複雑に組まれた木の支柱、ロープ製の吊り橋、板張り歩道は弧を描く輪の木で飾られていた。樹皮を突き刺すあらゆる試みも変わり樹は治してしまっているという事実は彼女の驚きをただ高めていた――かの器用な部族はクギをひとつも使わずに驚くべきことをやってのけている。ロープの橋はきしむ階段と板張り歩道のひとつと合流した。ハイバは太い枝の頂上にある屋敷へと向かう道を先に立って進んだ。他のタジュールも同じ方向へ歩いている者がいた。多くの者は互いの間で聞こえるくらいのひそひそとした話しぶりで会話をしていて、体中に皮ヒモを巻きつけた完全装備で細身の剣を携えていた。ニッサの記憶にあるジョラーガは、過去の戦闘で受けた傷跡に死んだ敵の血を塗って誓いを叫ぶような者たちばかりで、タジュールのように背が高く素晴らしい者は1人たりとも居なかった。
彼らが着いたときには屋敷は人で溢れかえっていた。白いジャディ樹製の窓枠に座って、乾燥させたクコの実の小袋をあちらこちらに手渡ししているタジュールもいる。部屋の中央の一段高くなった講壇には、ニッサが見かけたことが無い2人のエルフが立っていた。彼女は静かな口調によって訪問者が重要人物であることを見抜いた。
ハイバが彼女の耳の近くに寄った。
「語り部スティーナ殿です」彼は言った。
その語り部と重要な訪問者の2人を、その部族とともに過ごしているときに定住樹の傍で止まったのを彼女は以前見たことがあった。この部族がいかに大きかろうと講壇に立つ2人のような訪問者に匹敵するものは居ないように見えた。部屋の中央に立つその女性にニッサは注目した。語り部スティーナは簡素な緑の革製胴着を身につけ、彼女のアドバイザーも同様の服装をしていた。ロープも皮ヒモもなく、スティーナも助手も武器というものは持っていないようだった。装備が何も無く、武器もない彼女らの立ち姿にニッサは警告したくなった。しかし、タジュールはその重要人物であることとその無防備さに関してそうは考えていないようだ。彼女は世界を見ることを彼らなりのやり方を認め始めていた。
彼女が腕を広げ、話し始めた時、ニッサは彼女が何を着ていたかも忘れてしまった。
「ともがらよ」語り部スティーナは言った。その言葉は全員の頭上の空中をきらきら光りながら渡るように思えた。口を開く者は居なかった。あるタジュールはクコの実の小袋を木の床に落としてしまった。かすかに微笑んだまま語り部の目は部屋をぐるりと見渡し、ニッサと目があったとき、その微笑は消えた。「ともがらよ」突然大きな声で彼女は繰り返した。「私があなたがたの所まで遠く旅して来た今、多くは語りません。私達は森の根が大規模に腐れていっていることを他の方々に警告するためにオンドゥに来ているのです。」
彼らが着いたときには屋敷は人で溢れかえっていた。白いジャディ樹製の窓枠に座って、乾燥させたクコの実の小袋をあちらこちらに手渡ししているタジュールもいる。部屋の中央の一段高くなった講壇には、ニッサが見かけたことが無い2人のエルフが立っていた。彼女は静かな口調によって訪問者が重要人物であることを見抜いた。
ハイバが彼女の耳の近くに寄った。
「語り部スティーナ殿です」彼は言った。
その語り部と重要な訪問者の2人を、その部族とともに過ごしているときに定住樹の傍で止まったのを彼女は以前見たことがあった。この部族がいかに大きかろうと講壇に立つ2人のような訪問者に匹敵するものは居ないように見えた。部屋の中央に立つその女性にニッサは注目した。語り部スティーナは簡素な緑の革製胴着を身につけ、彼女のアドバイザーも同様の服装をしていた。ロープも皮ヒモもなく、スティーナも助手も武器というものは持っていないようだった。装備が何も無く、武器もない彼女らの立ち姿にニッサは警告したくなった。しかし、タジュールはその重要人物であることとその無防備さに関してそうは考えていないようだ。彼女は世界を見ることを彼らなりのやり方を認め始めていた。
彼女が腕を広げ、話し始めた時、ニッサは彼女が何を着ていたかも忘れてしまった。
「ともがらよ」語り部スティーナは言った。その言葉は全員の頭上の空中をきらきら光りながら渡るように思えた。口を開く者は居なかった。あるタジュールはクコの実の小袋を木の床に落としてしまった。かすかに微笑んだまま語り部の目は部屋をぐるりと見渡し、ニッサと目があったとき、その微笑は消えた。「ともがらよ」突然大きな声で彼女は繰り返した。「私があなたがたの所まで遠く旅して来た今、多くは語りません。私達は森の根が大規模に腐れていっていることを他の方々に警告するためにオンドゥに来ているのです。」
コメント
ちなみにマナバーン2010の記事は基本土地と名のあるレア土地、フェッチランドの大半が紹介されています。どの説明がどの土地を描写しているのか当ててみるのも面白いと思います。
つってるのに
She had seen a couple of messengers and important visitors stop by the home tree in her time with the tribe.
このhadは何なんだろう?解せぬ