書いてあることは要するに「プレリリース会場へ足を運んでね!」ということです。


さて大切なのはビデオのほうの内容でしょう。順にどんなことを言っているかを紹介します。

◆続唱/Cascade

すでにカードプレビューでも出てきている《瀝青破/Bituminous Blast》と、こちらは初登場の《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が使われています。
このメカニズムを過去の日記からもう一度。

1、この呪文をプレイしたときに誘発するので、この呪文の解決前に誘発型能力がスタックに乗る。
2、続唱の解決。ライブラリーの一番上のカードを順番にゲーム外へ置いていく。土地でなく、この呪文のコストより低いコスト(《瀝青破/Bituminous Blast》は5なので、点数で見たマナ・コストが4以下)のカードがゲーム外に置かれたらそこでストップ。
3、該当するカードを無料でプレイしてもいいししなくてもいい。ソーサリーだろうがクリーチャーだろうがプレイOK!
4a、プレイしたならその呪文がスタックに積まれる。解決するかどうかは続唱の解決が終わってから。5へ
4b、まだプレイするときじゃないなら5へ
5、続唱によってゲーム外に置かれたカードをよく切り直して、ライブラリーの一番下に置く。

「マナ・コストを支払うことなく」プレイするときには、いくつか注意すべき点がある。

1、呪文のマナ・コストに含まれるXは、0になってしまう。
  《猛火/Blaze(10E)》は点数で見たマナ・コストは1。だから《瀝青破》で引き当てた場合、プレイすることはできるけれども0点のダメージしか行きません。こういうのは無駄なのでやめましょう。

2、代替コストは払えない。
 要するに、そのカードが持つ代替(ピッチ)コストを支払ってプレイすることはできないということです。代表的な例として《無し生み/Nevermaker(MOR)》の想起が挙げられています。ほかにも代表的なピッチ呪文である《Force of Will(ALL)》を、ライフ1点と青のカードを取り除くことでプレイすることはできない。マナ・コストを支払わずにプレイするか、しないか、どちらかとなります。

3、追加コストは支払える。あるいは支払わなければならない。
 任意で支払える追加コスト、つまりキッカーやバイバックに代表される追加コストとして存在するものは、プレイする際に追加することができます。また、呪文が追加コストを持つもの、代表的な例は《骨の粉砕/Bone Splinters(ALA)》のクリーチャーの生け贄。これも支払わないといけません。タダにしてくれるのはマナ・コストのみで、それ以外のコストは支払わなければなりません。もちろん、《三なる宝球/Trinisphere(DST)》や《寒け/Chill(TMP)》などでコストが加算されている場合なども追加で支払わなければなりません。

4、対象がなければ、プレイできない。
 いくらプレイしたいからといっても、続唱で《金線の破れ目/Filigree Fracture(CON)》を引いて来ても、アーティファクトもエンチャントも場にないのなら、それはプレイできません。あるいは、《恐怖/Terror(10E)》を公開したけど場に黒のクリーチャーしか居ない、あるいはプロテクション黒しか居ないとなると、やはりプレイできません。

 プレイできないから次にプレイできるものが公開されるまで続唱でライブラリーの一番上をゲーム外領域へ置き続ける・・・なんてことは書いてないので、点数で見たマナ・コストがより低いものを取り除いたものの、それがプレイできない場合は、ゲームから取り除いたカードを全て切りなおした上でライブラリーの底に置くことになります。

《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
 4マナとやや重いけれど速攻を持っているので続唱目当てで別のクリーチャーや呪文をタダで使うことを前提としてデッキに組み込むのが最善。速攻で4マナたまるようにして続唱のオマケを期待するのが賢いやりかたでしょう。リミテッドだと重いカードも多いのでプレイするカードが限定されてしまう点にも注意。3マナ以下の有用なカードが無い場合はこのカードを入れないほうがいいということです。
 なぜなら、続唱は絶対にライブラリーを取り除くことになるので、相手にどんなカードがライブラリーに眠っているのかをバラしてしまうリスクのほうが大きいからです。

◆多色と混成

 紹介されているのはどちらもお初の《グリクシスの邪刃/Grixis Grimblade》と《巨怪なオサムシ/Monstrous Carabid》です。
 《グリクシスの邪刃》の{青/赤}黒というのは、UBのマナかRBのマナかで支払うことができます。このカードは青、赤、黒である3色の多色のカードで、点数で見たマナ・コストは2です。
 このカードのほかに多色のパーマネントをコントロールしていると、こいつは3/2接死もちとなります。ダメージを与えさえすればクリーチャーを破壊できるので、パワーが高いことは微妙に意味がなくなりますが、攻撃を通せば3点痛いので、相打ち前提のブロックとなることは必至でしょう。

 また《巨怪なオサムシ》のサイクリングは「サイクリング {黒/赤}.({黒/赤},このカードを捨てる:カードを1枚引く。)」となっており、Bか、Rでサイクリングの起動コストを支払うことができるようになっています。色マナに依存はしますが、1マナとディスカードでサイクリングできることはそれなりに有用でしょう。

 サイズ的には申し分ないのに、マストアタックが邪魔をする前にしか進めないクリーチャー。悪くはないのだけど同じサイズなら3マナの人たちがまだ居るので、しょせんコモンには出番が無さそう。

◆サイクリング、土地サイクリング

 《巨怪なオサムシ》は紹介済み。マナを払って、これを捨てれば1ドローできる、サイクリングの基本。

 お初の《ナヤの滞留者/Naya Sojourners》は、サイクリング誘発と領域変更誘発の二つを持ち合わせたクリーチャー。
 サイクリングそのものはマナとこのカードを捨てることなのでサイクリングの起動そのものは普通。ただ、サイクリング誘発はドローよりも前に行われることには注意。

2、クリーチャーの上に+1/+1カウンターを置いてもいい
1、サイクリングによるドロー

 スタックにはこのように積まれ、2から解決することになります。
 ただし、対象となるクリーチャーが無くてもサイクリングすることは可能です。クリーチャーが場に存在しない、あるいは被覆、プロテクションなどで対象にとれない場合、「+1/+1カウンターを置いてもいい」誘発型能力は、誘発はするものの対象がとれないために消滅し、何も起こりません。そして、スタックにはサイクリングのドローだけが乗っている状態で、サイクリングしたプレイヤーが優先権を得ます。

 また、適正な対象が相手のクリーチャーしかいない場合、「+1/+1カウンターを置いてもいい」能力は必ずそれを対象にとってスタックに乗ることになります。スタックに乗せないことを選ぶことは出来ません。もちろん「置いてもいい」能力なので、解決時に置かないことを選べば相手に塩を送ることはしなくて済みます。

 普通にプレイするにはやや色の濃いクリーチャーですが、パワーが5ということでナヤの他のカードとの連携もとれますし、万一墓地に置かれたとしても、遺産として+1/+1カウンターが残ります。
 サイクリングすることで2G1ドローに+1/+1カウンターのおまけを持つカード。あるいは場に出せば5/3で墓地に置かれれば+1/+1カウンターのおまけ。どちらをとるかは場の状況次第。

 次に紹介されるのは《聖域の耕し獣/Sanctum Plowbeast》。こいつは平地サイクリングと島サイクリングを持っています。
 この土地サイクリングは、それぞれが2マナのコストを持ち、どちらかを起動すればどちらかを持ってこれます。起動するときはきちんと宣言しましょう。
 平地サイクリングは起動すると、マナとこのカードを捨てることでライブラリーから平地カードを探して手札に加えることができます。島もそれ相応。

 つまり、ライブラリーに島がもうないのに島サイクリングを宣言すると、何も見つからずにライブラリーだけ切り直すことになります。
 もっとも、「探す」なので、島や平地があるのに「ライブラリーには見つかりませんでした」と言って切り直すことも可能です。そこらへんは好きずきでやってください。基本的にはマナを使ってカードを消費しているのでライブラリーから引いてきたほうが有利です。

 クリーチャーとしては6マナとやや重いものの3/6防衛とガッチリ体型。マナが揃いつつあるならこいつで守りを固めるのが上策でしょう。


 ではそれ以外のプレビューカードを。

《絶滅の王/Lord of Extinction》
 ジンベイザメみたいなぱっくりお口がなんでも吸引していくよー。
 墓地にカードが無いと一瞬で死んでしまいますが、こちらが除去を使って相手のクリーチャーが1体落ちると、それだけで2/2になります。
 数えるのはすべての墓地。つまりEDHでひょいと出そうものならいきなりとんでもない大きさに。

《報復するグリフィン/Retaliator Griffin》
 4マナ2/2飛行と運用するにはちとサイズが足りない? と思いきや、自分がダメージを受けると、そのダメージぶんお返しをしてくれます。選択式なので置く事を忘れないように。

 色は3色と濃いものの、そのターン調子のって攻撃に来れば、そのぶん膨らんだグリフィンが相手にお返ししてくれるわけです。ダメージレースでトントンならばそのまま勝てる仕様だし、負けていても一瞬攻撃を迷わせるぶんには強力なクリーチャー。
 ただ初期サイズがやっぱり心元ないのと、選択権は相手にあるので、瞬速かなにかでトリックとして出したいというのが贅沢な悩み。

《無謀突進のサイクロプス/Madrush Cyclops》
 かつて3マナの《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya(INV)》というものがありましたが、こいつは4マナでクリーチャーになってしまいました。自分も4マナ3/4速攻なのはいいんですが、速攻は基本的に1ターンぶんの恩恵しかない能力。続くクリーチャーが有用ならばこいつを投入するのも悪くないんですが・・・サイズそのものは申し分ないので、リミテッドなら神ではないものの採用をためらう必要はないカード。

《アンクスの死者の王/Lich Lord of Unx》
 エントリーセットに入っている死者の王が紹介されました。
 3マナ2/2、普通のゾンビさんかと思いきや、UBタップで1/1ゾンビ・ウィザードを量産可能。そのうえゾンビがたまったらUUBBでライフ喪失とライブラリーミルを実行できる。これ自身もゾンビなので、1UBとUUBBがあればプレイしたターンに起動できる(1点だけど)のも魅力。盤面へのチャンパー投入と直接火力、将来的な脅威の排除といろいろお得なクリーチャー。

《最高の時/Finest Hour》
 今宵あなたに最高の時をご提供いたします。お代はたったの2GWU。賛美つきエンチャントですのでどなたさまもお一人なら+1/+1修整をご提供させていただきます。
 さらにお一人で攻撃なさったことを記念して、なんと一回目の戦闘フェイズの後に2つめの戦闘フェイズをおつけします!攻撃された方もアンタップさせていただきますので、もし生き残られたなら2回目の戦闘でもどうぞご活躍ください。

 基本的には1回目の戦闘フェイズに1人で突撃させて、生き残ろうが死のうがフェイズだけ頂いて、2回目の戦闘で総攻撃というのが有用。もちろん、バントカラーのエンチャントなのでやはり賛美も生かしてブロックされにくい1体だけを2回突撃させるのがお得ではあるけれども。
 張っても無駄ではないので、余裕があれば出してもいいエンチャント。
 3つくらい場に出しておくと、1回目の戦闘フェイズでアンタップを3回されて追加で3つ戦闘フェイズが加わる。追加された戦闘フェイズで攻撃すると、タップしたままになってしまうのでそこらへんは注意を。

《屍術士の誓約/Necromancer’s Covenant》
 6マナと重いものの、その頃には墓地も肥えているはず。3枚もあれば2/2クリーチャーが3体。しかも絆魂により6マナで6点のライフを得ることができると考えると、リソースの動きはかなりお得な部類。相手の墓地を掃除するもよし、使い切った自分の墓地を弾丸にするもよし。他のカードと組み合わせないと使い切りではあるものの、使いまわせるととんでもないことになる。使いどころは難しいがリミテッドなら導入する余地は十分ある。
 搦め手でゾンビデッキに光明が見えるのかどうか。

《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
 続唱ビデオで登場。

《金線の天使/Filigree Angel》
 エントリーセット収録カード。場に出たらアーティファクトの数だけ3ライフを得られる。白青なのでバント、エスパーのデッキに使えるけれども、能力はどう考えてもエスパーより。《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor(ALA)》を並べてコストを軽くし、なおかつ《エスパーのオベリスク/Obelisk of Esper(ALA)》でマナ・ブーストをしてやると、こいつを出して10点以上のライフを回復することも夢ではない。
 エスパーデッキにまた厄介な飛行クリーチャーが加わった。

《センの三つ子/Sen Triplets》
 自分のターンの間、相手は手札からカードを使えないうえに場のパーマネントの起動型能力もプレイできない。青がらみのコントロールデッキにとってはそれだけで渋い顔になる。
 しかも、そのターンの間手札を公開したままで、なおかつ自分はそのなかからカードを拝借してプレイできるのだからタチが悪い。もっとも、コストを払うのは見ているほうなのだから、色が合わなかったり対象が無ければプレイできないわけなのだが。

 エスパー色のコントロールデッキにとってはこれ以上ない優秀なカード。リミテッドなら5色用意して相手の手札を徹底的に利用してしまいたい。夢が広がるクリーチャーではあるけど、場に出なければどうということは・・・

《巨大待ち伏せ虫/Giant Ambush Beetle》
 5マナの4/3速攻。待ち伏せというより奇襲なこの虫、速攻もそのターンだけの恩恵、ブロックを強制するのも場に出たターンだけの能力となんともありがたくない。使いようによっては有用になるのだろうか?

《霧を歩むもの、ウリル/Uril, the Miststalker》
 神話レアもかなり紹介されてきてるからもうネタ切れしそう。色の濃い5マナ5/5.。しかも対戦相手の呪文や能力の対象にならないから、単体除去を避けれるデカブツとしてはわりと優秀。
 でもパンプアップのほうはちょっと条件が厳しい。個別エンチャントはリミテッドでも微妙なチョイスだし、アラーラリミテッドで良質のオーラ・カードというのが少ないのもあって、悪いカードではないのだけれど真価を発揮するというほどにはいたらなさそう。

《茸の番人/Mycoid Shepherd》
 俺きのこよりたけのこ派なんだけどなあ。とにかく、パワーが5以上のクリーチャーが死ぬと5点のライフを得させてくれる。こいつが死んでも5点になるので、速攻で除去されてもおいしく頂けるクリーチャー。しかも4マナ5/4とパフォーマンスにも優れているキノコ。

こいつはおいしい。ちなみに、パワーの値は場にあった最後の情報を用いるので、《巨大化/Giant Growth(10E)》で5以上にして死んでいっても5点のライフになる。構築ではキッチンの後釜として出番がありそう?

《交戦の栄光/Glory of Warfare》
 自分のターンだとパワーが増えて、相手のターンだとタフネスが増える。
 厄介だけど、厄介だけど。そっとデッキから抜いた

《呪文砕きのビヒモス/Spellbreaker Behemoth》
 打ち消されない呪文には安心感があります。絶対に通るから。4マナ5/5です。パフォーマンスも最高。しかもパワーが5以上の呪文が打ち消されなくなります。いやっほう!

 え、《恐怖/Terror(10E)》ですか

 エントリーセット収録のレア。場に出ちゃうとちょっと微妙くささが漂うけれど、きっとコストパフォーマンスでなんとかしてくれると信じたい!

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索