あらーらむかしばなし ぱーと2
2009年10月7日 【マジック】それから数日後、群れの居住地に戻ったアジャニは、居住地はひとけ無く静まり返っているのを目にします。いや、物音は火葬の薪からしていました。ジャザルが葬られていました。
「これじゃカッコがつかないな」とジャザルの魂。
「そんなことはないさ」とアジャニ。「群れ長として葬られているんだ、立派だよ」
そこに残っていたザリキが現れ、不在を問い詰めます。アジャニはうまく説明できません。
その頃、ラッカはサルカンとボーラスを引き合わせていました。サルカンはボーラスに忠誠を誓います。
「戦争が始まる。できうるかぎりのプレインズウォーカーを引き入れ、勝利を我が物としたい」
「御身の武器となりましょう。ところで、俺はもう一人、プレインズウォーカーを知ってるんですがね・・・」
その頃アジャニは祝祭で奇妙な動きをしていたテノークを追い詰めていました。崖でもみあううち、アジャニとテノークは崖から落ちかけますが、テノークが崖っぷちにつかまり、アジャニがテノークの足につかまるという体たらく。
「テノーク・・・何かにつかまれ」
「俺の脚を離せ!」
「やめろ、なんとかするから、動くんじゃない!」
「滑り落ちそうだ、落ちてしまう」
「つかまるものを探すんだ」
「せいせいするぜ」
テノークはアジャニの腕を蹴りつけ、アジャニは崖から落ちてしまいます。
傷だらけのアジャニは、バントにプレインズウォークします。その報はエルズペスのもとに届き、彼女はアジャニを保護することに決めます。
エルズペスはアジャニがプレインズウォーカーであることを見抜いていました。アジャニは彼女に世界が変化していること、5つの次元のことを説明しますが、彼女は急に頑なな態度を取り始めます。
話を一方的に切り上げられてしまい、しょうがなく傷が癒えたアジャニはひとまずナヤに戻ります。狙うはテノーク。
行方を追うためにテノークの母親を訪ねます。
「生きておったのかい」
「あんたの息子のおかげでな、チママトル」
「不幸な事故だよ」
「すべて”事故”だって?あんたとテノークが関わってるとしか思えないが」「俺はあんたと息子の罪を知っているぞ。 ジャザルを殺した真犯人は誰なんだ」
「あたしのゴールなどわかりきったことさ、テノークを一人前にすることさ」
「その結果としてジャザルが死んだ」
「小さき猫、知りたいと願うことは大きすぎ、お前の見地は小さすぎる」
「あんたが犯人じゃないと言うのなら、いったい誰だと言うんだ」
「どうして追う」
「罰を与える」
「もう一月も前さ、お前さんなどひと噛みで食われるほど腹をすかせてるよ」
「そいつは何者なんだ」
「古き友、古き英雄」
ナカティルの生ける英雄、マリーシは目的の場所にたどり着いていました。その眼下、谷に広がるはエルフの集落、そして、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》が眠る場所。
その頃エスパーでは、サルカンがエスパーのオベリスクへの工作を完了していました。
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》への儀式を終えたマリーシに声がかけられました。「マリーシ」「本当にあんたなのか」
「人違いだろう」
「マリーシ、古きコイルを破りし者。赤茶(マホガニー)の毛を持つもの。チママトルが教えてくれた」「もしあんたが本当のマリーシなら、聞かなければならないことがある。闇の魔法で殺された兄のことだ」
「名はなんという、白毛」
「アジャニ」
「アジャニ、兄のことは残念に思うが、わしはやってはいない」
「あんたは嘘をついている。もし真実を話さないというのなら――」
「殺したければ殺すがいい」
「すぐには殺さない。聞きたいことは山ほどあるからな。本当にマリーシ、コイルを破りし者と呼ばれた者なのか」
「アンタリの獣、とも呼ばれたよ」「わしの罪は数多くあるがな、お前さんの兄を殺したのはわしではない。あやつ自身が招いた結果なのだ」
「嘘をつくな」
「そうさ、雲のナカティルに挑むべからず、危険な質問を発するべからず、主の計画を破るべからず」
「主?誰だ」
「はやく殺せ!すべてが起こる前に」
「何が起こるというんだ、言え!」
「お前が手を下さずとも、わしらはすべて死ぬ。お前にはあのドラゴンを止めることなどできはすまい、ニコル・ボーラス様をな」
そのとき恐ろしい地響きとともに足元の地面が隆起し、アジャニとマリーシは宙に投げ出されます。
アジャニはジャングルの木に落ち、そのままエルフの谷のほうへと転げていき、一匹のガルガンチュアンの前で止まります。
「あなたは誰?ここで何をしているのですか?」静かな女性の声。うら若き黒髪のエルフの巫女が、ガルガンチュアンの背に乗っていました。
「エルフよ、領地に入ったことを許して欲しい。俺は野生のナカティル群れのアジャニという。別のナカティルに会っていたところ、突然地面が揺れて・・・彼を見失ってしまった。何が起こったのか教えて欲しい」
「私たちにも、わかりません」
彼女は立ち去るように言いますが、アジャニには気がかりがありました。マリーシが持っていた黒い円盤、呪文の器のことが。
「私はメイエルと申します。野生のナカティル群れのアジャニ」「今代のアニマを務めています。私たちよりもあなたのほうが何が起こっているか詳しそうですね?呪文の器というアーティファクトは、魔力を封じ込め、あるいは解放するものです。見たことはないのですが、あなたが持ってきたのですか?」
「いや違う。しかし似たような物で俺たちの仲間は邪悪な魔法により散り散りになってしまった。同じことがここでも起こるかもしれない」
「あるいは、もう起きているかも」とメイエル。「あなたの仕業であるか、その魔法のしわざであるかは知りようがありませんね」
「信じてくれ、これは俺のしわざではなく、俺が追っている者のやったことだ、彼も、そのアーティファクトも危険だ、皆すぐにここを離れたほうがいい」
「できませんし、するつもりもありません」「私たちはここに残り真実を聞く務めがあります。あなたこそ、持ち物とその器を持って早く立ち去りなさい」
仕方なくアジャニは谷を後にします。そしてマリーシが残した言葉と黒いうろこで造られた器について考えをめぐらせます。そして瞑想し、その幻視はやがて真実の姿を――ナヤが2つの次元と重なり合い、バントが2つの次元と重なり合い、5つの次元が奇妙な結びつきをしている世界を見出します。
その頃、《大祖始/Progenitus(CON)》の声を聞いていたメイエルに、声が響き渡ります。
「戦争を起こせ」
「汝が、エルフたちがすべてを殺しつくすのだ。外敵の血で河を作れ」
メイエルは息を呑みます。「大いなるものよ、それがあなたの答えなのですか?私にはわかりません!」
「戦争は近い。遠征の準備をせよ。今夜にも奴らは襲ってこようぞ」
そこで幻視は途切れます。
「のどが痛いわ」
「叫んでおいででした」
「そう、ごめんなさい」「戦士たちを集めてください。エルフは戦を始めます」
「戦? いったい、何をご覧になったのですか、アニマ様?」
「恐怖を」
パート3へ続く~
「これじゃカッコがつかないな」とジャザルの魂。
「そんなことはないさ」とアジャニ。「群れ長として葬られているんだ、立派だよ」
そこに残っていたザリキが現れ、不在を問い詰めます。アジャニはうまく説明できません。
その頃、ラッカはサルカンとボーラスを引き合わせていました。サルカンはボーラスに忠誠を誓います。
「戦争が始まる。できうるかぎりのプレインズウォーカーを引き入れ、勝利を我が物としたい」
「御身の武器となりましょう。ところで、俺はもう一人、プレインズウォーカーを知ってるんですがね・・・」
その頃アジャニは祝祭で奇妙な動きをしていたテノークを追い詰めていました。崖でもみあううち、アジャニとテノークは崖から落ちかけますが、テノークが崖っぷちにつかまり、アジャニがテノークの足につかまるという体たらく。
「テノーク・・・何かにつかまれ」
「俺の脚を離せ!」
「やめろ、なんとかするから、動くんじゃない!」
「滑り落ちそうだ、落ちてしまう」
「つかまるものを探すんだ」
「せいせいするぜ」
テノークはアジャニの腕を蹴りつけ、アジャニは崖から落ちてしまいます。
傷だらけのアジャニは、バントにプレインズウォークします。その報はエルズペスのもとに届き、彼女はアジャニを保護することに決めます。
エルズペスはアジャニがプレインズウォーカーであることを見抜いていました。アジャニは彼女に世界が変化していること、5つの次元のことを説明しますが、彼女は急に頑なな態度を取り始めます。
話を一方的に切り上げられてしまい、しょうがなく傷が癒えたアジャニはひとまずナヤに戻ります。狙うはテノーク。
行方を追うためにテノークの母親を訪ねます。
「生きておったのかい」
「あんたの息子のおかげでな、チママトル」
「不幸な事故だよ」
「すべて”事故”だって?あんたとテノークが関わってるとしか思えないが」「俺はあんたと息子の罪を知っているぞ。 ジャザルを殺した真犯人は誰なんだ」
「あたしのゴールなどわかりきったことさ、テノークを一人前にすることさ」
「その結果としてジャザルが死んだ」
「小さき猫、知りたいと願うことは大きすぎ、お前の見地は小さすぎる」
「あんたが犯人じゃないと言うのなら、いったい誰だと言うんだ」
「どうして追う」
「罰を与える」
「もう一月も前さ、お前さんなどひと噛みで食われるほど腹をすかせてるよ」
「そいつは何者なんだ」
「古き友、古き英雄」
ナカティルの生ける英雄、マリーシは目的の場所にたどり着いていました。その眼下、谷に広がるはエルフの集落、そして、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》が眠る場所。
その頃エスパーでは、サルカンがエスパーのオベリスクへの工作を完了していました。
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》への儀式を終えたマリーシに声がかけられました。「マリーシ」「本当にあんたなのか」
「人違いだろう」
「マリーシ、古きコイルを破りし者。赤茶(マホガニー)の毛を持つもの。チママトルが教えてくれた」「もしあんたが本当のマリーシなら、聞かなければならないことがある。闇の魔法で殺された兄のことだ」
「名はなんという、白毛」
「アジャニ」
「アジャニ、兄のことは残念に思うが、わしはやってはいない」
「あんたは嘘をついている。もし真実を話さないというのなら――」
「殺したければ殺すがいい」
「すぐには殺さない。聞きたいことは山ほどあるからな。本当にマリーシ、コイルを破りし者と呼ばれた者なのか」
「アンタリの獣、とも呼ばれたよ」「わしの罪は数多くあるがな、お前さんの兄を殺したのはわしではない。あやつ自身が招いた結果なのだ」
「嘘をつくな」
「そうさ、雲のナカティルに挑むべからず、危険な質問を発するべからず、主の計画を破るべからず」
「主?誰だ」
「はやく殺せ!すべてが起こる前に」
「何が起こるというんだ、言え!」
「お前が手を下さずとも、わしらはすべて死ぬ。お前にはあのドラゴンを止めることなどできはすまい、ニコル・ボーラス様をな」
そのとき恐ろしい地響きとともに足元の地面が隆起し、アジャニとマリーシは宙に投げ出されます。
アジャニはジャングルの木に落ち、そのままエルフの谷のほうへと転げていき、一匹のガルガンチュアンの前で止まります。
「あなたは誰?ここで何をしているのですか?」静かな女性の声。うら若き黒髪のエルフの巫女が、ガルガンチュアンの背に乗っていました。
「エルフよ、領地に入ったことを許して欲しい。俺は野生のナカティル群れのアジャニという。別のナカティルに会っていたところ、突然地面が揺れて・・・彼を見失ってしまった。何が起こったのか教えて欲しい」
「私たちにも、わかりません」
彼女は立ち去るように言いますが、アジャニには気がかりがありました。マリーシが持っていた黒い円盤、呪文の器のことが。
「私はメイエルと申します。野生のナカティル群れのアジャニ」「今代のアニマを務めています。私たちよりもあなたのほうが何が起こっているか詳しそうですね?呪文の器というアーティファクトは、魔力を封じ込め、あるいは解放するものです。見たことはないのですが、あなたが持ってきたのですか?」
「いや違う。しかし似たような物で俺たちの仲間は邪悪な魔法により散り散りになってしまった。同じことがここでも起こるかもしれない」
「あるいは、もう起きているかも」とメイエル。「あなたの仕業であるか、その魔法のしわざであるかは知りようがありませんね」
「信じてくれ、これは俺のしわざではなく、俺が追っている者のやったことだ、彼も、そのアーティファクトも危険だ、皆すぐにここを離れたほうがいい」
「できませんし、するつもりもありません」「私たちはここに残り真実を聞く務めがあります。あなたこそ、持ち物とその器を持って早く立ち去りなさい」
仕方なくアジャニは谷を後にします。そしてマリーシが残した言葉と黒いうろこで造られた器について考えをめぐらせます。そして瞑想し、その幻視はやがて真実の姿を――ナヤが2つの次元と重なり合い、バントが2つの次元と重なり合い、5つの次元が奇妙な結びつきをしている世界を見出します。
その頃、《大祖始/Progenitus(CON)》の声を聞いていたメイエルに、声が響き渡ります。
「戦争を起こせ」
「汝が、エルフたちがすべてを殺しつくすのだ。外敵の血で河を作れ」
メイエルは息を呑みます。「大いなるものよ、それがあなたの答えなのですか?私にはわかりません!」
「戦争は近い。遠征の準備をせよ。今夜にも奴らは襲ってこようぞ」
そこで幻視は途切れます。
「のどが痛いわ」
「叫んでおいででした」
「そう、ごめんなさい」「戦士たちを集めてください。エルフは戦を始めます」
「戦? いったい、何をご覧になったのですか、アニマ様?」
「恐怖を」
パート3へ続く~
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