真に都市を統べているのは誰か? 聖なる日に空を見上げれば、天空に明らかに印されている紋章が誰のものかわかるであろう。
――霊議会のヴリエフ

憑依、それがオルゾフギルドのギルド能力です。この能力は拝金主義のギルドらしく、いかにお得感を出すかが重視されており、「もしかしたらこのカード強いかも?」とか「お得だからもう1袋つめかえ用パックを買っちゃおうかしら」と思わせるような効果を持っています。わお、ボブ、とってもお得ね!

憑依能力そのものは、このカードが「場から墓地に」置かれたときにのみ有効です。そして誘発型能力として対象をとり、ゲーム外領域に残ることで「憑依している」状態になります。対象が場にある限り「憑依」していますが、いったん場から離れたら、そのカードを見失い、同じカードが再び場に出たとしてもそのカードに「憑依しなおす」ことはありません。

オルゾフの司教が持っている誘発型能力は1文ですが、2つの部分に分かれます。ひとつは「オルゾフの司教が場に出たとき」もうひとつは「オルゾフの司教が憑依しているクリーチャーが墓地に置かれたとき」です。
ひとつめは普通にプレイしたりして場に出せば誘発しますが、もうひとつの誘発条件はあらかじめ「オルゾフの司教がそのクリーチャーに憑依している」ことが条件です。そのためには憑依能力でほかのクリーチャーに憑依しておかなければならない、ということです。

誘発条件がわから見ると面倒なプロセスですが、実際には「場に出たから誘発」「死んだので憑依」「憑依しているクリーチャーが死んだので誘発」という過程を経ることになります。

オルゾフの司教は「自分がコントロールしているクリーチャーすべてに+1/+1」か「自分がコントロールしていないクリーチャーすべてに-1/-1」と、なんとも大雑把かつ強力無比な効果を発揮します。とりあえず出すだけで相手のタフネス1が全滅するのですから、実際に使ってみるとリミテッドではかなり神くさいカードだということがわかるのではないでしょうか。

さて、それでは憑依について詳細ルールを見てみることにしましょう。
502.51. 憑依/Haunt

502.51a 憑依は、ゲーム外領域から、ほかの誘発型能力を作用させることが可能になる誘発型能力です。パーマネントに書かれている「憑依」とは、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。これをゲームから取り除き、この方法でこれがゲームから取り除かれているかぎり、これはそのクリーチャーに憑依する。」インスタント呪文かソーサリー呪文に書かれている「憑依」は、「この呪文が解決したとき、このカードをゲームから取り除かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードをゲームから取り除き、この方法でこのカードがゲームから取り除かれているかぎり、これはそのクリーチャーに憑依する。」ということです。

502.51b 憑依能力の結果としてカードは「ゲーム外」領域に置かれます。また「憑依されている」クリーチャーは、憑依能力によって対象にとられます。憑依されたクリーチャーが墓地に置かれたとき、それに憑依している各カードは、それぞれ誘発することになります。

502.51c 憑依されているクリーチャーが場領域を離れた場合、憑依されていることを止めます。

・憑依持ちのインスタント呪文かソーサリー呪文が打ち消された場合、その憑依能力は誘発しません。

・憑依持ちのインスタント呪文かソーサリー呪文は、それが憑依しているクリーチャーが墓地に置かれたときと同じ効果を持ちます。憑依持ちのクリーチャーは、それが憑依しているクリーチャーが墓地に置かれたときと同じ効果を場に出たときに持ちます。

・場にいるどのクリーチャーにも憑依できます。誰がコントロールしているかは問いません。

・1体のクリーチャーに複数のカードが憑依することも可能です。

・憑依したクリーチャーが場を離れても、それに憑依しているカードはゲーム外ゾーンから戻りません。

・憑依能力の対象になるクリーチャーがいない場合、そのカードは取り除かれるのではなく墓地に置かれます。

・憑依持ちのカードが墓地に置かれたとき、憑依能力に対応してそのカードが墓地から取り除かれた場合、憑依能力が解決し、それを取り除くことができないため、「憑依している」ことになりません。

・憑依持ちのトークン・クリーチャーや、インスタント呪文とソーサリー呪文のコピーにも同じことが言えます。憑依能力が誘発し、場にいるクリーチャーを対象にとります。ですが、墓地に置かれたトークンやコピーは即座に消滅するため、憑依能力の解決時に墓地に存在していません。よって取り除くことが出来ず、憑依することができません。

・ジャッジメントに含まれる《生ける願い/Living Wish(JUD)》などで、憑依しているカードがゲーム外領域から取り除かれた場合、そのクリーチャーに憑依することを止めます。

・憑依されているクリーチャーが墓地に置かれたとき、誘発する能力の発生源はゲームから取り除かれた憑依持ちのカードです。誘発型能力はそのカードのオーナーがコントロールします。

・プレイヤーBがオーナーでプレイヤーAがコントロールしている憑依持ちのクリーチャーが墓地に置かれた場合、プレイヤーAが憑依能力をコントロールします。プレイヤーAは対象のクリーチャーを選び、カードをゲームから取り除かないといけません。しかし、憑依されたクリーチャーが墓地に置かれたとき、ゲーム外にあるカードの誘発型能力はプレイヤーBがコントロールします。プレイヤーBは、その誘発型能力に必要な選択を行います。

・・・ほかにも特殊な状況はありますが、基本となる部分は説明されていますからあとは応用です。今ここで応用を説いても面白みがありませんから、憑依能力をどう使うか、あなたが考える番です。

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