http://www.houseofsixten.com/hcstaff/?p=3160

p21
「なんて馬鹿なことを? どうして静葉さまが祟り神にならないといけないんですか?」

「当然、力よ。みんなが欲しがる理由のひとつじゃない」

「神様ってのはね、信者の信仰心から力を得るの。でもね、祟り神はもっと確かな力の源から力を得るのよ。怒り、怖れ、嫉妬、あらゆるヒトの精神の暗黒面の感情からね」
「あんたも外の世界から来たのならわかるでしょう。外の世界の神様は信者が信仰心を失い始めたときに幻想郷やファンタジーの世界に逃げて行ったのよ」

「けれども、信者たちは決して暗黒面を捨て去らなかった。それゆえ祟り神は居残っている神様よりはるかに数で勝っている」

「だから外の世界が地獄だと言うの?」

「幻想郷の神々は今現在のわたしよりずっと強いでしょうね、でも、将来はどうかしら」
「神奈子や諏訪子、その同類たちは経験から信仰が時間が経つにつれ薄れていくことを知っている。でも、暗黒面は永遠なの」

p22
「そんなのどうでもいいわ! 私はあんたの仲間にはならない!」

「あら、みんなはじめのうちはそう言うわ。じゃあ、あなたが具体化するべき適切な暗黒面の感情について考えてみましょ」

「あなたは十分な良い嫉妬を得たけど、それはもう(私に)取られている。あなたは怖れや憎しみや我儘でいっぱいというわけでもなさそうだし」
「そうだ、孤独……」

「外の世界の詩人、E.E.カミングスは、孤独を落葉に例えていたわね」
「孤独は、あなたが慣れ親しんでいるのは確かだと思う。そして、それは嫉妬とほどよく結びつくわ」

「孤独の祟り神、静葉。お似合いよ。いい響きじゃない」

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