【東方】『妖精の輪』後編【海外の反応】
2011年9月11日 アニメ・マンガ コメント (1)http://www.houseofsixten.com/hcstaff/?p=2743
全編あがってますが訳は後半のみで。
p16
早「ただいま戻りました」
2柱「「おかえり、早苗」」
p17
早「あら、結局その蛙の召し物になされたんですね」
諏「カエル服と帽子を同時に脱ぐなんてありえないよ」「もう少し一揃い手に入れたいね」
諏「神様ってのはわかりやすさがすべてだからね」「皆がわたしを見た瞬間に蛙の神様だってわからないといけないよ」
p18
神「で、霊夢の神社に行って来てどうだった?」
早「うまくいきました」
早「霊夢さんはいい人です。ほとんどの人間が近寄らないのは、彼女の力を怖がっているだけです。彼女がその力で幾度も異変を解決していることは知っているようですが、それでも近寄ろうとはしません」
p19
早「今日はたくさんの人々が神社を訪れていて、お賽銭を入れたり彼女に感謝を述べていたりしました」
早「霊夢さんはお賽銭が入るなんてほとんど無いと言っていました。神様たちが奇跡かなにかを起こしたんじゃないかって聞かれました」「私は貴方がた2柱の氷上を歩く奇跡なら知っていることは伝えましたが、それって冬の間だけですよね」
p20
神「別に冬でなければだめってわけではないのです。歩くことができる凍った湖が必要なだけ」
諏「今日、湖にいたときにその奇跡を起こせたよ」
早「今日、湖が凍ったのですか?」
諏「ある妖精に手伝ってもらったの」
p21
早「へえー、妖精ですかー この本に書いてあるかもしれませんね 見てみましょう」
諏「それ何処から持ってきたの?」
早「霊夢さんからお借りしてきました。これには彼女が出会った妖怪すべてが記されているそうです」
諏「わあ、見せて見せて!」
p22
早「その妖精の名前はご存知ですか?」
諏「チルノだよ! これ、この子!」
早「チルノ、湖の妖精。目印は⑨。氷を作り出す能力で、妖怪や人間には暑い夏の間は重宝される」「なるほどですね」
p23
諏「あの子はいい子とか書いてないの? まだ続きがあるね」
早「親しい者には親切だといわれているが、例外がある。それは……」
諏&早「……蛙」
p24
チ「諏訪子!」
諏「チルノだ!」
チ「あんたが蛙の神様だって教えてくれた人が居るんだけど、その服を見ると本当だったみたいだね!」
p25
早「私が追い払いましょうか?」
諏「待って。まずわたしに話をさせて」
諏「わたしもあなたのことを聞いたよ 本当に蛙が嫌いなの?」
チ「そうだよ!あたいが見つけたやつは凍らせるんだ!さあ、戦う準備をしなよ!」
p26
諏「チルノ、わたしはあなたと戦いたくないよ。でも、蛙を凍らせるのは止めさせたい」
チ「なら奇跡の力とかであたいを止めればいいじゃない」
諏「神のお告げはそんなことはできないよ」
p27
諏「わたしは良い行いを勧めて、その人がその行いができるように精神力を強めることができる」「でも、ほかの提案と同じく、それに従うかどうかはその人々の選択次第なんだよ」
諏「わたしはあなたに蛙を凍らせるのを止めるようあなたと約束する強さをあなたに与えることはできる。でもそれはあなただけがその約束を守るだけなんだ」「どうしてあなたがそんなに蛙を嫌いになったのかをわたしに話してみてよ たぶん、わたしは何かを理解できるはずだよ」
p28
チ「嫌って…」「…言ったら?」
p29
チ「なに待ってんのさ?かかってきなさいよ!」
p30
諏「嫌」
チ「はぁ?」
諏「わたしはあなたと友達になりたいんだよ。あなたが蛙にすることは許せない。けれど、いつまでもそんなことをし続けることができないとてもいい子だって信じてる。あなたが変われるようわたしは言葉を尽くしたい。けど、それは戦うことによってじゃない。だって、友達はお互い傷つけあうものじゃないからだよ」
p31
諏「今日だけは、わたしがこの目ん玉付き帽子と蛙の上着を脱ぐというのではダメ? そして、その蛙を下に置いて、お茶でも飲みましょうよ?今日だけは、蛙なんてもの関係なく、湖で出会ったただの2人の女の子でいいじゃない」
p32
チ「諏訪子……」
チ「ごめんなさあい!」
p33
チ「凍らせてきた蛙のみんな、ごめんなさい! あたい、もうしないよ、約束するよ!」
諏「落ち着いた?」
チ「あたいに何かしたの?」
p34
チ「蛙はキモい」「よわっちい」「蛙は冬が嫌いだから向こうもあたいを嫌ってる」
チ「あたいが思い出せるかぎりの、あたいが信じていたこと」
p35
チ「でも、もしあたいが蛙にやさしくしたら、向こうもやさしくしてくれるんじゃないかって、思ったんだ」「あんたの奇跡はほかの誰かの心を変えることはできないんだよね」
諏「この奇跡はわたしが起こしたのではないよ」
p36
諏「わたしたちが起こしたんだよ」
あとがき
漫画:Sixten(Adrian Ferrer)
原案:東方Project およびキャラクター原案は上海アリス幻楽団
Doujinpressの関係者には多大な遅筆にも関わらず応援を頂きました。
アメリカの椿大社の神主と巫女のお二方には神社の写真を資料として提供していただきました。また、画力向上のお守りを頂き、神道で蛙がどういう意味を持っているかを教えて頂きました。
「蛙」という日本語は「帰る」という意味にもなり、椿大社のような神社では、安全に戻ってこれるよう石でできた蛙の置物を飾っているそうです。
Fairy Ringを応援してくれたブログの読者の皆さん、アイデアをくれた方に感謝を。
*おまけ*
ボツ案(Fairy Ring take2 p24でtake3へ移行)
p1
幻想郷。
我々の世界とは神秘的な結界で分かたれた次元。
ここに住むものはほとんどが魔法の力を持った美少女である。
我々の中には楽園と呼んでいるものもいる。
p3
チ「やっほー!」
諏「わっ! こんにちは」
チ「あたい、このあたりの湖畔に住んでるんだけど、このあたりで前に会ったことはないはずだよね あんた妖怪かなにか?」
諏「わたしは妖怪なんかじゃないよ」
p4
チ「じゃあ、あんたは人間?ここいらの妖怪は人間を食べちゃうんだ! 一緒に来なよ、里まで連れて帰ってあげる」
諏「ああ、わたしは人間でもないんだ」
諏「わたしは神様。2325歳なんだ。 気持ちは嬉しいけど、自分の身は自分で守れるよ」
チ「に、2325歳?あたい、次の冬でやっと81歳だよ」
p5
チ「それはともかく、あたいチルノ。氷の妖精なんだ。あんたの名前は?」
諏「わたしは洩矢諏訪子。よろしくね」
チ「で、諏訪子、あんたもっとかわいい服着ないの?あたいの知ってる神様みたいなやつを」
紅葉の神、静葉
豊かさと稔りの象徴、穣子
秘神流し雛、雛
p6
諏「ああ、わたしのいつもの着物はこれよりもっとかわいいんだ」「今日こんな服にしたのはわたしが人間の里を通るときに注目を集めたくなかったからだよ」
チ「じゃあ人間の里からここまで来たの?」
諏「この道の先に、もうすぐに見えてくるはずだよ」
p7
チ「この道は湖畔につながってるんだ。あんた湖が見たいんだね! でもどうして飛んでいかないの?そのほうが早いのに」
諏「うん、木々も素敵じゃない? 森の中を散歩しないなんて言わないよね」
チ「そりゃ、散歩は好きだよ でもあたいは湖の妖精で、森の妖精じゃないし」
諏「湖はわたしにとっても特別なんだよ」
p8
諏「むかしむかし、外の世界では、日本の国の人々はわたしを湖の神様として崇拝してくれていた」
諏「彼らは国で最も美しいその湖を私にちなんでこう名づけたの――『神が歩かれた処、諏訪湖』って」
p9
チ「『かみがあるかれたところ』?それってアイススケートみたいなかんじ?」
諏「そんなところだね」
諏「神奈子――わたしの神社のもう一柱――は冬になるとこの湖を私と一緒に渡るの。その跡が氷上に残って、湖の周りに住む人間たちはその跡を『御神渡り』と呼んで吉兆と信じていたんだ」
p10
諏「時が過ぎ、人々は神を信じなくなり、神奈子とわたしは力を失い始めた」
諏「この氷上の跡が、湖の底にある温泉による水の循環のためであると調査する科学者もいた」
諏「間もなく、わたしは氷上に跡を残すことができなくなった。単に滑ってしまうだけ」
p11
諏「氷上に跡を残せないことは、わたしたちには些細な問題だった。十分な信仰を得られないなら、神は最終的には消滅してしまうことだってありうる」「それがわたしたちがこの世界、一般常識なぞに左右されない人々がいる幻想卿に来た理由」「ここなら、わたしたちは神様を信じてくれる人々を見つけられる」
p12
諏「彼らの信仰でわたしたちは力を取り戻し始めている。きっと、冬になれば、神奈子とわたしは凍った湖の上に歩いた跡を残すことができて、また人々に幸運をもたらすことができるだろうね」
諏「チルノ?」
チ「あたい、冬を待つって苦手なの。あんたはどう?」
p13
凍符「パーフェクトフリーズ」
p14
神符「神が歩かれた御神渡り」
p15
咲「かわいそうに、疲れてるのね」
咲「中にお入りなさい 門は私が見張っておいてあげます」
幽「今夜の晩御飯は私が作るわ くつろいでいなさいな」
魔「マジかよ ありえないぜ」
p16
諏「どうだった?数年後には吉兆がふたたび祝福を与えることができるようになるでしょう あなたのおかげだよ」
チ「やったね! 氷上を歩きたくなったらいつでも言ってよ!そしたら……」
諏「ありがとうチルノ、でもいいんだよ。 あなたは水を凍らせる以上のことをしなくてもいいの」
p17
諏「あなたはわたしが神様であることを信じてくれて、わたしの奇跡が起こると信じてくれた」「あなたはそれを特別だと思わないだろうけど、ここ幻想卿ではそうじゃない」「でも、外の世界を離れる直前には、人々にこんな信仰を見つけるのは不可能だった」「そんな日々にあなたと会えていたら、わたしはあなたを神社の巫女に勧めていただろうね」
p18
チ「言うとおりだ あたいは何か特別なことをしたとは思ってないし」「外の世界では神様を信じている人が少ないというのは本当?」
チ「でも、あんたの神社の巫女になるってのはすっごくすごいことだね」「あんたには巫女がもういるんでしょ?あんたみたいな神様は余分に巫女を持たないんじゃないの」
諏「そうね、わたしの早苗は本当にいい娘だよ」「そのことだけど……わたしはそろそろ神社に戻らないといけない わたしと一緒に来ない?彼女を紹介するよ」
p19
チ「きょうはダメだよ あたい、友達と会う約束があるんだ」「でも明日の朝ならいいよ。ところで、あんたの神社どこ?」
諏「人間の里を見下ろす山の頂上だよ。地元の者に信仰の山と尋ねて御覧なさい」
チ「わかった じゃあ明日、またあのいいことがあるやつをやってくれない?」
p20
諏「神奈子とわたしは、1年に1度か2度くらいしか祝福を与える力しかないんだ」「もしできたとしても、ありあまる幸運をあなたが与えてしまったら、人々が信仰心を失っていくこともあるの」
チ「わかった……」
p21
諏「とりあえず、明日また会えるのを楽しみにしているよ」
チ「待って!いいものがあるんだ」
諏「それはアイスクリーム?」
チ「うん!あたいが作ったんだ!この封は冷たいまま保っておく魔法がかけてあるよ」
p22
チ「もし封が解けちゃったら寒い場所に置いておいて!神奈子と早苗にもわけてあげてね!」
諏「ありがたく頂くわ ありがとう!」
p23
大「チルノ!」
チ「へっ?」
チ「ああ、大ちゃん!家で待ってると思ってたよ」
大「待っていたのだけど、あなたがその力をたくさん使っているのを感じて、また何かやらかしたのかと思って」
チ「他のみんなはどこに?」
大「みんなは向こうの岩陰に隠れているわ。あなたと話していた女の子が、里の人間たちの間で噂の新しい神様のうちの一柱じゃないかって心配してたよ」
p24
チ「心配?なにを?諏訪子はいいひとだよ! 外の世界で会えていたら、彼女の神社の巫女になれるかもって言ってくれたんだ!」
大「あなたは神様と友達になりたかったの」
チ「悪いことなの?」
大「ううん、そうじゃないわ でも他の皆は喜ばないでしょうね」
全編あがってますが訳は後半のみで。
p16
早「ただいま戻りました」
2柱「「おかえり、早苗」」
p17
早「あら、結局その蛙の召し物になされたんですね」
諏「カエル服と帽子を同時に脱ぐなんてありえないよ」「もう少し一揃い手に入れたいね」
諏「神様ってのはわかりやすさがすべてだからね」「皆がわたしを見た瞬間に蛙の神様だってわからないといけないよ」
p18
神「で、霊夢の神社に行って来てどうだった?」
早「うまくいきました」
早「霊夢さんはいい人です。ほとんどの人間が近寄らないのは、彼女の力を怖がっているだけです。彼女がその力で幾度も異変を解決していることは知っているようですが、それでも近寄ろうとはしません」
p19
早「今日はたくさんの人々が神社を訪れていて、お賽銭を入れたり彼女に感謝を述べていたりしました」
早「霊夢さんはお賽銭が入るなんてほとんど無いと言っていました。神様たちが奇跡かなにかを起こしたんじゃないかって聞かれました」「私は貴方がた2柱の氷上を歩く奇跡なら知っていることは伝えましたが、それって冬の間だけですよね」
p20
神「別に冬でなければだめってわけではないのです。歩くことができる凍った湖が必要なだけ」
諏「今日、湖にいたときにその奇跡を起こせたよ」
早「今日、湖が凍ったのですか?」
諏「ある妖精に手伝ってもらったの」
p21
早「へえー、妖精ですかー この本に書いてあるかもしれませんね 見てみましょう」
諏「それ何処から持ってきたの?」
早「霊夢さんからお借りしてきました。これには彼女が出会った妖怪すべてが記されているそうです」
諏「わあ、見せて見せて!」
p22
早「その妖精の名前はご存知ですか?」
諏「チルノだよ! これ、この子!」
早「チルノ、湖の妖精。目印は⑨。氷を作り出す能力で、妖怪や人間には暑い夏の間は重宝される」「なるほどですね」
p23
諏「あの子はいい子とか書いてないの? まだ続きがあるね」
早「親しい者には親切だといわれているが、例外がある。それは……」
諏&早「……蛙」
p24
チ「諏訪子!」
諏「チルノだ!」
チ「あんたが蛙の神様だって教えてくれた人が居るんだけど、その服を見ると本当だったみたいだね!」
p25
早「私が追い払いましょうか?」
諏「待って。まずわたしに話をさせて」
諏「わたしもあなたのことを聞いたよ 本当に蛙が嫌いなの?」
チ「そうだよ!あたいが見つけたやつは凍らせるんだ!さあ、戦う準備をしなよ!」
p26
諏「チルノ、わたしはあなたと戦いたくないよ。でも、蛙を凍らせるのは止めさせたい」
チ「なら奇跡の力とかであたいを止めればいいじゃない」
諏「神のお告げはそんなことはできないよ」
p27
諏「わたしは良い行いを勧めて、その人がその行いができるように精神力を強めることができる」「でも、ほかの提案と同じく、それに従うかどうかはその人々の選択次第なんだよ」
諏「わたしはあなたに蛙を凍らせるのを止めるようあなたと約束する強さをあなたに与えることはできる。でもそれはあなただけがその約束を守るだけなんだ」「どうしてあなたがそんなに蛙を嫌いになったのかをわたしに話してみてよ たぶん、わたしは何かを理解できるはずだよ」
p28
チ「嫌って…」「…言ったら?」
p29
チ「なに待ってんのさ?かかってきなさいよ!」
p30
諏「嫌」
チ「はぁ?」
諏「わたしはあなたと友達になりたいんだよ。あなたが蛙にすることは許せない。けれど、いつまでもそんなことをし続けることができないとてもいい子だって信じてる。あなたが変われるようわたしは言葉を尽くしたい。けど、それは戦うことによってじゃない。だって、友達はお互い傷つけあうものじゃないからだよ」
p31
諏「今日だけは、わたしがこの目ん玉付き帽子と蛙の上着を脱ぐというのではダメ? そして、その蛙を下に置いて、お茶でも飲みましょうよ?今日だけは、蛙なんてもの関係なく、湖で出会ったただの2人の女の子でいいじゃない」
p32
チ「諏訪子……」
チ「ごめんなさあい!」
p33
チ「凍らせてきた蛙のみんな、ごめんなさい! あたい、もうしないよ、約束するよ!」
諏「落ち着いた?」
チ「あたいに何かしたの?」
p34
チ「蛙はキモい」「よわっちい」「蛙は冬が嫌いだから向こうもあたいを嫌ってる」
チ「あたいが思い出せるかぎりの、あたいが信じていたこと」
p35
チ「でも、もしあたいが蛙にやさしくしたら、向こうもやさしくしてくれるんじゃないかって、思ったんだ」「あんたの奇跡はほかの誰かの心を変えることはできないんだよね」
諏「この奇跡はわたしが起こしたのではないよ」
p36
諏「わたしたちが起こしたんだよ」
あとがき
漫画:Sixten(Adrian Ferrer)
原案:東方Project およびキャラクター原案は上海アリス幻楽団
Doujinpressの関係者には多大な遅筆にも関わらず応援を頂きました。
アメリカの椿大社の神主と巫女のお二方には神社の写真を資料として提供していただきました。また、画力向上のお守りを頂き、神道で蛙がどういう意味を持っているかを教えて頂きました。
「蛙」という日本語は「帰る」という意味にもなり、椿大社のような神社では、安全に戻ってこれるよう石でできた蛙の置物を飾っているそうです。
Fairy Ringを応援してくれたブログの読者の皆さん、アイデアをくれた方に感謝を。
*おまけ*
ボツ案(Fairy Ring take2 p24でtake3へ移行)
p1
幻想郷。
我々の世界とは神秘的な結界で分かたれた次元。
ここに住むものはほとんどが魔法の力を持った美少女である。
我々の中には楽園と呼んでいるものもいる。
p3
チ「やっほー!」
諏「わっ! こんにちは」
チ「あたい、このあたりの湖畔に住んでるんだけど、このあたりで前に会ったことはないはずだよね あんた妖怪かなにか?」
諏「わたしは妖怪なんかじゃないよ」
p4
チ「じゃあ、あんたは人間?ここいらの妖怪は人間を食べちゃうんだ! 一緒に来なよ、里まで連れて帰ってあげる」
諏「ああ、わたしは人間でもないんだ」
諏「わたしは神様。2325歳なんだ。 気持ちは嬉しいけど、自分の身は自分で守れるよ」
チ「に、2325歳?あたい、次の冬でやっと81歳だよ」
p5
チ「それはともかく、あたいチルノ。氷の妖精なんだ。あんたの名前は?」
諏「わたしは洩矢諏訪子。よろしくね」
チ「で、諏訪子、あんたもっとかわいい服着ないの?あたいの知ってる神様みたいなやつを」
紅葉の神、静葉
豊かさと稔りの象徴、穣子
秘神流し雛、雛
p6
諏「ああ、わたしのいつもの着物はこれよりもっとかわいいんだ」「今日こんな服にしたのはわたしが人間の里を通るときに注目を集めたくなかったからだよ」
チ「じゃあ人間の里からここまで来たの?」
諏「この道の先に、もうすぐに見えてくるはずだよ」
p7
チ「この道は湖畔につながってるんだ。あんた湖が見たいんだね! でもどうして飛んでいかないの?そのほうが早いのに」
諏「うん、木々も素敵じゃない? 森の中を散歩しないなんて言わないよね」
チ「そりゃ、散歩は好きだよ でもあたいは湖の妖精で、森の妖精じゃないし」
諏「湖はわたしにとっても特別なんだよ」
p8
諏「むかしむかし、外の世界では、日本の国の人々はわたしを湖の神様として崇拝してくれていた」
諏「彼らは国で最も美しいその湖を私にちなんでこう名づけたの――『神が歩かれた処、諏訪湖』って」
p9
チ「『かみがあるかれたところ』?それってアイススケートみたいなかんじ?」
諏「そんなところだね」
諏「神奈子――わたしの神社のもう一柱――は冬になるとこの湖を私と一緒に渡るの。その跡が氷上に残って、湖の周りに住む人間たちはその跡を『御神渡り』と呼んで吉兆と信じていたんだ」
p10
諏「時が過ぎ、人々は神を信じなくなり、神奈子とわたしは力を失い始めた」
諏「この氷上の跡が、湖の底にある温泉による水の循環のためであると調査する科学者もいた」
諏「間もなく、わたしは氷上に跡を残すことができなくなった。単に滑ってしまうだけ」
p11
諏「氷上に跡を残せないことは、わたしたちには些細な問題だった。十分な信仰を得られないなら、神は最終的には消滅してしまうことだってありうる」「それがわたしたちがこの世界、一般常識なぞに左右されない人々がいる幻想卿に来た理由」「ここなら、わたしたちは神様を信じてくれる人々を見つけられる」
p12
諏「彼らの信仰でわたしたちは力を取り戻し始めている。きっと、冬になれば、神奈子とわたしは凍った湖の上に歩いた跡を残すことができて、また人々に幸運をもたらすことができるだろうね」
諏「チルノ?」
チ「あたい、冬を待つって苦手なの。あんたはどう?」
p13
凍符「パーフェクトフリーズ」
p14
神符「神が歩かれた御神渡り」
p15
咲「かわいそうに、疲れてるのね」
咲「中にお入りなさい 門は私が見張っておいてあげます」
幽「今夜の晩御飯は私が作るわ くつろいでいなさいな」
魔「マジかよ ありえないぜ」
p16
諏「どうだった?数年後には吉兆がふたたび祝福を与えることができるようになるでしょう あなたのおかげだよ」
チ「やったね! 氷上を歩きたくなったらいつでも言ってよ!そしたら……」
諏「ありがとうチルノ、でもいいんだよ。 あなたは水を凍らせる以上のことをしなくてもいいの」
p17
諏「あなたはわたしが神様であることを信じてくれて、わたしの奇跡が起こると信じてくれた」「あなたはそれを特別だと思わないだろうけど、ここ幻想卿ではそうじゃない」「でも、外の世界を離れる直前には、人々にこんな信仰を見つけるのは不可能だった」「そんな日々にあなたと会えていたら、わたしはあなたを神社の巫女に勧めていただろうね」
p18
チ「言うとおりだ あたいは何か特別なことをしたとは思ってないし」「外の世界では神様を信じている人が少ないというのは本当?」
チ「でも、あんたの神社の巫女になるってのはすっごくすごいことだね」「あんたには巫女がもういるんでしょ?あんたみたいな神様は余分に巫女を持たないんじゃないの」
諏「そうね、わたしの早苗は本当にいい娘だよ」「そのことだけど……わたしはそろそろ神社に戻らないといけない わたしと一緒に来ない?彼女を紹介するよ」
p19
チ「きょうはダメだよ あたい、友達と会う約束があるんだ」「でも明日の朝ならいいよ。ところで、あんたの神社どこ?」
諏「人間の里を見下ろす山の頂上だよ。地元の者に信仰の山と尋ねて御覧なさい」
チ「わかった じゃあ明日、またあのいいことがあるやつをやってくれない?」
p20
諏「神奈子とわたしは、1年に1度か2度くらいしか祝福を与える力しかないんだ」「もしできたとしても、ありあまる幸運をあなたが与えてしまったら、人々が信仰心を失っていくこともあるの」
チ「わかった……」
p21
諏「とりあえず、明日また会えるのを楽しみにしているよ」
チ「待って!いいものがあるんだ」
諏「それはアイスクリーム?」
チ「うん!あたいが作ったんだ!この封は冷たいまま保っておく魔法がかけてあるよ」
p22
チ「もし封が解けちゃったら寒い場所に置いておいて!神奈子と早苗にもわけてあげてね!」
諏「ありがたく頂くわ ありがとう!」
p23
大「チルノ!」
チ「へっ?」
チ「ああ、大ちゃん!家で待ってると思ってたよ」
大「待っていたのだけど、あなたがその力をたくさん使っているのを感じて、また何かやらかしたのかと思って」
チ「他のみんなはどこに?」
大「みんなは向こうの岩陰に隠れているわ。あなたと話していた女の子が、里の人間たちの間で噂の新しい神様のうちの一柱じゃないかって心配してたよ」
p24
チ「心配?なにを?諏訪子はいいひとだよ! 外の世界で会えていたら、彼女の神社の巫女になれるかもって言ってくれたんだ!」
大「あなたは神様と友達になりたかったの」
チ「悪いことなの?」
大「ううん、そうじゃないわ でも他の皆は喜ばないでしょうね」
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