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よく同人音楽でアレンジCDってのを見かけるんですが、本当に「アレンジ」しているところって少ないですね。

まあぶっちゃけ、同人なんだから自分が気持ちいいものだけを発散するぶんには「よかったでちゅねー」でスルーすればいいんでしょうけど。

それでも、中にはコミケをクリエイターとしての才能を発揮する場として捉えている人もいるわけで、そういった本物の職人に出会える可能性があるだけ、俺はコミケというものの存在価値があると思います。

まあコミケ論はおいておくとして、音楽を俺もそう知っているわけではありませんし、語れるほど言葉やジャンルに通じているわけでもありませんが、料理で例えるなら(この手法はパターンなんですが)「料理を作ることはできないが料理をうまいかまずいかは判断できる」程度であると自負しています。

そういう「しったか音楽評論家」であることを踏まえて、俺なりのアレンジというものにはこだわりがあります。
まず、原曲をイメージできるかどうか。 これは、原曲のメロディやフレーズが入っていればいいというわけでもないんですが、後述の曲調にあわせる点でのみ、音符の並びやテンポをずらすこともアリだと思います。

次に、曲として成り立つかどうか。 これはゲームミュージックのアレンジCDにありがちではあるんですが、ゲームミュージックというのはそのゲームにあわせて繰り返し聞くに耐え得るいわゆる「全部サビ」であり、またリピートが可能なように終わり際と曲の開始をつなぐことも必要です。
ゲームミュージックというのは、たしかにそれ一曲で完成品ではあるんですが、ゲームに使われる音楽として「使われる、消費される」ものです。 音楽が自己主張してはいけませんし、音楽がメインであってはいけません。たしかにゲームミュージックはゲームの大切な要素ではありますが、それがメインディッシュであってはいけないわけです。
では、アレンジをする際にゲームミュージックをそのまま使うとどうなってしまうのか。「使う楽器を変えてテンポをいじっただけ」の三流未満のアレンジャーが多い中で、職人はまず「音楽の成分分解」をし、次にその「おいしい要素」を別の楽曲に取り入れます。
そのうえで、使用する楽器やテンポを楽曲にあわせて調整し、前奏、中間奏、サビ、終締奏(勝手に名前付けました。ようは音楽的な起承転結です)に編曲します。

俺が真に「アレンジ」と認めるのはそういったたぐいの「完成した楽曲」であるわけです。贅沢だと言われれば確かにそうなんですが、聞いててつまらない音楽よりは、背筋が凍るようなイントロ、サビへ盛り上がるためのため、そしてサビのカタルシス、高揚した余韻を味わう締め、と、メリハリの効いた音楽は楽しいんです。

ただ、俺は逆に「目的に合致したビジネスライクなアレンジ」も認めています。どういうものかというと、職人が造る凝った音楽ではなく、100人が100人楽しめるアレンジ音楽、ジャンルに限って言えばダンスやディスコミックスなどがそれに当たるでしょう。

ピアノアレンジなんかもその仲間に入ると思います。

これは、本来の楽曲がもつ味付けを完全に変えて、テクノならテクノ、ダンスならダンスに使われる普遍的な「パターン」にのっとって、気持ちのいいフレーズだけを配合してしまう、かなり強引な「ビジネスライクミュージック」であると言えるでしょう。
目的はどうあれ、その手段はときに一つの音楽へ集約され、あざといまでに形を成すショービズのやりくちは、功罪あわせて認めざるを得ないところです。

そんなかんじで、俺はアレンジ音楽が大好きです。
大好きだからこそこだわりを持ちます。
こだわりのあるアレンジが大好きなのです。
というわけで前置きが長くなりましたが、先頭にあるサイトさんの作りこみには「職人」を感じました。
生涯いちミーハーを誓ったワタクシ、早速ファンになりましたよと。

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