消散と消失の違いについて解説します。
わかってる人は読み飛ばしてください。

502.60a 消失は三つの能力を表すキーワードである。「消失 N/Vanishing N」とは「このパーマネントは、N個の時間カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。
502.60b 数値を持たない消失は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。
502.60c パーマネントに複数の消失がある場合、それぞれは個別に作用する。

502.20a 消散は2つの能力を表すキーワードである。「消散 N/Fading N」は、「このパーマネントは、その上に消散カウンターがN個置かれた状態で場に出る」「あなたのアップキープの開始時、このパーマネントの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる」ということを意味する。

ルール入門にも書いてあるとおり、一番の違いは上にカウンターが置かれていないときの挙動が違う。消失はカウンターが置かれていなければそのまま場に残り続ける。消散は取り除けないなら解決時に生け贄に捧げなければいけない。

”消失のルールには「条件誘発の『場合』構文」があり、パーマネントの上に時間カウンターが置かれていない場合は、カウンターを取り除く能力は誘発しなくなる。この事実は、実際はMagic Online以外でほとんど影響が無いため、消失の注釈文には書かれていない。”

また、能力の扱いが微妙に異なるため、生け贄に捧げるタイミングも異なる場合がある。
消散はカードにカウンターが置かれていなくても、次に能力が誘発するアップキープまでは場に残る。
消失は「最後の時間カウンターが取り除かれた」ときに誘発するため、カウンターが置かれていない消失を持つカードに時間カウンターを1個置き、それを取り除けば生け贄に捧げる能力が誘発する。

消散は必ずアップキープにしか誘発しないが、消失は時間カウンターが取り除かれればいつでも生け贄に捧げる能力が誘発する、ということだ。

時間カウンターの数さえ自由にできれば、消失持ちを墓地に送るのを早めたり遅くしたりが可能になる。また、時間カウンターを取り除く/置く能力は、アップキープ以外の任意のタイミングで能力を誘発させることが可能になる。

これが、2つの能力の似ているけども大きく違う点である。

《ケルドの匪賊/Keldon Marauders(PLC)》を例にとってみよう。
消失は2なので、通常のプレイでは召喚酔いで消失2のまま突っ立っている。で、攻撃できるのは次の自分のターン(カウンター1個)で、次の自分のターンにはアップキープで死んでしまう。

相手ターンの終了時にプレイしたら?自分のターンに攻撃に参加できるのはいいが、アップキープは介してしまうのでやはり1回しか攻撃できずに、次の自分のターンのアップキープには死んでしまう。
2マナ3/3という破格なP/Tながら、「1点飛ばして、1回攻撃して、1点飛ばす」だけのカードである。
さて勝手に死んでしまうカードはリミテッドでも使いづらい。《ブラストダーム/Blastoderm(NEM)》サイズまで制圧力があればいいのだが、3/3が1回しか攻撃できないのでは実にカードの無駄遣いである。

カード単体ではこの程度なので、消失持ちの「勝手に死んでしまう」ことを利用するには、なんらかのほかのカードの補助が必要だ。
1、手札に戻す
 インスタント速度で手札に戻す方法を使うことで、戦闘ダメージの当て逃げと場に出たときの能力を再利用できる。が、墓地に置かれたときの能力を利用できないので、微妙にコストがもったいなくも感じる。

2、墓地から回収する
 コストは軽いので、呪文そのものをプレイすることは難しくない。死んでしまった後で墓地から場なり手札なりに釣り戻し、再度プレイすれば、墓地に置かれたときの能力も利用できる。

3、どのカードを採用するか
 手札に戻しても墓地から釣ってもすぐに死んでしまうので、呪文カードを使うのは論外。こういったカードを有効活用する手段は、場に置いていれば勝手にクリーチャーを戻してくれるカードを使うことである。
たとえば、《命綱/Lifeline(USG)》や、《永劫の輪廻/Enduring Renewal(TSB)》がそれにあたる。

コンボとしては弾が悪いので、もっと良い再利用用カードがあれば、ここいらの再利用サイクルは日の目を浴びることがあるかもしれない。

コメント

nophoto
Wayward Soul
2007年2月21日10:45

《ケルドの匪賊》の能力は、場に出たときor場を離れた時だから手札に戻した時にも誘発しますよ。と、超遅レス。

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