全体的名変更のほかにも、特定のカードに対しても訂正が行われている。

機能変更される訂正

《チビ・ドラゴン/Dragon Whelp(TSB)》
 これの遅延誘発は紛らわしい。これは「ターン終了時に、この能力がこのターンに4回以上起動されている場合、チビ・ドラゴンを生け贄に捧げる」と書かれている。終了ステップにこれを起動したとする。遅延誘発型能力は次のターンの終了ステップに誘発する。だが、能力が参照する「このターン」とはどれだろうか?あなたが能力を起動したターン?それとも遅延誘発型能力が誘発したターン?

2つの分岐がある文章のパーツを移動させることで、このあいまいさを明確にした。1)あなたが終了ステップの間にこの能力を4回起動した場合、《チビ・ドラゴン》は次のターンに生け贄に捧げられる。2)古いテキストでは、この能力を5回起動した場合、《チビ・ドラゴン》を守るためには5回《もみ消し/Stifle(SCG)》しなければならなかったが、新しいテキストでは、2回でよい。(解決する前に連続で起動したとするなら、1つは4回目、もう1つは5回目のぶんである。)これは端的なケースだが、《チビ・ドラゴン》がマジック2010に入るという噂を聞いたものの、新しいテキストに変えるのが間に合わなかった。《ナラスニ・ドラゴン/Nalathni Dragon》《Farrelite Priest(FEM)》《漆黒の手の信徒/Initiates of the Ebon Hand(5ED)》が同様の変更をうけている。

《チビ・ドラゴン/Dragon Whelp(TSB)》の新オラクルテキスト:
飛行
{赤}:チビ・ドラゴンはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。このターンこの能力が4回以上起動されている場合、次の終了ステップの開始時に、チビ・ドラゴンを生け贄に捧げる。

《上天の裂け目/AEther Rift(INV)》
 印刷されたテキストでは、これの能力は戦場に出る前にあなたにカードを捨てさせる。オラクルはそうはなっていない。これが訂正されたのは、トーメントが発売されてマッドネスとの相互作用の問題を解決するためだった。しかしマッドネスのルールも改良されたので、これとおかしな作用を起こすことも無い。

新オラクルテキスト:
あなたのアップキープの開始時に、あなたは、あなたの手札からカードを1枚無作為に選んで捨てる。これによりあなたがクリーチャー・カードを捨てた場合、いずれかのプレイヤーが5点のライフを支払わない限り、そのカードをあなたの墓地から戦場に戻す。

《分裂/Bifurcate(MMQ)》
 印刷されたテキストでは、これは「カード」を対象にとっていた。トークンを対象にとれないということだ。また、それがクリーチャー・カードである必要もなかった(たとえば、クリーチャー化した土地も対象にとれるということだ)。

新オラクルテキスト:
トークンでないクリーチャー1体を対象とする。あなたのライブラリーからそれと同じ名前を持つパーマネント・カード1枚を探し、そのカードを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

《粗暴な抑制/Brutal Suppression(PCY)》
 印刷されたテキストでは、「レベル・カード」に影響する。トークンには影響しない。

新オラクルテキスト:
トークンでないレベルの起動型能力は、それを起動するためのコストに「土地を1つ生け贄に捧げる」が追加される。

《冷蔵室/Cold Storage(TMP)》
 印刷されたテキストでは、2番目の能力は「場にある冷蔵室の上にすべてのクリーチャー・カードを置く」とある。これを額面どおりにとってしまうと、この能力を起動したプレイヤーがすべてのカードを置くので、戻されたパーマネントはそのプレイヤーがコントロールするという意味になる。古いルールではそうではなく、すべてのカードはそのオーナーのコントロール下で戻る。カードから推測できることではないから、ルールを逆転させ、《冷蔵室》は能力のコントローラーがすべてのパーマネントを得るようにする。

新オラクルテキスト:
{3}:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。
冷蔵室を生贄に捧げる:冷蔵室によって追放された各クリーチャー・カードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。

《サイクロン/Cyclone(CHR)》
 このカードの印刷されたテキストは累加アップキープによく似ているが、同じではない。キーワード能力から戻す。

新オラクルテキスト:
あなたのアップキープの開始時に、サイクロンの上に風カウンターを1個置く。その後、あなたがその上に置かれている風カウンター1個につき{緑}を支払わない限り、サイクロンを生贄に捧げる。あなたが支払った場合、サイクロンは、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ、その上に置かれている風カウンターの総数に等しい点数のダメージを与える。

《ドラルヌのペット/Dralnu’s Pet(PLS)》
 《飛びかかるカヴー/Pouncing Kavu(INV)》のように、これは《ドラルヌのペット》が飛行を持っている状態で戦場に出るべきである。

新オラクルテキスト:
キッカー {2黒},クリーチャー・カードを1枚捨てる。(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは他のコストに加えて{2黒}を支払うとともにクリーチャー・カードを1枚捨ててもよい。)
キッカー・コストが支払われた場合、ドラルヌのペットは、その上に+1/+1カウンターがX個置かれるとともに飛行を持った状態で戦場に出る。Xは、捨てられたカードの点数で見たマナ・コストの値である。

《不正利得/Ill-Gotten Gains(USG)》&《時のらせん/Time Spiral(USG)》
 印刷されたテキストでは、この呪文はまず追放し、その後残りが起こる。オラクルではそれが違っているが、そうする必要性はない。(総合ルールでは、呪文が解決をはじめたらそれがスタックから離れても完全に解決するということが明示されている。)

《不正利得/Ill-Gotten Gains(USG)》の新オラクルテキスト:
不正利得を追放する。
各プレイヤーはそれぞれ、自分の手札を捨て、その後自分の墓地にあるカードを最大3枚まで自分の手札に戻す。

《時のらせん/Time Spiral(USG)》の新オラクルテキスト:
時のらせんを追放する。
各プレイヤーはそれぞれ、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。あなたは土地を最大6つまでアンタップする。

《Imprison》
 印刷されたテキストでは、これは破壊される。生け贄ではない。同様に、最後の能力も《バルデュヴィアの大将軍/Balduvian Warlord(CSP)》が訂正されたように訂正される。

新オラクルテキスト:
エンチャント(クリーチャー)
いずれかのプレイヤーが、エンチャントされているクリーチャーの、その起動コストに{T}を含むマナ能力でない起動型能力を起動するたび、あなたは{1}を支払ってもよい。そうした場合、その能力を打ち消す。そうしなかった場合、Imprisonを破壊する。
エンチャントされているクリーチャーが攻撃かブロックをするたび、あなたは{1}を支払ってもよい。そうした場合、このクリーチャーをタップして戦闘から取り除く。そのクリーチャーにブロックされていたクリーチャーのうち、この戦闘で別のクリーチャーによってブロックされた状態になっていないものは、ブロックされていない状態になる。あなたがこの{1}を支払わなかった場合、Imprisonを破壊する。

《荒れ狂うインプ/Maddening Imp(TMP)》
 印刷されたテキストでは「戦闘前」に起動しなければならないという制限があった。少数のテンプレートならしのために煮詰められて、起動制限のひとつを無くした。《荒れ狂うインプ》もそれに乗ってしまったが、そうすべきではなかった。印刷されたテキストに沿うように制限が再び変更された。

新オラクルテキスト:
飛行
{T}:アクティブ・プレイヤーがコントロールする壁でない各クリーチャーは、このターン可能ならば攻撃する。次の終了ステップの開始時に、これらのクリーチャーのうち、このターンに攻撃しなかった各クリーチャーを破壊する。この能力は、いずれかの対戦相手のターンの間で戦闘フェイズより前しか起動できない。

《しもべの誓い/Oath of Lieges(EXO)》
 《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》のようなカードにライブラリーを探さないなら切り直すこともないという訂正を出した。これも同じ訂正である。

新オラクルテキスト:
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーがコントロールする土地の総数がそのプレイヤーのどの対戦相手よりも少ない場合、そのプレイヤーは「自分のライブラリーから基本土地カード1枚を探してそのカードを戦場に出し、その後自分のライブラリーを切り直す」ことを選んでもよい。

《ファイレクシアへの放逐/Phyrexian Purge(MIR)》
 印刷されたテキストでは、追加コストの「3点のライフを支払う」は何度でも支払うことができた。そのことは、対象にとることができる数に影響した。あるとき、支払いは解決時に移動した。(《衰亡の加護/Withering Boon(MIR)》のように)追加コストを持つように、可能な限り戻されたカードがある。しかし、我々は対象の数に関係があり、しかも複数回追加コストを支払うという《ファイレクシアへの放逐》を明確化する技術が無かった。しかし、M10の《火の玉/Fireball》の新しい扱い方で、追加コストを作らずにコストを増やす方法を思いついた。(実用的な目的のためなら、これは関係が無い。しかし技術的なルールの目的のためなら、呪文を唱えるときにコストを決定する時点で大きな違いが生じる。)《ファイレクシアへの放逐》も同じ扱い方をできた。ライフの支払いは呪文を唱えるときに戻され、解決時ではなくなった。

新オラクルテキスト:
望む数のクリーチャーを対象とし、それらを破壊する。ファイレクシアへの放逐は、対象1つにつき唱えるためのコストが「3点のライフを支払う」多くなる。

《落とし格子/Portcullis(STH)》
 印刷されたテキストでは、これは能力を1つだけ持つ。これはクリーチャーが戦場に出たときに誘発し、そのクリーチャーを追放する(おそらくは)。その後、《落とし格子》が戦場を離れたときにそのクリーチャーが戻るという遅延誘発型能力を作る。オラクルテキストでは2つの能力になっている。つまり、《もみ消し/Stifle(SCG)》1つで戦場を離れたときの誘発型能力を打ち消すだけで、取り除いたカードがすべて戻ってこないわけである。それは別々の遅延誘発型能力が作られてカードを戻すわけであり、1つの《もみ消し》では1つしか戻ることを防げないという意味である。

新オラクルテキスト:
クリーチャーが1体戦場に出るたび、すでに戦場に他のクリーチャーが2体以上いる場合、そのクリーチャーを追放する。落とし格子が戦場を離れたとき、そのカードをそのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。

《Psychic Allergy》
 印刷されたテキストでは、これは破壊される。生け贄ではない。同様に、これはトークンでないパーマネントを数えるべきである。カードではない。

新オラクルテキスト:
Psychic Allergyが戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。
各対戦相手のアップキープの開始時に、Psychic Allergyは、そのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、そのプレイヤーがコントロールする選ばれた色のトークンでないパーマネントの総数である。
あなたのアップキープの開始時に、あなたが島を2つ生け贄に捧げない限り、Psychic Allergyを破壊する。

《Rasputin Dreamweaver》
 これの印刷テキストは細かすぎて別々の能力を示すための行間さえなかった。オラクルでは4つの能力を持っているが、これを5つにする。最終行は《Rasputin Dreamweaver》そのものにかかるべきであると考えるからである。

新オラクルテキスト:
Rasputin Dreamweaverは、その上に夢カウンターが7個置かれた状態で戦場に出る。
Rasputin Dreamweaverから夢カウンターを1個取り除く:あなたのマナ・プールに、{1}を加える。
Rasputin Dreamweaverから夢カウンターを1個取り除く:このターン、次にRasputin Dreamweaverに与えられるダメージを1点軽減する。
あなたのアップキープの開始時に、Rasputin Dreamweaverがアンタップ状態でターンを開始した場合、その上に夢カウンターを1個置く。
Rasputin Dreamweaverは、その上に夢カウンターを8個以上置くことができない。

《Rocket Launcher》
 印刷されたテキストでは、これは破壊される。生け贄ではない。元に戻した。最後の文章はちゃんと読める文章になるよう若干言葉を付け足した。

新オラクルテキスト:
{2}:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。Rocket Launcherは、それに1点のダメージを与える。次の終了ステップ開始時に、Rocket Launcherを破壊する。この能力は、あなたが最近のターン開始時から継続してRocket Launcherをコントロールしている場合にしか起動できない。

《生存者の捜索/Search for Survivors(PCY)》
 印刷されたテキストでは、墓地の並べなおしは最初に起こる。一部の場合において違いが生じる(《ヴォルラスの多相の戦士/Volrath’s Shapeshifter(STH)》など)。なのでそれを直した。

新オラクルテキスト:
あなたの墓地を無作為に並べ直す。
いずれかの対戦相手は、あなたの墓地にあるカードを1枚無作為に選ぶ。それがクリーチャー・カードである場合、そのカードを戦場に出す。そうでない場合、それを追放する。

《網の壁/Wall of Nets(EXO)》
 2番目の能力はあいまいである。《網の壁》が戦闘中にブロックしたクリーチャーを参照する(もうブロックしていないとしても)のか、《網の壁》の能力の解決時の時点でブロックしているクリーチャーだけを参照するのか?これは前者として明確化された。同様に、3番目の能力はカードを戦場に戻すべきである。

新オラクルテキスト:
防衛(このクリーチャーは攻撃できない。)
戦闘終了時に、この戦闘で網の壁がブロックしたすべてのクリーチャーを追放する。
網の壁が戦場を離れたとき、網の壁によって追放されたすべてのクリーチャー・カードを、それぞれのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。

《Ydwen Efreet》
 オラクルテキストは先取りしてあなたが攻撃されているときにだけ《Ydwen Efreet》がブロックできない可能性があるようになっている。この能力はプレインズウォーカーが攻撃されているとしても働くべきだ。《Ydwen Efreet》がブロックした後に働くのが理想的である。

新オラクルテキスト:
Ydwen Efreetがブロックするたび、コイン投げをする。あなたがコイン投げに負けた場合、Ydwen Efreetを戦闘から取り除く。これにブロックされていたクリーチャーのうち、この戦闘で別のクリーチャーによってブロックされた状態になっていないものは、ブロックされていない状態になる。


コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索