参加させるものを選べると言っているんですが・・・
A1:そんなことはありません。
 防御側プレイヤーが常にブロック・クリーチャーを選びます。《果たし合いの場》や《応報の仮面》はその宣言の条件を変えるだけで、誰がブロック・クリーチャーを選ぶかは変更しません。
 質問の条件だと、あなたが選んだブロック可能なクリーチャーを1体だけブロックに参加させなければなりません。ブロックしないことは選べません。

Q2:自分と対戦相手は《白金の天使/Platinum Angel(MRD)》を持ち、対戦相手は20個のカウンターが乗った《ダークスティールの反応炉/Darksteel Reactor(DST)》を持っていてライフは0です。対戦相手は《残響する真実/Echoing Truth(DST)》で彼の《天使》を手札に戻しました。どうなりますか?
A2:対戦相手は負けになります。
 《反応炉》に20個めのカウンターが乗ったとき、「勝ち」能力が誘発します。それに対応して両方の《白金の天使》を《残響する真実》で戻すと、《残響する真実》の解決後に状況起因効果がチェックされ、対戦相手は0点のライフを持つためにその時点で負けになります。「勝ち」能力はまだスタックにありますが、解決しないとゲームに勝つことはできないため、対戦相手は勝利できません。
 また、仮に二人ともライフが0点だったときは、引き分けになります。
 さらに仮に《残響する真実》を使わなかった場合、「勝ち」能力が解決しますが勝つことができないため何もせず終了し、《ダークスティールの反応炉》はふたたび誘発します。そしてまた解決時になにもせず終了し、また誘発し・・・を繰り返し、(CR410.11を参照)無限ループが発生します。対戦相手が《残響する真実》で《ダークスティールの反応炉》か《白金の天使》を戻さない限り、ゲームは引き分けになります。

Q3:呪文や能力の対象にならないアーティファクト・クリーチャーを持っています。接合のカウンターをそれに乗せることはできますか?+1/+1カウンターは呪文や能力ですか?
A3:乗せることはできません。
 接合は二つの能力を持っています。カードが場に出る状態を修正する常在型能力と、墓地に置かれたときにカウンターを乗せてよい誘発型能力です。後者についての質問だとは思いますが、これは対象を必要とする誘発型能力です。能力の対象にとれないものに、カウンターを乗せることはできません。(しかし、カウンターそのものだと違います。効果は対象をとりませんから、《忘れられた古霊/Forgotten Ancient(SCG)》や《ティタニアの加護/Titania’s Boon(UZ)》であれば、対象にならないクリーチャーにもカウンターを乗せることが可能です。)

Q4:《命令の光/Ray of Command(MI)》や《手綱取り/Grab the Reins(MRD)》を対戦相手の《メムナーク/Memnarch(DST)》にプレイし、《メムナーク》の能力を使って自分自身のコントロールを得た場合、ターン終了時に対戦相手に返さなければなりませんか?
A4:コントロールはそのままで、返さなくてもよくなります。
 《メムナーク》の能力は終了期限が無く、あなたにコントロールされているからです。一時的なコントロール効果がなくなったときでも、《メムナーク》のコントロールは常に有効です。
 これは、ターン終了時に相手にコントロールが帰るのは、そのコントロール効果が終了するからであって、効果によって相手のコントロールになると明言されているわけではないのです。

そのほか/古いカードの質問
Q5:《ズアーの運命支配/Zur’s Weirding(8ED)》と《偏頭痛/Megrim(8ED)》があるとき、対戦相手がドローしました。自分は2ライフを支払うことを選択すると、《偏頭痛》はダメージを与えますか?
A5:いいえ。
 《ズアーの運命支配》はライブラリーの一番上のカードを公開し、プレイヤーは2点のライフを支払うことでそれを墓地におくことができます。ライフを支払ったなら、カードはライブラリーから墓地に置かれます。これは「ディスカード」ではないので、《偏頭痛》は誘発しません。

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