http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/other/110909a
( ゚д゚) ハァ?
Magic: The Gathering – Duels of the Planeswalkersをさらに楽しむ用意はできていますか?
ウィザーズ社は2010年にさらに2つのエキスパンションを追加するとともに、PC版とPS3版をリリースします。
DuelsはXBLAでもトップクラスのダウンロード数をほこり、先月には1つめのエキスパンションがリリースされました。日本には配信されていませんが。2010年の春と夏に予定されているエキスパンションでは、さらにカード、プレインズウォーカー、チャレンジ(クイズ)も増えます。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語で配信されます。日本はあいかわらずスルーですねありがとうございました
2010年夏にはDuelsのPC版がリリースされます。XBLAと同じスタイルでさらにおまけも考えています。
PS3版は2011年、日本語にも対応して発売します。
ふ
ざ
け
ん
な
!
日本のXBOX版ユーザはスルーですかそうですか。ありがとうございました。そういうことを言う人らに対してカスタマーとして文句つける準備は整っているんだけどな!
とりあえず「Respond via email」をクリックし、本名で「日本のXBOXユーザはスルーですねありがとうございます。M11が発売されるってのに10版のカード使って接死も10版のままでバグ残ったままでデッキ構築できないままでリリースするとか正気ですか、そんなゲームをプレイヤーは望んでないのでシステム直すかさもなくば発売しないでください」
と書きなぐってきました。
俺何か間違ったこと言ってますか?
さてXBOX版の何が問題なのか、あらためてご説明しましょう
・60枚デッキが8個用意されており、1つを選んで遊べる
・キャンペーンや対戦で勝つと追加カードがもらえる
・カードは追加していくのみで、土地は自動で数枚追加される
・17枚用意されているカードを全部つっこむとデッキが90枚くらいになる
280枚前後のカードが使用可能、とあるが、初期の段階では190種類程度(土地の絵違いを考えれば少し水増し)、現在日本以外で配信されているエキスパンションを追加すると220種類まで増える。この先の2回のエキスパンション追加で280まで到達するものと予想される。
使えるカードが限られているのはしょうがないとしても、その中で自由にデッキを組めさえすればマジックは楽しいのに。
また、使えるカードにサプライズが無く、「あのカードが使えるならやろうかな」という人を取り込む事もできない。ドリームキャスト版のゲストカードや理不尽な強さのDCオリカを考えるに、非常に残念なところだ。
ここで言うサプライズとは、「MOで再録されていない、あるいはされていても非常に人気の高い有名なカード」という条件がつく。PCを持っていたりマジックが好きならMOやMWSでプレイしているので、わざわざXBOXで遊ぶ理由が無い。そう言う人向けじゃねーから!と切るのは勝手だが、《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya(INV)》や《マスティコア/Masticore(UDS)》が使えたりしたとしたら、ソワソワしてしまう人はきっと居るはずなのだ。
まあさすがに環境をひっくり返すような爆弾カードは入れられないとしても、10版メインのクズばっかりなデッキに少しばかりのスパイスが効かせられるはず。環境を壊さない程度に魅力的なエサを吊るすことで、既存プレイヤーからまず遊んでもらう土壌を作らなければならないはずなのに。
一応マジックと銘打っていることでダウンロード数はそこそこあるようだけれども、いいゲームなのかどうか?チャレンジ(クイズ)は解いてしまえばもう用なし、ネット対戦で切断する人間や放置への罰則なし、M10ルールっぽいけど最終フェイズなし、接死が弱すぎる、《万物の声/Voice of All(10E)》の色宣言に対応できたりと根本的なシステム構築やカードの挙動に関する問題点がいまだに残っていて、ゲームそのものの完成度も更新によって高まったと言えないような状況。
それをそのままプラットフォームだけ変えてリリースします、でそれをユーザーが購入するとでも?
なぜXBLAでダウンロードされていたか、という背景として、リアルカードはもう持ってない一時引退者が気軽にできる程度のゲームであったということと、ファーストプレイのガイダンスが優秀でそこそこ初見の人間にもゲームが進めやすいという点、そして新しく出るゲームだったからこそ買って中身を見ようという人が少なからず居たということが挙げられます。
ではフタをあけてみたら不満点やバグが多いモノだったということがわかったうえで、なおそれを多角展開して成功するかどうか?
ありえない。PC版にすこしおまけをつける、程度でシステムが良くなったりカードの挙動バグが直っていたりするわけではないのなら、MOやMWSやったほうがいいという結論になるし、たとえPS3版で日本語がサポートされたとしても、同じ理由で「このゲームは良くない」と言える点が多いためにはっきりとお勧めをしません。
なぜなら、新規参入者にとってはM10ルールで、M11およびスタンダードに対応した入門こそが最適であり、ゲームで培った知識をリアルカードに転化することでMtGのライトユーザー層の確保に繋がると信じます。ですがM11発売の夏、そしてアラーラがスタンから落ちようかという秋に、10版とローウィン、アラーラがメインを張っている「入門用ゲーム」が何の意味を持つというのでしょう?
ゲームシステムやデザイン思考をドリームキャストやDSなどの他ゲームに学ぶ必要があるでしょう。結局、開発陣が用意できた程度のシステムでは、顧客の要求や理想にはまったく足りなかったということであり、プレイヤーの興味をそそる材料をウィザーズ側が用意できなかったということでもあります。
では、問題点を直してカードも刷新してPC版とPS3で発売したら?XBOX版の立つ瀬が無いですね?コンシューマでMTGをデザインするということは、本当に大変なことです。
見たこともない機能に対処するためにMOはバージョンアップというシステム更新を行うことが出来ますが、XBOX版は用意したものから小出しにするほか無いのです。
そのうえで、マジック本来の楽しみ方を失わず、魅力あるカードを揃え、なおかつ初心者にやさしい(これに限ってはアシストシステムを強化することでなんとかできそうな気がしますが)、そういった多方面への要求に耐えられなかったことをXBLAで証明したとばかり思っていたようですが、開発陣とウィザーズはそうは思っていなかったようです。
そんな空気の差があるからこそ「そのまま移植」という惨事を黙って見過ごすのも忍びないとメールを出すということまでしてみたわけですが、果たして楽観的な彼らが危機感を感じ取ってくれるでしょうか?まあ失敗しても損が無いからやる、というのなら止める気も失せますけどね。
( ゚д゚) ハァ?
Magic: The Gathering – Duels of the Planeswalkersをさらに楽しむ用意はできていますか?
ウィザーズ社は2010年にさらに2つのエキスパンションを追加するとともに、PC版とPS3版をリリースします。
DuelsはXBLAでもトップクラスのダウンロード数をほこり、先月には1つめのエキスパンションがリリースされました。日本には配信されていませんが。2010年の春と夏に予定されているエキスパンションでは、さらにカード、プレインズウォーカー、チャレンジ(クイズ)も増えます。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語で配信されます。日本はあいかわらずスルーですねありがとうございました
2010年夏にはDuelsのPC版がリリースされます。XBLAと同じスタイルでさらにおまけも考えています。
PS3版は2011年、日本語にも対応して発売します。
ふ
ざ
け
ん
な
!
日本のXBOX版ユーザはスルーですかそうですか。ありがとうございました。そういうことを言う人らに対してカスタマーとして文句つける準備は整っているんだけどな!
とりあえず「Respond via email」をクリックし、本名で「日本のXBOXユーザはスルーですねありがとうございます。M11が発売されるってのに10版のカード使って接死も10版のままでバグ残ったままでデッキ構築できないままでリリースするとか正気ですか、そんなゲームをプレイヤーは望んでないのでシステム直すかさもなくば発売しないでください」
と書きなぐってきました。
俺何か間違ったこと言ってますか?
さてXBOX版の何が問題なのか、あらためてご説明しましょう
・60枚デッキが8個用意されており、1つを選んで遊べる
・キャンペーンや対戦で勝つと追加カードがもらえる
・カードは追加していくのみで、土地は自動で数枚追加される
・17枚用意されているカードを全部つっこむとデッキが90枚くらいになる
280枚前後のカードが使用可能、とあるが、初期の段階では190種類程度(土地の絵違いを考えれば少し水増し)、現在日本以外で配信されているエキスパンションを追加すると220種類まで増える。この先の2回のエキスパンション追加で280まで到達するものと予想される。
使えるカードが限られているのはしょうがないとしても、その中で自由にデッキを組めさえすればマジックは楽しいのに。
また、使えるカードにサプライズが無く、「あのカードが使えるならやろうかな」という人を取り込む事もできない。ドリームキャスト版のゲストカードや理不尽な強さのDCオリカを考えるに、非常に残念なところだ。
ここで言うサプライズとは、「MOで再録されていない、あるいはされていても非常に人気の高い有名なカード」という条件がつく。PCを持っていたりマジックが好きならMOやMWSでプレイしているので、わざわざXBOXで遊ぶ理由が無い。そう言う人向けじゃねーから!と切るのは勝手だが、《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya(INV)》や《マスティコア/Masticore(UDS)》が使えたりしたとしたら、ソワソワしてしまう人はきっと居るはずなのだ。
まあさすがに環境をひっくり返すような爆弾カードは入れられないとしても、10版メインのクズばっかりなデッキに少しばかりのスパイスが効かせられるはず。環境を壊さない程度に魅力的なエサを吊るすことで、既存プレイヤーからまず遊んでもらう土壌を作らなければならないはずなのに。
一応マジックと銘打っていることでダウンロード数はそこそこあるようだけれども、いいゲームなのかどうか?チャレンジ(クイズ)は解いてしまえばもう用なし、ネット対戦で切断する人間や放置への罰則なし、M10ルールっぽいけど最終フェイズなし、接死が弱すぎる、《万物の声/Voice of All(10E)》の色宣言に対応できたりと根本的なシステム構築やカードの挙動に関する問題点がいまだに残っていて、ゲームそのものの完成度も更新によって高まったと言えないような状況。
それをそのままプラットフォームだけ変えてリリースします、でそれをユーザーが購入するとでも?
なぜXBLAでダウンロードされていたか、という背景として、リアルカードはもう持ってない一時引退者が気軽にできる程度のゲームであったということと、ファーストプレイのガイダンスが優秀でそこそこ初見の人間にもゲームが進めやすいという点、そして新しく出るゲームだったからこそ買って中身を見ようという人が少なからず居たということが挙げられます。
ではフタをあけてみたら不満点やバグが多いモノだったということがわかったうえで、なおそれを多角展開して成功するかどうか?
ありえない。PC版にすこしおまけをつける、程度でシステムが良くなったりカードの挙動バグが直っていたりするわけではないのなら、MOやMWSやったほうがいいという結論になるし、たとえPS3版で日本語がサポートされたとしても、同じ理由で「このゲームは良くない」と言える点が多いためにはっきりとお勧めをしません。
なぜなら、新規参入者にとってはM10ルールで、M11およびスタンダードに対応した入門こそが最適であり、ゲームで培った知識をリアルカードに転化することでMtGのライトユーザー層の確保に繋がると信じます。ですがM11発売の夏、そしてアラーラがスタンから落ちようかという秋に、10版とローウィン、アラーラがメインを張っている「入門用ゲーム」が何の意味を持つというのでしょう?
ゲームシステムやデザイン思考をドリームキャストやDSなどの他ゲームに学ぶ必要があるでしょう。結局、開発陣が用意できた程度のシステムでは、顧客の要求や理想にはまったく足りなかったということであり、プレイヤーの興味をそそる材料をウィザーズ側が用意できなかったということでもあります。
では、問題点を直してカードも刷新してPC版とPS3で発売したら?XBOX版の立つ瀬が無いですね?コンシューマでMTGをデザインするということは、本当に大変なことです。
見たこともない機能に対処するためにMOはバージョンアップというシステム更新を行うことが出来ますが、XBOX版は用意したものから小出しにするほか無いのです。
そのうえで、マジック本来の楽しみ方を失わず、魅力あるカードを揃え、なおかつ初心者にやさしい(これに限ってはアシストシステムを強化することでなんとかできそうな気がしますが)、そういった多方面への要求に耐えられなかったことをXBLAで証明したとばかり思っていたようですが、開発陣とウィザーズはそうは思っていなかったようです。
そんな空気の差があるからこそ「そのまま移植」という惨事を黙って見過ごすのも忍びないとメールを出すということまでしてみたわけですが、果たして楽観的な彼らが危機感を感じ取ってくれるでしょうか?まあ失敗しても損が無いからやる、というのなら止める気も失せますけどね。
ところで、スラング辞書
2009年11月6日 【マジック】こっそりプレインチェイスにも対応してたりします。
@たじーむ
で出るのは当たり前、
THEぬきの3文字辞書も完備
@だr
で《暗き男爵領/The Dark Barony》が出ます
総合変換用に
@pch
@じげん
を用意。次元の~というカードとかぶってしまいますがしょうがないですね
また、次元のサブタイプでも変換可能。
@どみなりあ
とか
@いまーすたーむ
で変換できます。
@たじーむ
で出るのは当たり前、
THEぬきの3文字辞書も完備
@だr
で《暗き男爵領/The Dark Barony》が出ます
総合変換用に
@pch
@じげん
を用意。次元の~というカードとかぶってしまいますがしょうがないですね
また、次元のサブタイプでも変換可能。
@どみなりあ
とか
@いまーすたーむ
で変換できます。
プレミアム・デッキ・シリーズ スリヴァーズのデッキリストが公開されました。
・5枚のレアと1枚の神話レアを含んだ60枚デッキ
・黒枠、すべてのカードがフォイル
・スピンダウン・ライフカウンター
・フォイル仕様のデッキケース
・戦略案内
・マジックプレイガイド
(神話レア1 レア5 アンコモン19 コモン21)
デッキ (60)
土地 (25)
02 《平地/Plains》
02 《島/Island》
02 《沼/Swamp》
03 《山/Mountain》
05 《森/Forest》
02 U《古代の聖塔/Ancient Ziggurat(CON)》
01 R《根縛りの岩山/Rootbound Crag(M10)》
02 C《断ち割る尖塔/Rupture Spire(CON)》
02 C《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M10)》
02 U《鮮烈な小川/Vivid Creek(LRW)》
02 U《鮮烈な林/Vivid Grove(LRW)》
クリーチャー (30)
01 U《鎧のスリヴァー/Armor Sliver(TMP)》2W
01 C《アメーバの変わり身/Amoeboid Changeling(LRW)》1U
01 C《有翼スリヴァー/Winged Sliver(TMP)》1U
01 C《凝塊スリヴァー/Clot Sliver(TMP)》1B
01 C《激情スリヴァー/Frenzy Sliver(FUT)》1B
02 U《幽体スリヴァー/Spectral Sliver(LGN)》2B
01 C《ハートのスリヴァー/Heart Sliver(TMP)》1R
01 U《棘のスリヴァー/Barbed Sliver(TMP)》2R
01 C《誘導スリヴァー/Homing Sliver(FUT)》2R
01 U《憤怒スリヴァー/Fury Sliver(TSP)》5R
02 C《悪性スリヴァー/Virulent Sliver(FUT)》G
02 C《宝革スリヴァー/Gemhide Sliver(TSP)》1G
02 C《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver(TMP)》1G
01 C《活性スリヴァー/Quick Sliver(LGN)》1G
01 R《菌類スリヴァー/Fungus Sliver(TSP)》3G
01 R《繁殖スリヴァー/Brood Sliver(LGN)》4G
01 U《増力スリヴァー/Might Sliver(TSP)》4G
01 U《酸性スリヴァー/Acidic Sliver(STH)》BR
01 U《水晶スリヴァー/Crystalline Sliver(STH)》WU
01 U《冬眠スリヴァー/Hibernation Sliver(STH)》UB
01 U《針刺スリヴァー/Spined Sliver(TSB)》RG
01 U《給食スリヴァー/Victual Sliver(STH)》GW
01 U《壊死スリヴァー/Necrotic Sliver(PLC)》1WB
01 MR《スリヴァーの首領/Sliver Overlord(SCG)》WUBRG
02 C《メタリック・スリヴァー/Metallic Sliver(TMP)》1
その他の呪文 (5)
01 C《遠くの旋律/Distant Melody(MOR)》3U
01 C《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging(ONS)》3B
01 R《野生のつがい/Wild Pair(PLC)》4GG
01 U《ハートストーン/Heartstone(STH)》3
01 R《旗印/Coat of Arms(M10)》5
現在のスタンダードで使えるのは《古代の聖塔/Ancient Ziggurat(CON)》、《根縛りの岩山/Rootbound Crag(M10)》、《断ち割る尖塔/Rupture Spire(CON)》、《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M10)》、《旗印/Coat of Arms(M10)》の5種類、デッキとしてはエターナルの部類に属しているようです。まあスリヴァーが入っているセットからあるだけかき集めた、と言う程度のデッキ・・・?というより紙束に近いものですが。時のらせんの頃のスリヴァーデッキと比べるとはるかにデッキパワーは違います。スリヴァーが嫁な人にとっては垂涎のアイテムではないでしょうか。
・5枚のレアと1枚の神話レアを含んだ60枚デッキ
・黒枠、すべてのカードがフォイル
・スピンダウン・ライフカウンター
・フォイル仕様のデッキケース
・戦略案内
・マジックプレイガイド
(神話レア1 レア5 アンコモン19 コモン21)
デッキ (60)
土地 (25)
02 《平地/Plains》
02 《島/Island》
02 《沼/Swamp》
03 《山/Mountain》
05 《森/Forest》
02 U《古代の聖塔/Ancient Ziggurat(CON)》
01 R《根縛りの岩山/Rootbound Crag(M10)》
02 C《断ち割る尖塔/Rupture Spire(CON)》
02 C《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M10)》
02 U《鮮烈な小川/Vivid Creek(LRW)》
02 U《鮮烈な林/Vivid Grove(LRW)》
クリーチャー (30)
01 U《鎧のスリヴァー/Armor Sliver(TMP)》2W
01 C《アメーバの変わり身/Amoeboid Changeling(LRW)》1U
01 C《有翼スリヴァー/Winged Sliver(TMP)》1U
01 C《凝塊スリヴァー/Clot Sliver(TMP)》1B
01 C《激情スリヴァー/Frenzy Sliver(FUT)》1B
02 U《幽体スリヴァー/Spectral Sliver(LGN)》2B
01 C《ハートのスリヴァー/Heart Sliver(TMP)》1R
01 U《棘のスリヴァー/Barbed Sliver(TMP)》2R
01 C《誘導スリヴァー/Homing Sliver(FUT)》2R
01 U《憤怒スリヴァー/Fury Sliver(TSP)》5R
02 C《悪性スリヴァー/Virulent Sliver(FUT)》G
02 C《宝革スリヴァー/Gemhide Sliver(TSP)》1G
02 C《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver(TMP)》1G
01 C《活性スリヴァー/Quick Sliver(LGN)》1G
01 R《菌類スリヴァー/Fungus Sliver(TSP)》3G
01 R《繁殖スリヴァー/Brood Sliver(LGN)》4G
01 U《増力スリヴァー/Might Sliver(TSP)》4G
01 U《酸性スリヴァー/Acidic Sliver(STH)》BR
01 U《水晶スリヴァー/Crystalline Sliver(STH)》WU
01 U《冬眠スリヴァー/Hibernation Sliver(STH)》UB
01 U《針刺スリヴァー/Spined Sliver(TSB)》RG
01 U《給食スリヴァー/Victual Sliver(STH)》GW
01 U《壊死スリヴァー/Necrotic Sliver(PLC)》1WB
01 MR《スリヴァーの首領/Sliver Overlord(SCG)》WUBRG
02 C《メタリック・スリヴァー/Metallic Sliver(TMP)》1
その他の呪文 (5)
01 C《遠くの旋律/Distant Melody(MOR)》3U
01 C《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging(ONS)》3B
01 R《野生のつがい/Wild Pair(PLC)》4GG
01 U《ハートストーン/Heartstone(STH)》3
01 R《旗印/Coat of Arms(M10)》5
現在のスタンダードで使えるのは《古代の聖塔/Ancient Ziggurat(CON)》、《根縛りの岩山/Rootbound Crag(M10)》、《断ち割る尖塔/Rupture Spire(CON)》、《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M10)》、《旗印/Coat of Arms(M10)》の5種類、デッキとしてはエターナルの部類に属しているようです。まあスリヴァーが入っているセットからあるだけかき集めた、と言う程度のデッキ・・・?というより紙束に近いものですが。時のらせんの頃のスリヴァーデッキと比べるとはるかにデッキパワーは違います。スリヴァーが嫁な人にとっては垂涎のアイテムではないでしょうか。
Announcing: Deck Builder’s Toolkit
2009年11月3日 【マジック】友達はいますか? い、います!ももももももちろろん!どどどど童貞ちゃうわ!
かみまみた
「でも悪斬持ってないしたけーし」とか愚痴ってませんか?それともまだマジックを始めたばかりで土地すら満足に無いのでしょうか。
ところがこいつをみておくれよナンシー!
まあなにかしらボブ?
2010年5月21日発売のデッキビルダーズ・ツールキットは、100枚の土地と125枚の擬似ランダム封入カード、そして最近発売されたマジックのセットからブースターを4つ、これだけ入ってたったの19.99ドル(1800円くらい)でのご提供!
まあすごいわボブ!ブースター4つてもしかしなくてもM10、ZEN、WWK、ROEの4つかもしれないわね! でもM11が2ヵ月後に発売なのよね!M10そのものは10月まで使えるけれど。
このデッキビルダーズ・ツールキットがあればどんなデッキもすぐにつくれちゃうぜ!ついでに箱はデッキ収納ケースも兼ねてるし、デッキ構築のコツも英語でばっちり解説してるから読んでくれ!
日本語版出すとは言わないところがステキねボブ!
ツールキット個々の収録カードは少しずつ違うから、出たカードでオリジナリティあふれるデッキを作ってくれよな!
すばらしいわボブ!わたしの悪斬4枚は入っているのかしら?
HAHAHA冗談は顔だけにしておいてくれよナンシー!
かみまみた
「でも悪斬持ってないしたけーし」とか愚痴ってませんか?それともまだマジックを始めたばかりで土地すら満足に無いのでしょうか。
ところがこいつをみておくれよナンシー!
まあなにかしらボブ?
2010年5月21日発売のデッキビルダーズ・ツールキットは、100枚の土地と125枚の擬似ランダム封入カード、そして最近発売されたマジックのセットからブースターを4つ、これだけ入ってたったの19.99ドル(1800円くらい)でのご提供!
まあすごいわボブ!ブースター4つてもしかしなくてもM10、ZEN、WWK、ROEの4つかもしれないわね! でもM11が2ヵ月後に発売なのよね!M10そのものは10月まで使えるけれど。
このデッキビルダーズ・ツールキットがあればどんなデッキもすぐにつくれちゃうぜ!ついでに箱はデッキ収納ケースも兼ねてるし、デッキ構築のコツも英語でばっちり解説してるから読んでくれ!
日本語版出すとは言わないところがステキねボブ!
ツールキット個々の収録カードは少しずつ違うから、出たカードでオリジナリティあふれるデッキを作ってくれよな!
すばらしいわボブ!わたしの悪斬4枚は入っているのかしら?
HAHAHA冗談は顔だけにしておいてくれよナンシー!
ソニー・オンライン・エンタテイメントとウィザーズ・オブ・ザ・コーストの共同開発になる、Magic: The Gathering - Tacticsが2010年の初めに発売されることが明らかになりました。
オンラインの3Dターン制戦略ゲームで、立体的に表示された軍隊を指揮し、強力な呪文を使う今までに無いゲームに仕上がっている、とSOE社長は言います。
24時間いつでも、ソロ・シナリオや他のプレイヤーとの対戦を楽しむことが出来ます。
Magic: The Gathering - TacticsはSOEデンバー・スタジオの開発により、2010年初頭にPC版が発売され、その後プレイステーション3でも発売が予定されています。
公式サイトはwww.magicthegatheringtactics.com。
オンラインの3Dターン制戦略ゲームで、立体的に表示された軍隊を指揮し、強力な呪文を使う今までに無いゲームに仕上がっている、とSOE社長は言います。
24時間いつでも、ソロ・シナリオや他のプレイヤーとの対戦を楽しむことが出来ます。
Magic: The Gathering - TacticsはSOEデンバー・スタジオの開発により、2010年初頭にPC版が発売され、その後プレイステーション3でも発売が予定されています。
公式サイトはwww.magicthegatheringtactics.com。
プレーンチェイスFAQ書いた奴はちょっと日本までツラかしなさい
2009年11月2日 【マジック】 コメント (7)なんやかややって、やっとプレーンチェイスFAQをカードリストに仕込みました。
総合ルールも次元マジックに対応して、これでどんな次元がめくれても怖くないね!
にしてもFAQ書いた担当者はちょっと日本まで来て正座して行くことをお勧めします。
* If one of the revealed plane cards is another Pools of Becoming, its {C} ability triggers. When it resolves, you’ll reveal three more cards from the top of your planar deck, their {C} abilities will trigger, and you’ll put them on the stack in any order on top of any remaining {C} abilities from the first Pools of Becoming’s effect.
僕の目が悪くないか頭がおかしくなければ
「公開された次元カードのうちの1枚が別のPools of Becomingである場合、~」
と書かれているように見受けられますが。そもそも次元デッキに同じカードは1枚しか入れられないのにどうしてPools of Becomingの{C}能力の解決時に別のPools of Becomingがめくれるなんて状況がFAQ(よく聞かれる)質問としてありえるんだっての
それともFAQ書いた時点の次元マジックは複数枚の次元カードを入れていいルールだったのかしら。それにしても。
あるいは「Pools of Becomingの{C}能力の解決時に別のPools of Becomingがめくれるなんて状況がありえる」と実際の次元マジックで頻繁に起こっているなら教えてください。
総合ルールも次元マジックに対応して、これでどんな次元がめくれても怖くないね!
にしてもFAQ書いた担当者はちょっと日本まで来て正座して行くことをお勧めします。
* If one of the revealed plane cards is another Pools of Becoming, its {C} ability triggers. When it resolves, you’ll reveal three more cards from the top of your planar deck, their {C} abilities will trigger, and you’ll put them on the stack in any order on top of any remaining {C} abilities from the first Pools of Becoming’s effect.
僕の目が悪くないか頭がおかしくなければ
「公開された次元カードのうちの1枚が別のPools of Becomingである場合、~」
と書かれているように見受けられますが。そもそも次元デッキに同じカードは1枚しか入れられないのにどうしてPools of Becomingの{C}能力の解決時に別のPools of Becomingがめくれるなんて状況がFAQ(よく聞かれる)質問としてありえるんだっての
それともFAQ書いた時点の次元マジックは複数枚の次元カードを入れていいルールだったのかしら。それにしても。
あるいは「Pools of Becomingの{C}能力の解決時に別のPools of Becomingがめくれるなんて状況がありえる」と実際の次元マジックで頻繁に起こっているなら教えてください。
猿場所を巡回するのもひとつの修行だと思っている プロモカード情報
2009年10月23日 【マジック】酸いも甘いも噛み千切ってこそ真の情報通と言えましょう
11月のフライデーナイト・マジック賞品は《忘却の輪/Oblivion Ring(ALA)》。
《Oblivion Ring(DCI)》11/12 F09
Chuck Lukacs
エア輪っかにつかまったドラゴンが量子分解(笑)されていっています。嫌いじゃないすよこういうモチーフ。
去るプロツアー・オースティンで配られたジャッジ報酬は
《Flooded Strand(ONS-DCI)》7/10 G09 DCIジャッジ報酬(PTオースティン 10月16~18日)
《Survival of the Fittest(DCI-ALT)》 DCIジャッジ報酬(PTオースティン 10月16~18日)
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand(ONS)》とフィッテスト。あいかわらずトップクラスのレアを持ってくることに定評のあるジャッジ報酬。残すシーズンは世界選手権inローマのみ。
そこで最後のフェッチ《汚染された三角州/Polluted Delta(ONS)》と謎の5/10の報酬プロモが配られることでしょう
ゲートウェイのプロモカードは、
《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》
《コーの決闘者/Kor Duelist(ZEN)》
DCIナンバリングフォイル。
ゼンディカー・ゲームデイのプロモは
《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》トップ賞品
《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》参加賞
どちらも全体イラスト、テキストつきカード。また、43枚目の次元カードも配られるようです。
《Horizon Boughs(PCH)》
どんなカードなのかは現物やネット上を漁ってみてのお楽しみ、ということで
11月のフライデーナイト・マジック賞品は《忘却の輪/Oblivion Ring(ALA)》。
《Oblivion Ring(DCI)》11/12 F09
Chuck Lukacs
エア輪っかにつかまったドラゴンが量子分解(笑)されていっています。嫌いじゃないすよこういうモチーフ。
去るプロツアー・オースティンで配られたジャッジ報酬は
《Flooded Strand(ONS-DCI)》7/10 G09 DCIジャッジ報酬(PTオースティン 10月16~18日)
《Survival of the Fittest(DCI-ALT)》 DCIジャッジ報酬(PTオースティン 10月16~18日)
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand(ONS)》とフィッテスト。あいかわらずトップクラスのレアを持ってくることに定評のあるジャッジ報酬。残すシーズンは世界選手権inローマのみ。
そこで最後のフェッチ《汚染された三角州/Polluted Delta(ONS)》と謎の5/10の報酬プロモが配られることでしょう
ゲートウェイのプロモカードは、
《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》
《コーの決闘者/Kor Duelist(ZEN)》
DCIナンバリングフォイル。
ゼンディカー・ゲームデイのプロモは
《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》トップ賞品
《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》参加賞
どちらも全体イラスト、テキストつきカード。また、43枚目の次元カードも配られるようです。
《Horizon Boughs(PCH)》
どんなカードなのかは現物やネット上を漁ってみてのお楽しみ、ということで
Garruk vs. Liliana デッキリスト
2009年10月19日 【マジック】 コメント (4)Garruk vs. Lilianaの内容が判明しました。
ガラクのデッキ
土地 (24)
02 《滑りやすいカルスト/Slippery Karst(USG)》
01 《樹上の村/Treetop Village(10E)》
21 《森/Forest》
プレインズウォーカー (1)
01 MR*《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M10)》2GG
クリーチャー (18)
02 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TOR)》G
02 《アルビノ・トロール/Albino Troll(USG)》1G
02 《ぶどう棚/Vine Trellis(8ED)》1G
02 《野生の雑種犬/Wild Mongrel(ODY)》1G
02 《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage(ONS)》2G
02 *《ブラストダーム/Blastoderm(NEM)》2GG
01 《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth(ONS)》2GG
01 《暴走するヌー/Stampeding Wildebeests(10E)》2GG
02 《踏み吠えインドリク/Indrik Stomphowler(DIS)》4G
01 《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》5GG
01 《板金鎧の金屑ワーム/Plated Slagwurm(MRD)》4GGG
その他の呪文 (17)
01 《香杉の源獣/Genju of the Cedars(BOK)》G
01 《巨大化/Giant Growth(M10)》G
02 《怨恨/Rancor(ULG)》G
01 《木化/Lignify(LRW)》1G
02 《自然の知識/Nature’s Lore(5ED)》1G
01 《象の導き/Elephant Guide(JUD)》2G
01 《激励/Invigorate(MMQ)》2G
02 *《調和/Harmonize(PLC)》2GG
01 《粗野な覚醒/Rude Awakening(5DN)》4G
01 《獣の襲撃/Beast Attack(ODY)》2GGG
01 《踏み荒らし/Overrun(M10)》2GGG
01 《暴風/Windstorm(M10)》XG
02 《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》4
リリアナのデッキ
土地 (25)
02 《汚染されたぬかるみ/Polluted Mire(USG)》
23 《沼/Swamp(ZEN)》
01 MR*《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess(M10)》3BB
クリーチャー (19)
01 《死を出迎える者/Deathgreeter(ALA)》B
02 《霊光の追跡者/Ghost-Lit Stalker(SOK)》B
02 《吸血コウモリ/Vampire Bats(10E)》B
01 《蠢く骸骨/Drudge Skeletons(M10)》1B
01 《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(10E)》1B
02 《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder(ALA)》2B
02 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(10E)》2B
01 《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage(TSP)》2B
01 《骨の壁/Wall of Bone(M10)》2B
01 《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre(SHM)》1BB
01 《吠えたけるバンシー/Howling Banshee(M10)》2BB
01 《叫び回るバンシー/Keening Banshee(RAV)》2BB
02 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination(TSB)》5B
01 《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》4BB
その他の呪文 (15)
01 《湿原の源獣/Genju of the Fens(BOK)》B
01 《不吉の月/Bad Moon(TSB)》1B
02 《血の署名/Sign in Blood(M10)》BB
01 《不純な飢え/Vicious Hunger(NEM)》BB
01 《滑る胆液/Ichor Slick(FUT)》2B
01 《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》1BB
01 *《殺し/Snuff Out(MMQ)》3B
02 《堕落の触手/Tendrils of Corruption(M10)》
01 *《もぎとり/Mutilate(TOR)》2BB
01 《墓場からの復活/Rise from the Grave(M10)》4B
02 《堕落/Corrupt(SHM)》5B
01 《隷属/Enslave(PLC)》4BB
ガラクのデッキ
土地 (24)
02 《滑りやすいカルスト/Slippery Karst(USG)》
01 《樹上の村/Treetop Village(10E)》
21 《森/Forest》
プレインズウォーカー (1)
01 MR*《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M10)》2GG
クリーチャー (18)
02 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TOR)》G
02 《アルビノ・トロール/Albino Troll(USG)》1G
02 《ぶどう棚/Vine Trellis(8ED)》1G
02 《野生の雑種犬/Wild Mongrel(ODY)》1G
02 《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage(ONS)》2G
02 *《ブラストダーム/Blastoderm(NEM)》2GG
01 《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth(ONS)》2GG
01 《暴走するヌー/Stampeding Wildebeests(10E)》2GG
02 《踏み吠えインドリク/Indrik Stomphowler(DIS)》4G
01 《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》5GG
01 《板金鎧の金屑ワーム/Plated Slagwurm(MRD)》4GGG
その他の呪文 (17)
01 《香杉の源獣/Genju of the Cedars(BOK)》G
01 《巨大化/Giant Growth(M10)》G
02 《怨恨/Rancor(ULG)》G
01 《木化/Lignify(LRW)》1G
02 《自然の知識/Nature’s Lore(5ED)》1G
01 《象の導き/Elephant Guide(JUD)》2G
01 《激励/Invigorate(MMQ)》2G
02 *《調和/Harmonize(PLC)》2GG
01 《粗野な覚醒/Rude Awakening(5DN)》4G
01 《獣の襲撃/Beast Attack(ODY)》2GGG
01 《踏み荒らし/Overrun(M10)》2GGG
01 《暴風/Windstorm(M10)》XG
02 《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》4
リリアナのデッキ
土地 (25)
02 《汚染されたぬかるみ/Polluted Mire(USG)》
23 《沼/Swamp(ZEN)》
01 MR*《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess(M10)》3BB
クリーチャー (19)
01 《死を出迎える者/Deathgreeter(ALA)》B
02 《霊光の追跡者/Ghost-Lit Stalker(SOK)》B
02 《吸血コウモリ/Vampire Bats(10E)》B
01 《蠢く骸骨/Drudge Skeletons(M10)》1B
01 《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(10E)》1B
02 《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder(ALA)》2B
02 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(10E)》2B
01 《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage(TSP)》2B
01 《骨の壁/Wall of Bone(M10)》2B
01 《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre(SHM)》1BB
01 《吠えたけるバンシー/Howling Banshee(M10)》2BB
01 《叫び回るバンシー/Keening Banshee(RAV)》2BB
02 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination(TSB)》5B
01 《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》4BB
その他の呪文 (15)
01 《湿原の源獣/Genju of the Fens(BOK)》B
01 《不吉の月/Bad Moon(TSB)》1B
02 《血の署名/Sign in Blood(M10)》BB
01 《不純な飢え/Vicious Hunger(NEM)》BB
01 《滑る胆液/Ichor Slick(FUT)》2B
01 《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》1BB
01 *《殺し/Snuff Out(MMQ)》3B
02 《堕落の触手/Tendrils of Corruption(M10)》
01 *《もぎとり/Mutilate(TOR)》2BB
01 《墓場からの復活/Rise from the Grave(M10)》4B
02 《堕落/Corrupt(SHM)》5B
01 《隷属/Enslave(PLC)》4BB
オラクル更新サレテタァ━(n‘∀‘)η !!!!!
2009年10月17日 【マジック】 コメント (1)チェックしにいきます
よーぐもえいとぐ神に動きなし!どうした更新遅いよ!
よーぐもえいとぐ神に動きなし!どうした更新遅いよ!
あらーらむかしばなし ぱーと3(後編)
2009年10月15日 【マジック】 コメント (3)「やめるんだ、ボーラス」アジャニはドラゴンの神に叫びます。「行ってくれ、もう十分だろう」
『どうして止めねばならぬ? それは恥部、価値の無いゴミであろう』
「やめろ、俺の居る世界だ」
アジャニは大渦の残滓に力強く飛び込みます。それは彼を包み込み、空中にとどめ、マナの奔流で満たし、感覚に負荷をかけます。力のカケラにすら、アジャニは圧倒されます。何千人もの魔道士の努力を一瞬で、その魔法がすべて繋がったものを自らの力にするなど、信じられないことでした。
アジャニは目を閉じ、彼の内なる目が開きます。
そこはあるがままの世界。なにひとつ特徴のない、白の虚無。
"アジャニ"ジャザルの声に、アジャニは振り返ります。
銀毛のジャザルが微笑んでそこに立っていました。二人は固く握手します。
「ジャザル、ずっと探していたんだ」
"知っている"
「俺は......俺は、あなたの仇を討てなかった。すまない。本当の仇は......そいつは、手に負えなかった。俺よりはるかに強かった」
"わかっている"
「あと、ザリキは――彼女は、間違った道に導かれてしまった。それは彼女が悪いんじゃない。彼女は、あなたを愛していたんだから」
"ああ。お前の言うとおりだ。アジャニ"
「失望させてしまって面目が無い」
"それがお前のしてきたことか?"
「ああ。俺には大きすぎた。殺しの犯人も、5つの世界も、多元宇宙も――すべてが俺の想像より大きかった。俺には扱いきれなかったんだ」
"それは、お前が偉業を成すために立ち上がる前に学ばなければならない最初の物事だ"
「そうはならないだろう。もう手遅れだ。奴の勝ちだ。奴を止めるのに間に合わなかった。計画は成就し、奴は求めていた力を手に入れてしまった。俺にはあなたを心安らかにさせる方法など思いつかない。いや、それどころか、世界が、アラーラのすべてが利用し尽くされ、捨てられようとしているんだ」
"お前はまだここにいるではないか。お前はあきらめたわけではないのだろう?成すべき事があると自覚しているなら、チャンスが無いなんてことはない。よく聞くのだ"
「聞いているよ」
" そうではない。真に耳を傾けるのだ。お前はアラーラの核に立っている。脈打つ心臓部に。これこそ俺が捜し求めたもの。マリーシとその主の嘘に隠された中にある、ひとつの可能性なのだ。それが、マナの核。アラーラの生きとし生けるものすべてから繋がる生命の糸の集約点。ボーラスがその力としたいと目論んだもの。お前が学ぶ機会そのもの。さあ、耳を澄ませ"
「こだまが......聞こえる」
"そうだ。なんと言っている、アジャニ? それは何を教えてくれる"
「もうすこしで聞き取れる......」
アジャニはジャザルの手がすり抜けていくのを感じました。
「ジャザル? 待ってくれ、行かないでくれ!」
"それが教えてくれるものは何だ? アジャニよ"アジャニは手を伸ばしますが、その面影も、その声も、か細くなり白の虚無に消えていきました。
「ジャザル!」
ボーラスは哄笑します。
『そううまくはいかぬ、小さきウォーカー。その残りカスを力にしたとて我に敵うわけがなかろう。この世界に我を止められる者など居らぬ』
「そうかもしれない」アジャニは言います。「だが、ひとつだけできることがある」
アラーラの全ての魔道士の声がアジャニの口から一度に発せられます。無限に近い知識は、ひとつの不協和音を彼に見出させます。アジャニはボーラスの奥深くに灯を、他の命あるものたちと同じように、永遠の本質を見出します。おそらく、彼は他のものと同じルールには縛られていないのでしょう。そこにアジャニが見出した力は目もくらむばかりの、精神が引き裂かれそうなものでした。しかし、そのドラゴンには魂と呼べる部類の、欠かすことの出来ない意識の核がありました。その魂はアジャニが打ち倒すことはできませんが、それを反転させ、それを育て、花開かせ、実体化する素材とします。
"アジャニ、お前はいつも皆に最善を示してくれる"ジャザルの言葉が思い出されました。"お前の贈り物だな"
アジャニはボーラスの本質を呼び出します。
エーテルに包まれた星の奔流のように、エネルギーがボーラスの胸から噴き出しました。大渦の残したくぼ地にぶつかり、そのカーブした縁に跳ね返ります。広がり、ゆがめられたその奔流はひとつの形を取りはじめます。はじめのうちは、紫外線で乱された空気のゆがみが作り出したドラゴンのように見えました。その密度が高くなるにつれ、遠方の風景に焦点が合うように、詳細がだんだんくっきりと見え始めます。それはボーラス自身の光り輝くアストラル体となります。2体のドラゴンは、奇妙にもそっくりに動くお互いを見つめます。その物まねぶりから怒り、お互いに吼え、空気を震わせます。それらはぶつかり合い、爪で取っ組み合いを始めます。彼らはお互いがアラーラの中でも最大の脅威であることを知っていました。お互いの力と裏切る性格を知っていました。一歩引けば自身の破滅であることも知っていました。お互いの精神と魂を屈服させようと魔法のエネルギーを放出し、お互いを手駒としようとします。そしてお互いに精神攻撃への防御を目的とした魔法で対策を講じます。そのマナの嵐の力でうねりが生じます。かたや鱗の肉体にそって、かたや星のように輝くエーテルの姿にそって。
アジャニは坂を這いずり、大渦の谷の外へと向かいます。彼は2体のドラゴンの魔力がお互いを雷鳴のごとく打ち付けているのを感じ、その爪がお互いの鱗をひっかけようとしている音を聞きました。彼は無垢の可能性そのものが噴き出るのを感じ、嵐の中心で戦う2匹が暴力に酔っていくのを感じていました。もし一方が他方を破壊することを決めたら、とアジャニは考えます。その両方が確実にそうするだろう。その怒りでアラーラのすべてが焼き尽くされてしまうかもしれない。選択権は、最終的にはボーラスの魂の本質次第でした。
アジャニは坂を急いで登り、クレーターの縁で背後のドラゴンを振り返りました。ボーラスたちは完全に互角で、一撃は反撃を受け、優勢を得ようとする試みは完璧な精度で回避されていました。それは自分自身を超えようとするひとつの巨大な知的レースで、一方が勝ろうとすると片方がそれを失敗させていました。突然、ドラゴンらは後ろに下がり、お互いの目に純粋な憎悪を確認します。そして前進し、お互いの首にガブリと食いつきました。
大渦のエネルギーの流れは、ドラゴンで出来たウロボロスを包み込み、そして雷光の閃光がアジャニの感覚を圧倒します。数秒間、光と静寂のみがありました。
俺はしくじってしまった。アジャニは思いました。アラーラは破壊された。
そして、ゆっくりと、風の音がアジャニの耳に戻ってきました。毛皮をなでる感覚は妙な感じで、そんな単純な何かを感じることが好ましいという感覚すら忘れていたかのようでした。次第に激しい光は薄れ、世界が再び彼の目の前に現れました。クレーターは空っぽになっていました。ドラゴンは居らず、マナの嵐もありません。谷には風だけが満ちていました。アジャニは座り込みます。風が逆立てる美しい白の毛皮には、新たに一房の金色が混ざっていました。動くものは他にはありませんでした。
アジャニは谷の縁に座り、アラーラの残ったものを滅ぼしにボーラスが戻ってくることを長いこと待っていました。彼は二度と戻って来ませんでした。
「エルズペス卿?お呼びでしょうか?」
バントはエルズペスにとって楽園でした。異邦人としてこの地に来て、プレインズウォーカーであることは語らぬ過去でしたが、彼女の故郷であるかのように受け入れてくれました。バントは彼女が初めて本当の故郷と感じたところであり、離れるまいと誓った場所でした。
しかし今は、彼女は思いました。ここは廃墟と化してしまった。部屋の窓からは薪の火が見えていました。死者を空へと送り出す煙が立ち上っていました。彼女の記憶に焼きついた者たちを思い浮かべます。友を死地に送り出し、何千ものアーシャの軍をアンデッドの軍と戦わせてしまいました。世界は取り返しの付かない変化をし、彼女の家、彼女の家族、彼女のバントは無くなってしまいました。
「お入りください。騎士マーディス」マーディスは彼女に割り当てられた部屋の入り口へと来ました。彼は本当にシャイに見えました。二人はマルフェゴールとの戦いについては話しませんでした。彼がやっとのことで生き残った戦いでした。
「来ていただけて感謝します」
「もちろんです、騎士長。大丈夫ですか?」それはおかしな質問でした。
「私は......大丈夫です。ありがとう」彼女はいつものように不器用に嘘をつきました。
「貴方のほうこそ、ご家族は?」
「まあまあです。お気遣いありがとうございます」
彼の嘘は上手だな、彼女は思いました。彼女はマーディスの家族は戦により大勢亡くなっていることを知っていました。皆がそうであるように。
誰もが、本当の家族を持っている――私とは違って。私は空から落ちてきた孤児、また異邦人へと逆戻り。そう、バントへ始めて来たときと同じ。
「貴方に来て頂くようにお願いしたのは、話したい......渡したいものが、あるからです」彼女はどもりながら言います。
「それは光栄です」貴方は誠実で礼儀正しい。そんな人物はそうそう居ません。私を怒鳴りつけ、殴られたほうがどれほど話しやすかったでしょうか。
「渡したいものとは?」彼は尋ねます。「あ、私は、あの――」何をあげようとしたのだろう?思いつくものは無く、バントの形見になるものなど一つも持っていなかったことに気づきます。飾りものも、指輪も、私がここにいたことを称えるしるしも。
私は本当にひとりぼっちだ。彼女は思いました。孤児だ。我が家、故郷だと言ったところで、自身を守ることすらおぼつかない。
「ごめんなさい」「実は......あなたに差し上げられるようなものは残っていませんでした」マーディスは唇をくっと引き結び、早口で言いました。「あなたはヴァレロンを離れるのですね」
エルズペスは言葉に詰まります。「私は......はい。離れようと、思っています......ヴァレロンを......」
「ですがなぜ?」
「出発は重要なことなのです」ここに留まることは出来ない。とどまってバントの廃墟を見続けることに耐えられそうもなかった。
「いったいどこへ?」
「この世界全てからです。たしか他の断片へ行ったことはありませんでしたね?」
「たしかにまだです」いや、彼女はアラーラから出たことはなかったはずだ。彼女の友人というのは理解しがたいが、彼女の様子は真剣だった。
「ですが、離れることなどできないでしょう」とうとう、本音の声色が出てしまった。
「あなたは、印章階級でいらっしゃる。その地位を捨てると。 騎士としての誓いを破ることになるのですよ」
「よくわかっています」
「もう二度と戻らないと聞こえました」
「そうです」
マーディスは刺されたかのような表情を見せます。 そう、その顔です。貴方がそんな顔をするだろうと思っていました。でも、わかってもらえるだろうと願っていました。これが、貴方に送る本当の贈り物――貴方に、嫌われること。乱暴な状況で、二人の友情を分かつこと。二度と会えなくなること。貴方を裏切るようなことを言うために呼びつけ、ここを離れる都合のいい口実にし、貴方は貴方の人生を送り、私のことなど忘れ去ってしまうこと。
「私は忘れません」
「ありがとう」
でも、いいえ、貴方は忘れてしまうでしょう。マーディス。私が去れば、貴方の記憶から私は消えていくでしょう。貴方は自分の人生を再び愛した人で満たしてください。貴方に残していけるものは一つも無いのです。
私がバントにいた証拠は何も無くなります。それが私なのです。それが私の生き方なのです。常に故郷を捜し続け、決して足跡を残さない。でも私は貴方を忘れません。マーディス。バントをずっと忘れません。ごめんなさい。許してください。
よく事情が飲み込めないまま、きまり悪そうに握手を交わし、彼はまだ何か言いたそうにしていますが、何かを言う代わりに振り向いて歩き去っていきます。ドアは丁寧に閉じられます。
エルズペスはきびすを返し、窓に向かいます。外では一人のアコライトが葬送の薪のそばの荷車から小さな子供をその上に積み上げていました。
窓の鎧戸を閉じ、彼女は暗くなるのを待ってプレインズウォークしていきました。
ラフィークはムビンの見舞いに来ます。
「馬鹿者め」「あんたより山ほどの治療師のほうがよかったよ」
「騎士将軍ではだめかい?」
「今回の任務は我らのものだぞ。あんたとともに行き、そして怪我を、怪我を――」
「もう気に病むな、ムビン」「すべて終わったことだ。それに、エーテリウムを持ってきたんだ。戦争がもたらしたたったひとつのいいことさ。魔道士も連れてきた。お前さんはまた歩けるようになるんだ」
ムビンは考えます。金属の足になるなんておぞましいことだが、それを断ればラフィーク卿に二度と歩くところを見せることは叶わない。一生寝たきり。最悪だ。
「それで」「いつ始めるんだい?」
ラフィークの笑い声は部屋中に響きました。
*ジャンド*
サルカンは背中に手をやり、刺さったままの矢を引き抜きました。歩きながら、彼は背中からやじりをナイフで掘り出そうとしていました。エルフどもめ、いい矢を作りやがる。深く刺さり、がっちりと食い込んでいやがる。打ち込まれたやじりはナヤの獣の骨から削りだしたものだろうかな。骨のカケラがボーラスによって堕落した血に浸されてジュウジュウと音を立てているさまを思い浮かべます。
戦争はサルカンにとって悪いほうに転びました。古竜の行方を捜そうとは思いませんでした。どこへ消えていったのやら。新米のプレインズウォーカーにマナの接続が切られたこともどうでもよくなりました。彼からマナが離れていき、ドラゴンの制御もきかなくなり、ジャンドに戻る手段も無くなりました。
背中をえぐり、最後のやじりを取り出しました。立ち止まり、自分の手を見ました。骨のカケラではなく、削り取られた石が血に染まった手の中にありました。ボーラスへ忠誠を誓ったからか。これが俺の運命か。
瞬間、自分の目にやじりを突き刺したくなる衝動に駆られ、その考えは彼をくすくすと笑わせます。その笑いは次第に大笑いへと変わり、声がかすれるまで笑い続けました。
心を保て。彼は自分に言い聞かせます。ボーラスの黒い影を空に見たような気がしましたが、理由はわかりませんでした。うだるような熱さのカルデラの縁まで歩き寄ります。その火山のカルデラは、猫男に火と怒りを教えた場所でした。彼の眼下で溶岩が泡立ち、耐え難い熱さでブーツを通して足がチリチリと痛みました。低くなるってのはどういう気分なんだろうな。じわじわと赤熱するヘドロの中へ沈んでいくのは。
彼は大声で叫び、アラーラからプレインズウォークしていきました。
バントでは、ムビンの手術が行われます。ベッドの傍らには銀色の金属の液体が熱も無く泡立っています。
「わしは眠ってしまうのかい?」
「起きた頃にはきっと良くなっていますよ、そのときにご質問にお答えしましょう」癒し手は言います。金属を足の傷に流し込んでいるの見て、ムビンは絶句します。
「ロウクスのように難しいことは言えないが、なにかおかしな感じはしないかい?」見守るラフィークが話しかけます。
「もういいでしょう」「ほぼ終わりました。患者さんの邪魔をしてはいけませんよ、騎士長どの」
「お前さんも見てみろ」「金属がひとりでに形をとりだしている。こりゃあ驚きだ。枝分かれして、伸びて、作り出している......何かを。なんと言っていいかわからんが、きれいだ」
ムビンは体をきりきりと刺すような痛みを覚悟します。動脈を流れる痛みにうめきますが、それも収まります。
そのとき、ラフィークは紫色の斑点がムビンの体に広がっていくのを見ます。足から始まり、急速に全身に広がります。
「何か変だ」「エーテリウムが毒になっているようだ」「見えるだろう?早く切り離せ!」
軟膏使いは慌てて施療しますが、ムビンの体はビクンと跳ね、背中は弓なりに1回、2回と反り返りました。汗が滝のようにムビンの顔を流れ落ち、胸は激しく上下し、ゼイゼイと息が漏れます。
「なんとかしろ」ラフィークは言います「あんたは彼を助けるんだ。ああアーシャ、俺はまた過ちを犯してしまいました。どうすればいいのですか」
「やれることはすべてやっています」癒し手は言います。「痛みを和らげる軟膏、少しばかりかじった魔法、感染症の薬、でも効果がないのです。この汚染に抗する術が無いのかも」ムビンのけいれんは収まりました。息も穏やかになります。「持ち直しました」
いや、まだだ。ラフィークは考えていました。「いつだって」「いつだって、俺は自分が正しいと思うことを考えてきた。古き友よ。俺はすべてを間違えてしまった」
ムビンの目が薄く開きます。「どうしたってんだ、古き友よ」ムビンはガラガラ声で言います。ラフィークはすばやくまばたきをします。瘤がムビンの喉にできていました。
「お前さんは良くなる。良くなるんだ」
「もちろんだとも」ムビンは言います。「すぐにダンスだってできるさ」
「無理はするな、今は休んでくれ」
「大丈夫さ」老ロウクスは笑います。紫色の斑点は顎にまで達していました。
「ムビン、すまない」「俺は何もかもを間違えてしまった」
「わしについてはそうじゃないさ、古き友よ」「あんたの徳は、ときにあんたの目をくらませてしまう。あんたが太陽の下にいる間は、それは見えてこない。あんたは一度たりとも――」ムビンは歯を食いしばり、黒い血の塊を吐きます。
ラフィークはすばやく彼の口をぬぐいました。彼の額の汗をぬぐいました。ムビンの目は閉じ、頭は下がり、そのまま意識を失いました。ムビンは二度と目覚めませんでした。
ラフィークは、大月桂樹の印章を授けられる英雄としてセレモニーの準備をしていました。ムビンの葬儀に何をしたのかすら、ぼんやりとしか思い出せませんでした。自分の人生は正しいこと、名誉のためにあった。かいがいしく出立の準備をする従者のかたわら、ぼんやりとラフィークは考え込んでいました。運命の犠牲者となるのは運が尽きたときだ。思いもよらない出来事をたどり、目に見えない運命がもたらした悲劇がムビンの死なのだと。壁を登ったり降りたりする蜘蛛をしばらく眺めていた後、彼はきびすを返し、会場へと歩いていきました。
アジャニは木の桶に柔布を押し込みました。洗剤と水が混ざり、粗い石の床は一面水浸しでした。ジャザルの寝床をごしごしと洗い、血の汚れをぬぐっていきます。くぼみは黒くなっていましたが、汚れが取れるまでアジャニは掃除をしていました。
「アジャニ? 入ってもいいかしら?」
ザリキの声に、アジャニは顔を上げることなく答えます。
「さあね。ここに入る価値があるかどうか、自分で考えたらどうだ」
ザリキは洞窟の入り口で、掃除をに励むアジャニを見ていました。
「あなたの言うとおりね。私、行くわ」
「ザリキ、待った。少し話したいこともある」
彼女は立ち止まります。が、アジャニの方は剥きませんでした。
「何」
「俺は出発する。今夜だ」
「どこへ?」ザリキは振り返ります。水に溶けた血が床の亀裂に流れ込んでいました。
「戻ってくるの?」
「言えない」
「この世界が......俺に意味があるのかどうかわからない。わからないんだ」
「そんな」
「俺は君を群れ長に指名する」
「えっ?」
「長老には会ってきた。最近の出来事が明るみになれば、今までのようには暮らせない。ジイさんたちは俺に群れを率いるよう言ってきたが、俺はその地位を君に譲りたい。頼まれてくれ」
「アジャニ、私――」
「誰かがこの群れを率いなければならない。ジャザルが目指したものを継ぐ誰かが。雲のナカティルとエルフを話合わせ、纏め上げる人物が。再び我々の間に入り込んでくる者が居ないように、結束を固める人物が必要なんだ。」
「それが、私?」
「そうだ。おかしな話に聞こえるだろうが、そうだな、正直に言おう。俺は君を殺そうとも思っていた」
ザリキは息を呑みます。
「すまない。だが俺は君に自分のしたことを理解させることに決めた。群れからはじき出されることのないように頼ってきた人だし、導いてきたもの、君を傷つけたものを君は見てきている。そんな過ちを犯す最後の一人であってほしい」
「それが罪滅ぼしだと?」
「それに近い」
ザリキは洞窟の天井を見つめます。
「ありがとう」
「お膳立てはすべてしておいた。行ってくれ」
彼女は口を開きますが、すぐに閉じます。最後に彼を見つめた後、ザリキは歩き去っていきました。
アジャニは一晩かけて床を掃除します。寝床の外へ桶を運び、岩棚の上から土に汚れた水を眼下のジャングルへと捨てました。
『Alara Unbroken』完
『どうして止めねばならぬ? それは恥部、価値の無いゴミであろう』
「やめろ、俺の居る世界だ」
アジャニは大渦の残滓に力強く飛び込みます。それは彼を包み込み、空中にとどめ、マナの奔流で満たし、感覚に負荷をかけます。力のカケラにすら、アジャニは圧倒されます。何千人もの魔道士の努力を一瞬で、その魔法がすべて繋がったものを自らの力にするなど、信じられないことでした。
アジャニは目を閉じ、彼の内なる目が開きます。
そこはあるがままの世界。なにひとつ特徴のない、白の虚無。
"アジャニ"ジャザルの声に、アジャニは振り返ります。
銀毛のジャザルが微笑んでそこに立っていました。二人は固く握手します。
「ジャザル、ずっと探していたんだ」
"知っている"
「俺は......俺は、あなたの仇を討てなかった。すまない。本当の仇は......そいつは、手に負えなかった。俺よりはるかに強かった」
"わかっている"
「あと、ザリキは――彼女は、間違った道に導かれてしまった。それは彼女が悪いんじゃない。彼女は、あなたを愛していたんだから」
"ああ。お前の言うとおりだ。アジャニ"
「失望させてしまって面目が無い」
"それがお前のしてきたことか?"
「ああ。俺には大きすぎた。殺しの犯人も、5つの世界も、多元宇宙も――すべてが俺の想像より大きかった。俺には扱いきれなかったんだ」
"それは、お前が偉業を成すために立ち上がる前に学ばなければならない最初の物事だ"
「そうはならないだろう。もう手遅れだ。奴の勝ちだ。奴を止めるのに間に合わなかった。計画は成就し、奴は求めていた力を手に入れてしまった。俺にはあなたを心安らかにさせる方法など思いつかない。いや、それどころか、世界が、アラーラのすべてが利用し尽くされ、捨てられようとしているんだ」
"お前はまだここにいるではないか。お前はあきらめたわけではないのだろう?成すべき事があると自覚しているなら、チャンスが無いなんてことはない。よく聞くのだ"
「聞いているよ」
" そうではない。真に耳を傾けるのだ。お前はアラーラの核に立っている。脈打つ心臓部に。これこそ俺が捜し求めたもの。マリーシとその主の嘘に隠された中にある、ひとつの可能性なのだ。それが、マナの核。アラーラの生きとし生けるものすべてから繋がる生命の糸の集約点。ボーラスがその力としたいと目論んだもの。お前が学ぶ機会そのもの。さあ、耳を澄ませ"
「こだまが......聞こえる」
"そうだ。なんと言っている、アジャニ? それは何を教えてくれる"
「もうすこしで聞き取れる......」
アジャニはジャザルの手がすり抜けていくのを感じました。
「ジャザル? 待ってくれ、行かないでくれ!」
"それが教えてくれるものは何だ? アジャニよ"アジャニは手を伸ばしますが、その面影も、その声も、か細くなり白の虚無に消えていきました。
「ジャザル!」
ボーラスは哄笑します。
『そううまくはいかぬ、小さきウォーカー。その残りカスを力にしたとて我に敵うわけがなかろう。この世界に我を止められる者など居らぬ』
「そうかもしれない」アジャニは言います。「だが、ひとつだけできることがある」
アラーラの全ての魔道士の声がアジャニの口から一度に発せられます。無限に近い知識は、ひとつの不協和音を彼に見出させます。アジャニはボーラスの奥深くに灯を、他の命あるものたちと同じように、永遠の本質を見出します。おそらく、彼は他のものと同じルールには縛られていないのでしょう。そこにアジャニが見出した力は目もくらむばかりの、精神が引き裂かれそうなものでした。しかし、そのドラゴンには魂と呼べる部類の、欠かすことの出来ない意識の核がありました。その魂はアジャニが打ち倒すことはできませんが、それを反転させ、それを育て、花開かせ、実体化する素材とします。
"アジャニ、お前はいつも皆に最善を示してくれる"ジャザルの言葉が思い出されました。"お前の贈り物だな"
アジャニはボーラスの本質を呼び出します。
エーテルに包まれた星の奔流のように、エネルギーがボーラスの胸から噴き出しました。大渦の残したくぼ地にぶつかり、そのカーブした縁に跳ね返ります。広がり、ゆがめられたその奔流はひとつの形を取りはじめます。はじめのうちは、紫外線で乱された空気のゆがみが作り出したドラゴンのように見えました。その密度が高くなるにつれ、遠方の風景に焦点が合うように、詳細がだんだんくっきりと見え始めます。それはボーラス自身の光り輝くアストラル体となります。2体のドラゴンは、奇妙にもそっくりに動くお互いを見つめます。その物まねぶりから怒り、お互いに吼え、空気を震わせます。それらはぶつかり合い、爪で取っ組み合いを始めます。彼らはお互いがアラーラの中でも最大の脅威であることを知っていました。お互いの力と裏切る性格を知っていました。一歩引けば自身の破滅であることも知っていました。お互いの精神と魂を屈服させようと魔法のエネルギーを放出し、お互いを手駒としようとします。そしてお互いに精神攻撃への防御を目的とした魔法で対策を講じます。そのマナの嵐の力でうねりが生じます。かたや鱗の肉体にそって、かたや星のように輝くエーテルの姿にそって。
アジャニは坂を這いずり、大渦の谷の外へと向かいます。彼は2体のドラゴンの魔力がお互いを雷鳴のごとく打ち付けているのを感じ、その爪がお互いの鱗をひっかけようとしている音を聞きました。彼は無垢の可能性そのものが噴き出るのを感じ、嵐の中心で戦う2匹が暴力に酔っていくのを感じていました。もし一方が他方を破壊することを決めたら、とアジャニは考えます。その両方が確実にそうするだろう。その怒りでアラーラのすべてが焼き尽くされてしまうかもしれない。選択権は、最終的にはボーラスの魂の本質次第でした。
アジャニは坂を急いで登り、クレーターの縁で背後のドラゴンを振り返りました。ボーラスたちは完全に互角で、一撃は反撃を受け、優勢を得ようとする試みは完璧な精度で回避されていました。それは自分自身を超えようとするひとつの巨大な知的レースで、一方が勝ろうとすると片方がそれを失敗させていました。突然、ドラゴンらは後ろに下がり、お互いの目に純粋な憎悪を確認します。そして前進し、お互いの首にガブリと食いつきました。
大渦のエネルギーの流れは、ドラゴンで出来たウロボロスを包み込み、そして雷光の閃光がアジャニの感覚を圧倒します。数秒間、光と静寂のみがありました。
俺はしくじってしまった。アジャニは思いました。アラーラは破壊された。
そして、ゆっくりと、風の音がアジャニの耳に戻ってきました。毛皮をなでる感覚は妙な感じで、そんな単純な何かを感じることが好ましいという感覚すら忘れていたかのようでした。次第に激しい光は薄れ、世界が再び彼の目の前に現れました。クレーターは空っぽになっていました。ドラゴンは居らず、マナの嵐もありません。谷には風だけが満ちていました。アジャニは座り込みます。風が逆立てる美しい白の毛皮には、新たに一房の金色が混ざっていました。動くものは他にはありませんでした。
アジャニは谷の縁に座り、アラーラの残ったものを滅ぼしにボーラスが戻ってくることを長いこと待っていました。彼は二度と戻って来ませんでした。
「エルズペス卿?お呼びでしょうか?」
バントはエルズペスにとって楽園でした。異邦人としてこの地に来て、プレインズウォーカーであることは語らぬ過去でしたが、彼女の故郷であるかのように受け入れてくれました。バントは彼女が初めて本当の故郷と感じたところであり、離れるまいと誓った場所でした。
しかし今は、彼女は思いました。ここは廃墟と化してしまった。部屋の窓からは薪の火が見えていました。死者を空へと送り出す煙が立ち上っていました。彼女の記憶に焼きついた者たちを思い浮かべます。友を死地に送り出し、何千ものアーシャの軍をアンデッドの軍と戦わせてしまいました。世界は取り返しの付かない変化をし、彼女の家、彼女の家族、彼女のバントは無くなってしまいました。
「お入りください。騎士マーディス」マーディスは彼女に割り当てられた部屋の入り口へと来ました。彼は本当にシャイに見えました。二人はマルフェゴールとの戦いについては話しませんでした。彼がやっとのことで生き残った戦いでした。
「来ていただけて感謝します」
「もちろんです、騎士長。大丈夫ですか?」それはおかしな質問でした。
「私は......大丈夫です。ありがとう」彼女はいつものように不器用に嘘をつきました。
「貴方のほうこそ、ご家族は?」
「まあまあです。お気遣いありがとうございます」
彼の嘘は上手だな、彼女は思いました。彼女はマーディスの家族は戦により大勢亡くなっていることを知っていました。皆がそうであるように。
誰もが、本当の家族を持っている――私とは違って。私は空から落ちてきた孤児、また異邦人へと逆戻り。そう、バントへ始めて来たときと同じ。
「貴方に来て頂くようにお願いしたのは、話したい......渡したいものが、あるからです」彼女はどもりながら言います。
「それは光栄です」貴方は誠実で礼儀正しい。そんな人物はそうそう居ません。私を怒鳴りつけ、殴られたほうがどれほど話しやすかったでしょうか。
「渡したいものとは?」彼は尋ねます。「あ、私は、あの――」何をあげようとしたのだろう?思いつくものは無く、バントの形見になるものなど一つも持っていなかったことに気づきます。飾りものも、指輪も、私がここにいたことを称えるしるしも。
私は本当にひとりぼっちだ。彼女は思いました。孤児だ。我が家、故郷だと言ったところで、自身を守ることすらおぼつかない。
「ごめんなさい」「実は......あなたに差し上げられるようなものは残っていませんでした」マーディスは唇をくっと引き結び、早口で言いました。「あなたはヴァレロンを離れるのですね」
エルズペスは言葉に詰まります。「私は......はい。離れようと、思っています......ヴァレロンを......」
「ですがなぜ?」
「出発は重要なことなのです」ここに留まることは出来ない。とどまってバントの廃墟を見続けることに耐えられそうもなかった。
「いったいどこへ?」
「この世界全てからです。たしか他の断片へ行ったことはありませんでしたね?」
「たしかにまだです」いや、彼女はアラーラから出たことはなかったはずだ。彼女の友人というのは理解しがたいが、彼女の様子は真剣だった。
「ですが、離れることなどできないでしょう」とうとう、本音の声色が出てしまった。
「あなたは、印章階級でいらっしゃる。その地位を捨てると。 騎士としての誓いを破ることになるのですよ」
「よくわかっています」
「もう二度と戻らないと聞こえました」
「そうです」
マーディスは刺されたかのような表情を見せます。 そう、その顔です。貴方がそんな顔をするだろうと思っていました。でも、わかってもらえるだろうと願っていました。これが、貴方に送る本当の贈り物――貴方に、嫌われること。乱暴な状況で、二人の友情を分かつこと。二度と会えなくなること。貴方を裏切るようなことを言うために呼びつけ、ここを離れる都合のいい口実にし、貴方は貴方の人生を送り、私のことなど忘れ去ってしまうこと。
「私は忘れません」
「ありがとう」
でも、いいえ、貴方は忘れてしまうでしょう。マーディス。私が去れば、貴方の記憶から私は消えていくでしょう。貴方は自分の人生を再び愛した人で満たしてください。貴方に残していけるものは一つも無いのです。
私がバントにいた証拠は何も無くなります。それが私なのです。それが私の生き方なのです。常に故郷を捜し続け、決して足跡を残さない。でも私は貴方を忘れません。マーディス。バントをずっと忘れません。ごめんなさい。許してください。
よく事情が飲み込めないまま、きまり悪そうに握手を交わし、彼はまだ何か言いたそうにしていますが、何かを言う代わりに振り向いて歩き去っていきます。ドアは丁寧に閉じられます。
エルズペスはきびすを返し、窓に向かいます。外では一人のアコライトが葬送の薪のそばの荷車から小さな子供をその上に積み上げていました。
窓の鎧戸を閉じ、彼女は暗くなるのを待ってプレインズウォークしていきました。
ラフィークはムビンの見舞いに来ます。
「馬鹿者め」「あんたより山ほどの治療師のほうがよかったよ」
「騎士将軍ではだめかい?」
「今回の任務は我らのものだぞ。あんたとともに行き、そして怪我を、怪我を――」
「もう気に病むな、ムビン」「すべて終わったことだ。それに、エーテリウムを持ってきたんだ。戦争がもたらしたたったひとつのいいことさ。魔道士も連れてきた。お前さんはまた歩けるようになるんだ」
ムビンは考えます。金属の足になるなんておぞましいことだが、それを断ればラフィーク卿に二度と歩くところを見せることは叶わない。一生寝たきり。最悪だ。
「それで」「いつ始めるんだい?」
ラフィークの笑い声は部屋中に響きました。
*ジャンド*
サルカンは背中に手をやり、刺さったままの矢を引き抜きました。歩きながら、彼は背中からやじりをナイフで掘り出そうとしていました。エルフどもめ、いい矢を作りやがる。深く刺さり、がっちりと食い込んでいやがる。打ち込まれたやじりはナヤの獣の骨から削りだしたものだろうかな。骨のカケラがボーラスによって堕落した血に浸されてジュウジュウと音を立てているさまを思い浮かべます。
戦争はサルカンにとって悪いほうに転びました。古竜の行方を捜そうとは思いませんでした。どこへ消えていったのやら。新米のプレインズウォーカーにマナの接続が切られたこともどうでもよくなりました。彼からマナが離れていき、ドラゴンの制御もきかなくなり、ジャンドに戻る手段も無くなりました。
背中をえぐり、最後のやじりを取り出しました。立ち止まり、自分の手を見ました。骨のカケラではなく、削り取られた石が血に染まった手の中にありました。ボーラスへ忠誠を誓ったからか。これが俺の運命か。
瞬間、自分の目にやじりを突き刺したくなる衝動に駆られ、その考えは彼をくすくすと笑わせます。その笑いは次第に大笑いへと変わり、声がかすれるまで笑い続けました。
心を保て。彼は自分に言い聞かせます。ボーラスの黒い影を空に見たような気がしましたが、理由はわかりませんでした。うだるような熱さのカルデラの縁まで歩き寄ります。その火山のカルデラは、猫男に火と怒りを教えた場所でした。彼の眼下で溶岩が泡立ち、耐え難い熱さでブーツを通して足がチリチリと痛みました。低くなるってのはどういう気分なんだろうな。じわじわと赤熱するヘドロの中へ沈んでいくのは。
彼は大声で叫び、アラーラからプレインズウォークしていきました。
バントでは、ムビンの手術が行われます。ベッドの傍らには銀色の金属の液体が熱も無く泡立っています。
「わしは眠ってしまうのかい?」
「起きた頃にはきっと良くなっていますよ、そのときにご質問にお答えしましょう」癒し手は言います。金属を足の傷に流し込んでいるの見て、ムビンは絶句します。
「ロウクスのように難しいことは言えないが、なにかおかしな感じはしないかい?」見守るラフィークが話しかけます。
「もういいでしょう」「ほぼ終わりました。患者さんの邪魔をしてはいけませんよ、騎士長どの」
「お前さんも見てみろ」「金属がひとりでに形をとりだしている。こりゃあ驚きだ。枝分かれして、伸びて、作り出している......何かを。なんと言っていいかわからんが、きれいだ」
ムビンは体をきりきりと刺すような痛みを覚悟します。動脈を流れる痛みにうめきますが、それも収まります。
そのとき、ラフィークは紫色の斑点がムビンの体に広がっていくのを見ます。足から始まり、急速に全身に広がります。
「何か変だ」「エーテリウムが毒になっているようだ」「見えるだろう?早く切り離せ!」
軟膏使いは慌てて施療しますが、ムビンの体はビクンと跳ね、背中は弓なりに1回、2回と反り返りました。汗が滝のようにムビンの顔を流れ落ち、胸は激しく上下し、ゼイゼイと息が漏れます。
「なんとかしろ」ラフィークは言います「あんたは彼を助けるんだ。ああアーシャ、俺はまた過ちを犯してしまいました。どうすればいいのですか」
「やれることはすべてやっています」癒し手は言います。「痛みを和らげる軟膏、少しばかりかじった魔法、感染症の薬、でも効果がないのです。この汚染に抗する術が無いのかも」ムビンのけいれんは収まりました。息も穏やかになります。「持ち直しました」
いや、まだだ。ラフィークは考えていました。「いつだって」「いつだって、俺は自分が正しいと思うことを考えてきた。古き友よ。俺はすべてを間違えてしまった」
ムビンの目が薄く開きます。「どうしたってんだ、古き友よ」ムビンはガラガラ声で言います。ラフィークはすばやくまばたきをします。瘤がムビンの喉にできていました。
「お前さんは良くなる。良くなるんだ」
「もちろんだとも」ムビンは言います。「すぐにダンスだってできるさ」
「無理はするな、今は休んでくれ」
「大丈夫さ」老ロウクスは笑います。紫色の斑点は顎にまで達していました。
「ムビン、すまない」「俺は何もかもを間違えてしまった」
「わしについてはそうじゃないさ、古き友よ」「あんたの徳は、ときにあんたの目をくらませてしまう。あんたが太陽の下にいる間は、それは見えてこない。あんたは一度たりとも――」ムビンは歯を食いしばり、黒い血の塊を吐きます。
ラフィークはすばやく彼の口をぬぐいました。彼の額の汗をぬぐいました。ムビンの目は閉じ、頭は下がり、そのまま意識を失いました。ムビンは二度と目覚めませんでした。
ラフィークは、大月桂樹の印章を授けられる英雄としてセレモニーの準備をしていました。ムビンの葬儀に何をしたのかすら、ぼんやりとしか思い出せませんでした。自分の人生は正しいこと、名誉のためにあった。かいがいしく出立の準備をする従者のかたわら、ぼんやりとラフィークは考え込んでいました。運命の犠牲者となるのは運が尽きたときだ。思いもよらない出来事をたどり、目に見えない運命がもたらした悲劇がムビンの死なのだと。壁を登ったり降りたりする蜘蛛をしばらく眺めていた後、彼はきびすを返し、会場へと歩いていきました。
アジャニは木の桶に柔布を押し込みました。洗剤と水が混ざり、粗い石の床は一面水浸しでした。ジャザルの寝床をごしごしと洗い、血の汚れをぬぐっていきます。くぼみは黒くなっていましたが、汚れが取れるまでアジャニは掃除をしていました。
「アジャニ? 入ってもいいかしら?」
ザリキの声に、アジャニは顔を上げることなく答えます。
「さあね。ここに入る価値があるかどうか、自分で考えたらどうだ」
ザリキは洞窟の入り口で、掃除をに励むアジャニを見ていました。
「あなたの言うとおりね。私、行くわ」
「ザリキ、待った。少し話したいこともある」
彼女は立ち止まります。が、アジャニの方は剥きませんでした。
「何」
「俺は出発する。今夜だ」
「どこへ?」ザリキは振り返ります。水に溶けた血が床の亀裂に流れ込んでいました。
「戻ってくるの?」
「言えない」
「この世界が......俺に意味があるのかどうかわからない。わからないんだ」
「そんな」
「俺は君を群れ長に指名する」
「えっ?」
「長老には会ってきた。最近の出来事が明るみになれば、今までのようには暮らせない。ジイさんたちは俺に群れを率いるよう言ってきたが、俺はその地位を君に譲りたい。頼まれてくれ」
「アジャニ、私――」
「誰かがこの群れを率いなければならない。ジャザルが目指したものを継ぐ誰かが。雲のナカティルとエルフを話合わせ、纏め上げる人物が。再び我々の間に入り込んでくる者が居ないように、結束を固める人物が必要なんだ。」
「それが、私?」
「そうだ。おかしな話に聞こえるだろうが、そうだな、正直に言おう。俺は君を殺そうとも思っていた」
ザリキは息を呑みます。
「すまない。だが俺は君に自分のしたことを理解させることに決めた。群れからはじき出されることのないように頼ってきた人だし、導いてきたもの、君を傷つけたものを君は見てきている。そんな過ちを犯す最後の一人であってほしい」
「それが罪滅ぼしだと?」
「それに近い」
ザリキは洞窟の天井を見つめます。
「ありがとう」
「お膳立てはすべてしておいた。行ってくれ」
彼女は口を開きますが、すぐに閉じます。最後に彼を見つめた後、ザリキは歩き去っていきました。
アジャニは一晩かけて床を掃除します。寝床の外へ桶を運び、岩棚の上から土に汚れた水を眼下のジャングルへと捨てました。
『Alara Unbroken』完
ひさびさに検索ワード
2009年10月14日 【マジック】 コメント (4)小説の翻訳が終わったからヒマが出来たとかそういうんじゃないからね!
すいませんいま推敲中です
・東海環状から知多半島
そう、知多半島道路に行くのは簡単なんだけど、戻ってくるとなぜか環状に戻れずに名古屋へ向かっている自分が居る
・ガラクvsリリアナ 内容
そろそろ内容出ないかなーと思ってたらアレですよ。アレ。
しかし10月に入ってからずっとこのワードで検索してきてもらってますが、何かすごいカードでも入ってるんでしょうかね?ジェイスVSチャンドラのがっかりぶり(ファクトはともかく)を見ても、何を期待していいのかわからんとです
・マスターズエディション3 内容
オラクル更新まですいませんが待っててください……最新テキストを確認したうえで発表したいので。
・ハイドラ 脳
頭ひとつひとつにあると思います。あると思います。
・俺「これが俺の力」
先日もZEN4ドラでダブルカルニを起動された後、土地9枚出ててライブラリーカットして渡して「トップは土地」つったら先生が土地引いてました。これが俺の力……いける!
・ニッサ おっぱい
そういえば、GP北九州にはニッサの生みの親、そしてDotPで泣く泣く横乳の谷間を埋めさせられたジェイミー・ジョーンズさんが来るそうです。是非行った人は「DotPは残念でしたね!」つって励ましてあげてください
そして「何かカードに書き入れてください」て言った人はそのカードの谷間が埋められるはずです。間違いない。気合いれた谷間を修整させられた恨みは深いと思う
駄文from帝都予定地は全力でCEROにブーイング中です
・WORLDWAKE カードリスト
ゼンディカー出て2週間程度なんですが、気が早すぎませんか
・ガラクとリリアナのデュエルデッキ
だん吉なおみのおまけコーナーみたいだな
・スターライト・マナバーン
単行本化の話どうなったんでしょうね?
・ニッサ おっぱい
・ニッサ おっぱい
・ニッサ おっぱい
それ俺のだから。
すいませんいま推敲中です
・東海環状から知多半島
そう、知多半島道路に行くのは簡単なんだけど、戻ってくるとなぜか環状に戻れずに名古屋へ向かっている自分が居る
・ガラクvsリリアナ 内容
そろそろ内容出ないかなーと思ってたらアレですよ。アレ。
しかし10月に入ってからずっとこのワードで検索してきてもらってますが、何かすごいカードでも入ってるんでしょうかね?ジェイスVSチャンドラのがっかりぶり(ファクトはともかく)を見ても、何を期待していいのかわからんとです
・マスターズエディション3 内容
オラクル更新まですいませんが待っててください……最新テキストを確認したうえで発表したいので。
・ハイドラ 脳
頭ひとつひとつにあると思います。あると思います。
・俺「これが俺の力」
先日もZEN4ドラでダブルカルニを起動された後、土地9枚出ててライブラリーカットして渡して「トップは土地」つったら先生が土地引いてました。これが俺の力……いける!
・ニッサ おっぱい
そういえば、GP北九州にはニッサの生みの親、そしてDotPで泣く泣く横乳の谷間を埋めさせられたジェイミー・ジョーンズさんが来るそうです。是非行った人は「DotPは残念でしたね!」つって励ましてあげてください
そして「何かカードに書き入れてください」て言った人はそのカードの谷間が埋められるはずです。間違いない。気合いれた谷間を修整させられた恨みは深いと思う
駄文from帝都予定地は全力でCEROにブーイング中です
・WORLDWAKE カードリスト
ゼンディカー出て2週間程度なんですが、気が早すぎませんか
・ガラクとリリアナのデュエルデッキ
だん吉なおみのおまけコーナーみたいだな
・スターライト・マナバーン
単行本化の話どうなったんでしょうね?
・ニッサ おっぱい
・ニッサ おっぱい
・ニッサ おっぱい
それ俺のだから。
デュエルデッキシリーズ、ガラクVSリリアナの次は、「ファイレクシアVS連合軍」
ファイレクシアの大侵攻をモチーフとしたデュエルデッキの発売のようです。
エー
つまり内容は黒単VSドメイン・・・?
えっ
まさか5色デッキ?
えっ
なにそれこわい
発売は2010年3月19日。
ファイレクシアの大侵攻をモチーフとしたデュエルデッキの発売のようです。
エー
つまり内容は黒単VSドメイン・・・?
えっ
まさか5色デッキ?
えっ
なにそれこわい
発売は2010年3月19日。
9月に発売されたのは
Artifacts Cycle II: A Magic: The Gathering Omnibus
Lynn Abbey (著), J. Robert King (著), Loren L. Coleman (著) (2009年9月1日)
Bloodlines、Time Streams、Planeswalkerの3冊をまとめた再版本。
11月発売予定。
Agents of Artifice (Paperback)
今年1月に発売されたハードカバー版の再販。おそらくカードは付いてこないでしょう
2010年1月発売予定。
Path of the Planeswalker: A Magic: The Gathering Graphic Anthology
Doug Beyer (著), Brady Dommermuth (著), Jenna Helland (著) (2009年1月6日)
#ウェブコミック「プレインズウォーカーの足跡」
10月発売予定だったのがズレにズレて1月に。ウェブで公開されているコミックが書籍化。未公開のコミックがおまけで収録予定。
2010年2月発売予定。
The Curse of the Chain Veil(A Planeswalker Novel)
John Vornholt (著) (2010年2月2日)
#プレインズウォーカー・ノベル リリアナ編「鎖のヴェールの呪い」(ハードカバー)
http://ww2.wizards.com/books/Wizards/Products/?doc=253200000
ウェブコミックで手に入れた呪いのヴェールの話が小説化?
2010年4月発売予定。
Zendikar: In the Teeth of Akoum: A Magic: The Gathering Set Novel (マスマーケット)
http://www.amazon.co.jp/gp/0786954760/
ゼンディカー・ブロックの物語はこの1冊にまとまる様子。
http://www.jfkmagic.sakura.ne.jp/Magicpromo.htm
あと例の重いページを更新。
Artifacts Cycle II: A Magic: The Gathering Omnibus
Lynn Abbey (著), J. Robert King (著), Loren L. Coleman (著) (2009年9月1日)
Bloodlines、Time Streams、Planeswalkerの3冊をまとめた再版本。
11月発売予定。
Agents of Artifice (Paperback)
今年1月に発売されたハードカバー版の再販。おそらくカードは付いてこないでしょう
2010年1月発売予定。
Path of the Planeswalker: A Magic: The Gathering Graphic Anthology
Doug Beyer (著), Brady Dommermuth (著), Jenna Helland (著) (2009年1月6日)
#ウェブコミック「プレインズウォーカーの足跡」
10月発売予定だったのがズレにズレて1月に。ウェブで公開されているコミックが書籍化。未公開のコミックがおまけで収録予定。
2010年2月発売予定。
The Curse of the Chain Veil(A Planeswalker Novel)
John Vornholt (著) (2010年2月2日)
#プレインズウォーカー・ノベル リリアナ編「鎖のヴェールの呪い」(ハードカバー)
http://ww2.wizards.com/books/Wizards/Products/?doc=253200000
ウェブコミックで手に入れた呪いのヴェールの話が小説化?
2010年4月発売予定。
Zendikar: In the Teeth of Akoum: A Magic: The Gathering Set Novel (マスマーケット)
http://www.amazon.co.jp/gp/0786954760/
ゼンディカー・ブロックの物語はこの1冊にまとまる様子。
http://www.jfkmagic.sakura.ne.jp/Magicpromo.htm
あと例の重いページを更新。
あらーらむかしばなし ぱーと3(前編)
2009年10月12日 【マジック】 コメント (7)*大渦*
5つの次元が重なり合う地点。アラーラの中心部。光と魔力が渦となり巻き起こります。
『始まったな』ボーラスはグリクシス、ケデレクトのはるか地下の棲み家でそれを感じ取ったのでした。
バントではラフィークがアーシルと裁判に立ち会っていました。
「ご足労感謝します」彼女は言います。「いくつか芳しくないニュースが入っています。数日前からあなたも地平線の嵐や地震を感じてきておいででしょう、ジェスからの報告によると沿岸に見たことも無い金属の塔が出現し、モルタル階級のものが数十人と殺されているそうです。奇怪な怪物の出現や果樹園の変異、人型のものは私たちの魔道士にもわからない魔法を使うとのこと。まるでこの世の終わりでも来たかのようです」
「執行官、お願いします」とアーシル。
「天望騎士団のイアマ、発言を許可する」執行官は一人の預言者を指します。
「予言者と聞きましたが」とアーシル。
「ええ、預言をもたらしますとも。われら天望騎士団は天使の言葉をバントの人々に伝えるのが務め。アーシャの預言についてはご存知で?」
「もちろんです」
「どう締めくくられているかは?」
「悪魔が舞い戻り、戦争で我らの世界が終わると」
「いえいえ世界の終わりなどではありません。それは我らの世界の行く末を暗示してるに過ぎません。重要なのは準備を固め、我らの土地を守るために立ち上がることです」
「一言よろしいか?」
「数多のラフィーク、発言を許可する」
「予言者どの、あんたのことは知らんが、預言のことは良く知っている。天使がわれらを導いて下さるのを待つべきで、本当にバントの危機であるのなら天使たちが動くはずだ。その導きを待つのが筋というものではないのか?」
「あなたの高名は聞き及んでおりますが、そうは思いません。天使たちは私たちの選択を手伝ってくださるのです」
「イアマどの、過激に過ぎる解釈ではないかと思いますが」
「これはアーシャ様みずから我ら騎士団に下された義務なのですぞ」
「それはあなたの言葉だ」
「いかにも。預言はこうも言います。世界は広く、バントのほかにもあると。現に金属の塔がジェス国沿岸に出現し、我々がエスパーと呼ぶ世界のものどもを目にしているのです。エスパーが最初で最後ではありません。世界がバントと我々を破壊しようとしてきているのです」
「バントは他の世界から侵略を受けています」アーシルは言いました。「バントは今よりエスパーとの戦争に移ります」「私たちには将軍が必要です。幸いにも私たちをまとめあげ、私たちに勝利をもたらしてくれるであろう人物が一人居ります」
衆人がラフィークに注目します。
彼は大きなため息をつきました。
かくしてエスパーとの戦闘が始まります。総大将のラフィークは従者ムビンに愚痴を言い、いち騎士長として参加しているエルズペスは彼女が慕うマーディスを援護しながらエスパー軍を撃破していきます。
*グリクシス*
『報告を』
「断片同士が戦争状態に入り、オベリスクはマナに接続をしました。手はずどおり」「ただバントのオベリスクは、城を破壊したにもかかわらず健在であり、バントのマナへ接続ができていません。私がバントへ出向きましょうか?」
『それには及ばん。貴様にはジャングルへ行って貰おう』
「ナヤですか? しかし次元が繋がってしまった今、プレインズウォークですぐさま移動するというわけには」
『その必要は無い。死滅都市の迷路を行って貰う。驚くぞ』
ボーラスはサルカンの働きに免じ、ドラゴンのひと群れを与えます。
『美しかろう?貴様のために準備しておいた。貴様のものだ、サルカン。ドラゴンの支配と召喚を教えるなど』『おかしなものだ。セラが信徒に天使を縛る術を教えたと思うか?』
「は?」
『怪しいものだ。まあよい。原則は同じだ。全ては精神が鍵となる。ドラゴンの心はすべて火で覆われておる。それを説得しようなどしたら、何者も従わせることはできん。単に燃やされるだけだ。その火を消してやりさえすれば残るは空の器だ。あとは望むものを満たしてやりさえすればよい。我への、そして貴様への献身がそこにある』
「カーサス」
『それがどうかしたか?』
「ジャンドで以前会ったことのあるドラゴンです。強力なヘルカイトです」
『今日からは貴様のヘルカイトだ』
「ありがとうございます。我が主」
『ナヤの破壊を楽しむがいい。大渦でまた会おう』
*バント*
エスパー戦において、突如同士討ちが起こります。ムビンがエルズペスに襲い掛かったところをラフィークが彼を打ち倒します。
「いったい何が」
「あんたはバントの騎士に攻撃されたんですよ。厄介なことに」
「裏切り・・・いえ、魔法?」
「そうでしょうな」「エスパーの魔道士から魔力が発せられ、私の友人のムビンがあなたに襲い掛かりました。本当にすまない」
「すぐに彼のもとへ」
「いけません。安静にしていてください」と癒し手。
「でもこうしている間に他の人が」
「ええ、あんたはまだ生きている。運が良かった」
「こんなベッドの中では役立たずです・・・わた、いえ、この世界が私を必要としているのに」
「よくなるまでの我慢さ」
「いいえ、理解できないかもしれませんが、バントは……理解できない力で攻撃されているのです。このままでは、私がいなくては勝てない」
「いまは休んでいなさい、若き騎士」「いまは前線を立て直している。外の敵と戦う前に内なる敵と戦ってきた我らですよ」
「内なる敵?」
「ああ、ハジードとかいうケチな商人ですよ。黄金塔から逃げ出してきた。ヴァレロンの法廷にいます」
救護所のムビンは。
「はっきり言ってくれ、癒し手さんよ。わたしはまた歩けるようになるかい?」
「気がついたのですか」
「わたしの足だよ。どうなんだい」
「時間が必要です」
「ひどいように見えるよ」
「申し訳ありません……サー・ムビン……私たちの癒しの力ではこの手の傷は無理なのです。傷が深く、粉々になっていては」
「何人死んだ?」ムビンは尋ねました。
「戦闘でですか?」
「そうじゃない……何人……私の手で……?」
「あなたのせいじゃありません、敵の魔法で……」
「お願いだ、教えてくれ。何人殺した?」
癒し手は目を合わせようとしませんでした。
「多いんだな?」
「たぶん……」
「何だ」
「たぶん、貴方の脚は治りますよ、祈りを捧げるものには、天使様がきっと奇跡を」
「もういい、出て行け」
「サー……」
「出て行け、奇跡にしか頼れないほどなんだろう、わかった、もういい、重傷の殺人者のところで十分懺悔は果たしたろう、目が覚めたとラフィーク卿に伝えに……いや、行かなくていい、ラフィーク卿には言わないでくれ」
「サー……」
「もういい、行ってくれ」
「待った」
「何か?」
「祈りのための本を……持ってきてくれないか」
*グリクシス*
「お呼びでしょうか、主よ」デーモン・ドラゴンのマルフェゴールが姿を現します。
『大渦だ』『成長が遅い』
「どの世界の国境でも戦争は起きております。間も無く大渦も時が満ちるでしょう」
『時間など無い』『貴様などに理解できまい、ひとつ息をする間も惜しい。レオニンや人間どもの失敗で何もかも遅くなっておる』
「仰せのままに」
『バントへ行け。行ってオベリスクを起動せよ』
「私自らがですか?手先の仕事では?」
『あやつは捕まったと天望騎士団から報告があった。もはや役に立たぬ』
「天使や聖騎士であふれかえるバントまで行けと」
『それがどうした』
「しかし単騎で、しかも道のりが長くては」
『今すぐ行かぬなら八つ裂きにしてケデレクトのリバイアサンの餌にしてやろう、不死王セドリスか呪術師カラデサにグリクシスを任せるほうが良いか』
「出立します」
『急げよ。道行きのエスパーは好きなように破壊してかまわぬ』
ラフィークは友人ムビンを見舞いますがすげなく追い返されます。彼はエスパーへ斥候を出し、情報収集を始めます。
*ジャンド*
その頃、霊体をジャンドに飛ばしたアジャニは、かろうじて生き残っていたクレシュと部族の生き残りと接触します。
「強大なドラゴンを探しているんだ。ボーラスという」
「ボウロズ?ボーロス?聞いたことはある」
「どこにいる?」
「知らん、が知ってそうな奴に心当たりはあるな」
ラッカへの復讐ができる、とクレシュは笑います。
ラフィークはエイヴンの斥候をエスパーへ飛ばしてエスパーの情勢と、伝説のアーシャの剣のありかを探させます。
ラッカはサルカンを送った後、ジャンドに戻って戦士の部族をドラゴン狩りへと駆り立てる仕事に戻っていました。
ナヤにたどりついたサルカンは、ドラゴンを次々と召喚し、準備を整えます。
エルズペスはハジードと面会し、質問をはじめます。ロウクスの修道士ホリンが同席しますが、エルズペスが退席させます。
「お戻りなさい、ハジードさん。私は貴方に少し奇妙な質問をしたいのです。ここでは正直に答えて欲しいのです。貴方の答えは貴方自身の状況だけではなく、バント全体にとって重要かもしれないのです」
ハジードは相貌を崩してへらへら笑いながら「なぜ? いったいどういうことです?」
「最近、貴方は誰かと接触を持ちましたか?……その……おかしな人物と? 貴方が余所者だと考えるような誰かと?」
ハジードは鼻で笑い、「どの土地も私にとっては他所の地じゃありませんよ。私はバント全土を旅しているのですから」
エルズペスは瞬きをして「貴方は聞いたのではない。そうですね?」
「聞いた?何をです?彼らは何もおかしなことなど語っていませんよ」
「そう、仰るとおり貴方は旅をするもの。だから知ることが出来る位置に居る。誰が、貴方にそれを伝えたのです?破滅をもたらす呪文の計画を。誰が貴方のもとへもたらしたのですか?」
「わ、私は――」ハジードは演技を止めた。彼の目はせわしなく動き、部屋のあちこちを見た。ただ、エルズペスだけは見ようとしなかった。
「誰なのです?」
「い、言うことはできません」「嘘だと思うに決まっています」
「言ってみてください。他の人たちは理解できなかった。それが私がホリンを退けた理由です。私はあなたを信じます。」
「言えません。彼……彼は、誰かに言ったら殺す、と」
「私が護ります」
ハジードはくつくつ笑います。「彼からは無理だ」
「ハジード」「あなたは昨今の地響きや嵐が何であるか知っているのですか?」
「私は何も知りません」彼の目は定まらなかった。「でも、予想はつきます」
「どう予想したのです?」
「彼の仕業です。彼はここに来て、私に力を約束してくれました――でも彼は、私を騙して私に城を破壊させたんです。私はもうおしまいだ。彼は結果から私だけは救い出しにやってくると言いました。でも今になってわかる。彼は私を救いはしない。彼は私を利用したんだ」
「誰なの?」
「ドラゴンですよ」
*ナヤ*
「アニマ」従者のひとりが声をかけます。「一言よろしいですか?」
「もちろんです、サーシャ」
「こんなことは間違っています」「ガルガンチュアンはナヤの神です。それを戦争に使うなんて冒涜です」
「われらはガルガンチュアンとともに戦うのです。冒涜ではありません。それにこれは大祖始のお言葉です。予言の時がきたのです」
「でももし私たちが間違っていたら――」
「私の幻視です。それが冒涜だと?」
「いいえ、申し訳ありませんでした、アニマ」
彼女たちは空に影を見つけます。
「あれは?鳥の群れでしょうか」とサーシャ。
「いいえ、もっと、もっと大きなものです」とメイエル。
「突撃ラッパを、アニマ」
サーシャは長いラッパを差し出しますが、メイエルは盲いた目を神のごとき巨大な、翼の生えたトカゲに向けたままです。
サーシャはメイエルの肩をつかんで揺らします。「アニマ、突撃ラッパを吹いてください!」
それでも動かず彼女は空に目を向けたまま呆然としています。サーシャはラッパをとり、出来うる限りの息をラッパに吹き込みます。
サルカン率いるドラゴン軍団とガルガンチュアンの戦闘がはじまります。カーサスはガルガンチュアンの巨体を持ち上げ、投げ落としてビーストの群れを蹴散らします。
「ついて来い、かわいこちゃん。エルフの奴らに挨拶に行こうぜ」
アジャニはクレシュとともにラッカを探し始めます。行く手をさえぎる闇の魔物との戦闘で友情が芽生えたりもします。そしてラッカを追い詰めることに成功します。アジャニはボーラスのもとへの案内を頼みますが、ラッカは条件としてクレシュと一族をその手で殺せと要求します。
ラフィークはエイヴンの斥候からの情報で、グリクシスでとある家族を助けます。そこでアーシャが滅ぼしたはずの悪魔、マルフェゴールのことを知ります。
一瞬迷うアジャニにラッカがクレシュらに魔法を放ちます。
「あんたの判断なぞあてにしちゃいないよぉ。やりたいことをやるだけさぁ」
「死にたいのか」
「死ぬことなんざ恐かないねぇ」
「条件は飲めない。逃げたいなら逃げろ」
「殺したいならやればいいさ。トル族が死に絶えるまであたしゃ止めないからねぇ」
アジャニはラッカに駆け寄り、頬を切り裂き頭を斬りとばします。
ナヤではマリーシがナカティルを集め、戦争の準備を始めます。その中にはザリキの姿もありました。
バントでは、祈りの書から偶然ヒントをみつけたムビンが、アーシルのもとを訪れます。ヴァレロンの12の木の根元を掘って欲しい、と。当然アーシルは聖地を掘ることに難色を示します。天望騎士団のアドバイザーによりムビンは追い出されてしまいます。
マリーシの言動に不信を抱いたザリキはマリーシを問い詰めます。ジャザルが死ぬ直前まで調べていたオベリスクの秘密、それを知るものを消そうとマリーシはザリキに襲い掛かります。
圧倒されるザリキでしたがガルガンチュアンを呼び、マリーシを倒します。しかしマリーシが嘘をついていたという説得に耳を貸さないナカティルたちに追い詰められた彼女は、突如クァーサルの塔が粉々になり、魔力が解放されているのを目にします。
*バント*
ムビンは重傷の体を鞭打ち、独断で宮廷に忍び込み、そしてアーシャの剣の破片を掘り当てます。
「ムビン!」
「みつけましたよ、ひとつ」「アーシャの剣の欠片です」
「何事です?」天望騎士団のアドバイザーが駆けつけます。アーシルは青筋をたてつつ怒鳴りつけます。「人手を集めて、ロープと、駿猫を1ダース、鍛冶師も呼ぶのです」
「彼が何をしたのです? 一体何をするおつもりで――」
「一刻も、早く、ムビン殿に、必要な、ものを、取ってきなさい!」「早く!」
クレシュとアジャニはグリクシス内を歩き続けます。
「猫男よ、お前は止まる事がないな」
「止まるわけにはいかない。暗黒の殺し屋たちはまだ近くに居る」
「しかし当ても無く歩き回れば迷子か死にながら歩く羽目になる」
「戻りたければ戻ってくれていい」
「そういう意味で言ったのではなくてだな――」
「シッ」
「話をさえぎるな」
「静かに、何か聞こえる」
「この音は――」
「ドラゴンの羽音」
*バント*
守衛の詰め所で望遠鏡を覗いていた兵士が声を上げます。
「サー、エイヴンの姿です。味方のようです」
「それが歩いている、と?」と守衛長。
「はい」「ひどい有様です」
「罠かもしれん、だが罠なら見つけろ、急げ」
「了解しました!」
エイヴンは門にたどり着くとくずおれます。
「罠はありません」「キーダです。騎士長ラフィークの命を受けていました」
クレリックが駆けつけ癒しを行いますが息を引き取ります。
「残念だ」「羽根を見ろ、彼に何があったのだ」
「何があったというのでしょうか」
「巻物を持っています」
「内容は」
「悪魔は、黄金塔に、4日、これだけです」
「すぐに守衛長に報告を」
*グリクシス*
彼らが見たのはドラゴンの群れでした。
「カーサス」
「我らの世界のドラゴンじゃねえか、どうしてこんなところに」
「誰か乗ってますぜ」
「サルカンだ」
「あれは俺が探しているドラゴンじゃない」とアジャニ。
「だが俺たちが探している奴だ」とクレシュ。
ドラゴンたちは頭上を飛んでいきます。そこに響いてきたのはエルフの突撃ラッパ。
はるかに見えるエルフの旗。それを見てアジャニは隠れ場所から走り出ます。
「猫男!どぉこへいくつもりだ!」
「知り合いだ!」「エルフ、人間、ガルガンチュアン、ナカティル」「ナヤの軍だ!」
「どこへ進撃しようってんだ?」
この次元の中心部。アジャニはそう考えました。
大渦の前。それを見つめるマルフェゴールに、ボーラスが告げます。この世界はじきに崩壊する。お前の支配するものなど何も無い、と。呪いの言葉を吐きつつ、彼は怒りの矛先をバントに向けます。
*バント*
黄金塔の廃墟に着いたラフィークの軍勢は、廃墟の跡に光り輝く白いオベリスクがあるのを目にします。
天使アーシャと悪魔マルフェゴールの戦いの再現かと思いをめぐらすラフィークに話しかける声。
「将軍! 騎士長エルズペスです」
「加減はどうかな、騎士長」
「大丈夫です、サー。後方に居られることを進言します。消耗されたら、私たちの元へおいでください。糧食と癒し手、休める場所を用意してあります」
「そんなヒマがあればいいがな」「エルズペス、”悪魔”というものを卿は知っているかね」
顔色が変わるのを見て、彼は肯定と受け取ります。
マルフェゴールの角が丘の向こうに見え始めます。
「術者は準備を」「目明き階級の準備は?」とラフィーク。
「クレリック、モンクの部隊は準備完了です」とエルズペス。「号令を待っております」
「よろしい。始めてくれ」
「了解しました」エルズペスは指令所のテントに駆け込みます。
「卿」別の騎士に言います。「射手に伝えてくれ。敵が射程に入ったらすぐに撃てと。騎兵はそれまで待機」騎士はうなずいて指令所に駆けます。
「それと君」と従者に言います。「俺の鎧、ちゃんと直ってるだろうな?」
「ご希望通りに黒鋼をあてがいました、将軍」
「ようし」「着せてくれ。あと、剣も用意してくれ」
前哨戦が始まります。アンデッドの軍勢に矢が降り注ぎ、カターリはエイヴン軍と戦闘し、地上ではレオトーに騎乗した騎士がゾンビとスケルトンの軍勢を切り崩します。
「肉ねじり共、騎士を迎え撃て」マルフェゴールは屍術師に命令します。「《屑肉を引き裂くもの/Dreg Reaver(ALA)》第一隊を向かわせよ」
屍術師が呪文を放ち、騎士が駆け、異様のオーガが斧を振るい、下級天使がカターリを打ち倒します。激戦のなか、アーシャへの祈りは高まります。予言のときは今であるのに、天使はいまだ姿を見せてはくれません。
*大渦*
「何だコレは」目を覆いながらクレシュは言います。
「マナだ」この渦こそが鍵であるとアジャニは理解しました。
「きれい」メイエルがやってきます。
「アニマ。 あなたまで戦争に加わっているとは」
「ご挨拶ですね、白き猫よ」「ナヤのため、世界のためなら、我らは馳せ参じましょう」
「助けはありがたい」「が、ここを離れて欲しい。この嵐は不安定だ。あなたの民も危険だ」
「アジャニ」
「ザリキ、こんなところで何を?」
「私も聞きたいことがあるの」「クァーサルのオベリスクからマナが放たれ、それに導かれてここまで来たわ」「そして軍もついてきてくれた。彼らは答えを欲しているの。彼らこそ雲のナカティルなのよ、アジャニ」
「俺にもわからない」アジャニはきっぱり言います。「君も、皆もここを離れるんだ」
「アジャニ」「あなたに言っておかなければならないことがあるの」
「今はここを離れるのが先だ。ドラゴンがじきにやって来――」
「私がジャザルを殺したの」
アジャニの口は半開きで止まります。
「ごめんなさい。殺されても、二度と顔も見たくないと思われても、あなたは知っておくべきだと。私はマリーシから任務を与えられたの」
「マリーシだと?奴は生きているのか?」
「1年以上も前に知り合ったわ。チママトルが彼に連絡を取ったの。あのひとの計画が、脅威だと感じたから」
「ジャザル」
「あのひとは答えを探していた。 なぜナカティルの部族は分かたれたのか? なぜ自らの死が必要な予言が人間に伝わっているのか? コイルを破りしマリーシの祝祭の意味とは? その行為はチママトルの目論見と、そしてより強大な力の計画に干渉してきたのよ」(訳注:その過程でクァーサルのオベリスクがマナの伝導に使われていること、5つの次元のことまで突き止めれば、大渦にマナを集める計画までたどり着くことができるからでしょう)
「だから殺した」
「私がやったの。焚き火に魔法を仕掛けたのも、居住地に怪物を解き放ったのも私」
「ザリキ、なぜなんだ」
「ごめんなさい。 彼らはそうすれば皆が恐怖におびえ、共通の敵と戦うために団結するだろうと。マリーシへの反発を抑えるにも役立つとそれらしいことを吹き込まれたの。まさか……暗殺するなんて」
”アジャニよ”
「兄貴」
”ここが終点にはない。彼女が誰か忘れるな”
「彼女はあなたを殺したんだぞ」
”指示に盲目に従っていただけだ。 彼女は俺を恐れていたということだ。何が起こるかなんてわからなかった。彼女はずっと友達だったろう。生きているたった一人の友だ”
アジャニは怒りが湧き上がってきました。ザリキは目を伏せ、涙を落としています。
”そうすることが正しいと言うのなら、そうしろ。彼女を殺して俺の仇を討てばいい。お前の旅は終わりだ。それでお前に何が待っているというのだ?”
アジャニは歯をかみ締めました。
”お前の選択だ。弟よ”それきりジャザルの声はしなくなりました。
「間違ってるってわかってたわ」「呪文がジャザルを狙うことも、彼を傷つけることもわかってたわ」
「ザリキ――俺は、知りたい。マリーシは今何処にいる?」
「彼は死んだわ。私が殺した」
そういうものか。アジャニが復讐を果たす機会は永遠に失われたのだと気づきました。
「アジャニ。ごめんなさい。私は死んだほうがいいのよ。私が死ねばジャザルも浮かばれるわ」
彼女は泣きつきます。哀れみ、嫌悪、悲しみがアジャニの中でひとつに混ざり、彼はザリキを一度抱きしめ、力いっぱい殴ります。
ザリキを殺しても、彼女が働いた罪はより深くなるだけであり、彼女が直接手を下したわけではなかったことは、アジャニもわかっていました。そして、アジャニの追跡は別の方向へと向けられていました。すべての元凶。出来事の鎖をさかのぼった先に居る者を罰するまで、彼は立ち止まらないでしょう。
*バント*
騎士長エルズペスは黄金塔の廃墟の戦場を見ていました。彼女の心は重く沈み、守るべき白のオベリスクよりも、心を占めているのは彼女が愛した人々、名誉、平和でした。
彼女は天空で悪魔と戦う天使たちを見上げました。あの天使は、こんな恐怖を感じたことがあるのかしら?
戦場の後方にはデーモン・ドラゴンの姿があります。グリクシスの将軍、マルフェゴール。そのコウモリのような羽根が広がり、太陽を覆い隠すのを目にしました。それが腕を高く掲げたのを、彼女は見ました。
マルフェゴールの腕の間に黒いマナの塊が生まれ、眼下のバントの兵士たちとアンデッドどもはその魔法で苦しみもがきます。
「全軍進め!」エルズペスは指示を出します。「魔道士、あの悪魔を討て!全軍、悪魔へ突撃!全歩兵!悪魔を滅せよ!」
ヴァレロン兵たちは突撃を開始し、エルズペスもそれに続こうとします。そのとき、彼女は後方からの声を耳にします。
「エルズペス!」祝福階級のアーシルが、全速力でレオトーを走らせていました。その手には、光り輝く一振りの剣がありました。「エルズペス、これがアーシャの剣です。ラフィークに渡してください!」
マルフェゴールの呪文は思惑通りに働き、面前のオベリスクの強力な防御魔法を崩すための力を蓄えつつありました。戦場からエナジーを吸い上げ、彼の呪文をさらに強めていました。もはや勝利する必要もありませんでしたが、すべてを破壊し、その後は好きにするつもりでした。
騎士団が彼まで肉薄するのを見てマルフェゴールは手の中にある魔法の印を握りつぶし、蓄えた力を解放しました。大半が死の衝撃波により即死し、その生命エネルギーはさらにマルフェゴールの呪文の力となります。
ラフィークは死の魔法の波を受け、地面に転がり落ちます。彼の肉体と魂は同時に締め上げられ、死そのものが彼にまとわりつきます。しかし突如その痛みが消え、彼は周りを見渡します。周辺は彼以外生きているものはなく、見上げるとマルフェゴールは黒い魔法の触手をオベリスクに伸ばしていました。その触手はオベリスクを守る魔法をかき消し、オベリスクに激突します。
オベリスクはまばゆく光り、その後魔力がいずこかへ向かって流れ出します。悪魔はそれを見届け、流れの方向へ向きを変えます。
「待て」ラフィークは叫びます。こんなはずはない。栄光の勝利はどこだ?天使アーシャが現れてあのケダモノを両断するはずではなかったのか?
「ラフィーク!」エルズペスが全速力で走りこんできて、彼に一振りの剣を放り投げます。彼はそれを受け取ります。
鞘の上からでもわかるくらいそれは熱を帯びていて、彼が剣を抜き放つと、刀身はまばゆく輝き、直前まで鍛冶師が熱していたかのようでした。彼は立ち上がり、背を向けている巨大な悪魔へ走りこみます。エルズペスはありったけの防御魔法をかけ続けます。ラフィークは走るほどに空へと駆け上がっていることに気づきました。俺がアーシャの再来だ、彼は聖なる力を感じ取っていました。
マルフェゴールは振り向き、向かってくる騎士に向かって巨大な爪を振るいますが、ラフィークは傷ひとつ負いません。ラフィークは一度、二度、剣を振るい、悪魔の胸にXの字の深い傷を刻み、そして傷に沿ってその体が崩れ落ちていきます。忌まわしきもの最期でした。
アジャニの復讐についての思考は上空からの炎により中断させられます。
「ごきげんいかがだ、黄金のたてがみのアジャニ!」カーサスの背からサルカンが叫びます。
その後ろにはドラゴンたちが続き、吐き出す炎でエルフやナカティルたちを混乱に陥れます。
「撃ち滅ぼしなさい!」メイエルが叫びます。
エルフらはトゲの風を呼び起こし、ザリキは亜人間の仲間に力を与え、クレシュの戦士たちもドラゴンたちに槍を向け、戦呪術を唱えます。魔法の奔流をアジャニは感じ取り、マナの流れを大渦が利用していることを感じ取りました。これでは大渦の成長を助けてしまう。彼はそう考えました。そのとき、大渦に流れ込む大きな4本のマナの流れのほかに、新たにもう1本のマナの流れが加わります。何か決定的な一手をうつ必要がありました。
”お前がやるのだ、弟よ”ジャザルの声が響きます。
「止めなければ」とアジャニ。
「俺たちが大渦を引き起こしていたのだ。俺たちは生餌なんだ」
”そうだ。餌となることを止めるのだ”
「俺は皆が餌になることを止めなければ」
”そうだ。すべてを止めるのだ”
アジャニの目はマナの流れを見い出します。自然の魔法、火と怒りの魔法、癒しと守護の魔法、それ以外のもの――人間型の生き物、ドラゴンたちから伸びる固有のマナの流れすら認知します。世界全体に広がるマナの流れがまとまり、大渦に流れ込んでいるのです。
これを止めなければ。アジャニは自らのマナの源だけでなく、ナヤからだけでなくジャンドからも、サルカンのマナの源からも魔力を引き出します。咆哮とともに魔力の奔流は世界中を震わせ、次の瞬間、魔道士もドラゴンたちも、動きを止め、当惑してきょろきょろするばかりでした。衝撃から立ち直った者たちは再び戦おうとしますが、マナの接続は断ち切られ、ドラゴンの炎も尽きていました。
ドラゴンたちは怒りの声とともに空高く舞い上がり、サルカンはカーサスの横背を蹴りますが言うことを聞かず、ドラゴンたちはジャンド方面へと消えていきました。
歓声がエルフとナカティルたちからあがります。
「アジャニ、やったわ!」とザリキ。「どうやったのかはわからないけど、魔法を止めたのね」
アジャニは消耗しきった様子でうなずきます。
『だが礼など言わぬぞ』
古竜のプレインズウォーカー、ニコル・ボーラスが、空より姿を現していました。
『小さきウォーカーよ』
アジャニは眼前のナカティルやエルフ、人間たちがドラゴンに対して攻めかかろうとしているのを感じ取ります。
マナのつながりが無い今、彼らでは敵うわけがありません。ボーラスはアジャニの前に降り、左右を見回します。一瞬でエルフ、人間、ナカティルたちは殺されてしまうことでしょう。
「みな、退がれ!」アジャニは叫びます。「早く!」
それ以上の指示は必要なく、全員が退却を始めます。
「アジャニ、やめて」とザリキ。「かないっこないわ」
「なんとかする」とアジャニ。「行くんだ。ザリキ。さあ!」
ボーラスはそれを見送るのみで、笑いながらアジャニを見下ろし、爪を組み合わせます。
『しばしのよい見世物だったよ、小さきウォーカー』とボーラス。『定命の者どもを過信するのも止める必要があろうな』
「見ていただけだろう」アジャニは言い放ちます。「隠れていただけだ」
『隠れていた?ありえんな。我はお前の人生から少し離れていただけだ、小さき猫。すぐ近くにいたのだ。我のドアは大きく開いていたというのに。
我はお前の間違いを責めることはしない。お前はやっと一歩を踏み出すことを覚えたばかりだからな。それほど、お前より我は遠くにあり、筆舌に尽くしがたく、非現実的だということだ。お前は経験は我と比べるべくもないであろう。お前は我の遠大なる思考を理解するだけの言及の枠も、理論的な網も持ち合わせておらぬ。理解などできぬのだ。理解する能力が欠如しておるのだ。
我はお前が想像できぬ距離を見てきておる。お前はできるのか?お前の想像力はひとつの世界の境界線の内に閉じこもっている程度だ。そんなものが意味を持つというのか?否!お前の兄の死は?偶然の一致は? 我と釣り合うわけがなかろう。ちっぽけなナヤは、すべての真実の入れ物とするにはあまりに浅すぎるのだ』
「俺はここにいる。それが答えだ」
『それで、どうするのだ?復讐を果たすのか?我を殺すとでも?兄の形見の斧で我が死ぬまで内臓を引き裂きつづけるのか?そしてお前は愛する世界を守った英雄としてご帰還か?残念ながらそうはならん。誰もお前が死んでも悲しまぬ。千人も居る陳腐な人物の一人に過ぎん』
ボーラスは爪をはじき、隕石のような力でアジャニを吹き飛ばします。彼は背後の大渦のくぼみまで転がり落ちます。
『貴様の何百倍も生きておるのだ』『貴様の肝が冷える程度の大異変をいくつも生き抜いてきた。貴様が見たことも無い宇宙をいくつも見てきた。そんなマッチ棒程度の貴様が我に立ちはだかるというのか?我を打ち倒すというのか?言っておこう、ニコル・ボーラスが倒れるときは、貴様によってではない』
アジャニは這いずって戻り、片手で体重を支えながら言います。口からは血を流しながら。「老いた者よ、癇癪はまるで子供だな」
ボーラスは鼻を鳴らし、腕を振ります。アジャニの体は宙を飛び、くぼみの反対側の壁に叩きつけられます。彼は血とともに咳き込み、歯が2本折れているのを確かめます。
『そんな横着をするのは数百年早い。悪が英雄を倒したことは数多くある。貴様よりも立派なものたちがな。遊びは終わりだ。貴様には万に一つもありえぬ。ゴミのように潰されろ』
「お前の計画に意味はない」
『命乞いの時間稼ぎの方法でも思いついたか? 時間を引き延ばして絶体絶命から抜け出す方法でも探るか?』
「もし俺がそんなに矮小なら、どうしてすぐに殺さない?どうして下僕に呪文を運んでこさせない?どうして白い猫の予言などがある?俺がなんでもない人物なら、どうして問題に行き当たる?俺がどうでもいいなら、どうしてお前の脅威となりえる? なぜナヤにプレインズウォークして俺を子供の頃に殺さない?」
『もっともだ』ボーラスは答えます。『我はどうも盛り上げようとしすぎる。対等なものも居らず、自分で自分を楽しませることを好むものを、貴様は考えられるか?わがままに過ぎる、認めよう。我は自ら奏でる交響曲を眺めるのが好きなのだ』
「違う」「それが理由ではない。それはお前が手下を使った理由でもなければ、自分で汚れ仕事をしなかった理由でもない。おそらく、自らの不死性を失ったことがわかったからだ。お前は強い。しかし弱点があると理解してしまった。俺にはそう見える。古き竜であるお前ですら、恐いものがある」
ボーラスの頬の突起が広がり、胸は怒りで満たされました。彼の後ろの大渦からの光は彼の顔に影を作ります。翼を広げ、爪をアジャニに伸ばしますが、思いとどまります。
『おっと』『もう少しで貴様は我がここで成すことを忘れさせるところであったな』ボーラスは向き直り、大渦の中心へ歩み入ります。
アジャニは目を隠します。大渦は光の球となり爆発します。ドラゴンのプレインズウォーカーを力の波で包み、衝撃波はアジャニを壁へと押し付けます。絶え間ない電気ショックを受けているようでした。音がなかったのか、それとも耳が聞こえなくなるほどの轟音かわかりませんでした。
考えがまとまらず、アジャニはひとつの言葉を繰り返していました。奴はやった。奴はやった。
魔力の爆発はハリケーン程度まで弱まり、アジャニは轟くような絶え間ない咆哮を感じ取ります。薄目を開けると、光の中でドラゴンの影が胎児のように丸まっているのを見つけます。光の中でドラゴンは身じろぎし、羽根を広げ、手足を伸ばし、頭を宙にもたげて大きく口を開けていました。ボーラスに違いないはずですが、アジャニにはそれまでよりも大きく見えたのでした。彼は万能となり、唯一無二となります。
ボーラスは叫び、その声は空を引き裂きすべてに反響します。アジャニは痛みすら感じます。ついに、俺の最期のときがきた。いやもっと悪い。この世界のすべての命の最後が来たのだ。すべてを灰と化し、なにもかも破壊するだろう。
ボーラスは力をみなぎらせ、ゆっくりと上昇します。ボーラスが核から離れるに応じて、エネルギーも衰えだし、暴風も収まりだします。光の輝きはボーラスにまとわりつき、その体に吸い込まれていきます。後に残ったのは窪地の上で渦巻く、アジャニの背ほどの光り輝く小さな太陽の球体でした。ボーラスが大部分を持っていったのでしょう。ドラゴンはアジャニを見下ろします。殺したいのか、それとも慈悲を与えたいのか、表情はうかがい知ることはできません。そんな簡単な思考が作用しないほどの膨大な知性や感情を持っているのでしょうか?ボーラスは口を開きます。その声はどこにいても聞こえました。
『恐れるものなど、無い』
5つの次元が重なり合う地点。アラーラの中心部。光と魔力が渦となり巻き起こります。
『始まったな』ボーラスはグリクシス、ケデレクトのはるか地下の棲み家でそれを感じ取ったのでした。
バントではラフィークがアーシルと裁判に立ち会っていました。
「ご足労感謝します」彼女は言います。「いくつか芳しくないニュースが入っています。数日前からあなたも地平線の嵐や地震を感じてきておいででしょう、ジェスからの報告によると沿岸に見たことも無い金属の塔が出現し、モルタル階級のものが数十人と殺されているそうです。奇怪な怪物の出現や果樹園の変異、人型のものは私たちの魔道士にもわからない魔法を使うとのこと。まるでこの世の終わりでも来たかのようです」
「執行官、お願いします」とアーシル。
「天望騎士団のイアマ、発言を許可する」執行官は一人の預言者を指します。
「予言者と聞きましたが」とアーシル。
「ええ、預言をもたらしますとも。われら天望騎士団は天使の言葉をバントの人々に伝えるのが務め。アーシャの預言についてはご存知で?」
「もちろんです」
「どう締めくくられているかは?」
「悪魔が舞い戻り、戦争で我らの世界が終わると」
「いえいえ世界の終わりなどではありません。それは我らの世界の行く末を暗示してるに過ぎません。重要なのは準備を固め、我らの土地を守るために立ち上がることです」
「一言よろしいか?」
「数多のラフィーク、発言を許可する」
「予言者どの、あんたのことは知らんが、預言のことは良く知っている。天使がわれらを導いて下さるのを待つべきで、本当にバントの危機であるのなら天使たちが動くはずだ。その導きを待つのが筋というものではないのか?」
「あなたの高名は聞き及んでおりますが、そうは思いません。天使たちは私たちの選択を手伝ってくださるのです」
「イアマどの、過激に過ぎる解釈ではないかと思いますが」
「これはアーシャ様みずから我ら騎士団に下された義務なのですぞ」
「それはあなたの言葉だ」
「いかにも。預言はこうも言います。世界は広く、バントのほかにもあると。現に金属の塔がジェス国沿岸に出現し、我々がエスパーと呼ぶ世界のものどもを目にしているのです。エスパーが最初で最後ではありません。世界がバントと我々を破壊しようとしてきているのです」
「バントは他の世界から侵略を受けています」アーシルは言いました。「バントは今よりエスパーとの戦争に移ります」「私たちには将軍が必要です。幸いにも私たちをまとめあげ、私たちに勝利をもたらしてくれるであろう人物が一人居ります」
衆人がラフィークに注目します。
彼は大きなため息をつきました。
かくしてエスパーとの戦闘が始まります。総大将のラフィークは従者ムビンに愚痴を言い、いち騎士長として参加しているエルズペスは彼女が慕うマーディスを援護しながらエスパー軍を撃破していきます。
*グリクシス*
『報告を』
「断片同士が戦争状態に入り、オベリスクはマナに接続をしました。手はずどおり」「ただバントのオベリスクは、城を破壊したにもかかわらず健在であり、バントのマナへ接続ができていません。私がバントへ出向きましょうか?」
『それには及ばん。貴様にはジャングルへ行って貰おう』
「ナヤですか? しかし次元が繋がってしまった今、プレインズウォークですぐさま移動するというわけには」
『その必要は無い。死滅都市の迷路を行って貰う。驚くぞ』
ボーラスはサルカンの働きに免じ、ドラゴンのひと群れを与えます。
『美しかろう?貴様のために準備しておいた。貴様のものだ、サルカン。ドラゴンの支配と召喚を教えるなど』『おかしなものだ。セラが信徒に天使を縛る術を教えたと思うか?』
「は?」
『怪しいものだ。まあよい。原則は同じだ。全ては精神が鍵となる。ドラゴンの心はすべて火で覆われておる。それを説得しようなどしたら、何者も従わせることはできん。単に燃やされるだけだ。その火を消してやりさえすれば残るは空の器だ。あとは望むものを満たしてやりさえすればよい。我への、そして貴様への献身がそこにある』
「カーサス」
『それがどうかしたか?』
「ジャンドで以前会ったことのあるドラゴンです。強力なヘルカイトです」
『今日からは貴様のヘルカイトだ』
「ありがとうございます。我が主」
『ナヤの破壊を楽しむがいい。大渦でまた会おう』
*バント*
エスパー戦において、突如同士討ちが起こります。ムビンがエルズペスに襲い掛かったところをラフィークが彼を打ち倒します。
「いったい何が」
「あんたはバントの騎士に攻撃されたんですよ。厄介なことに」
「裏切り・・・いえ、魔法?」
「そうでしょうな」「エスパーの魔道士から魔力が発せられ、私の友人のムビンがあなたに襲い掛かりました。本当にすまない」
「すぐに彼のもとへ」
「いけません。安静にしていてください」と癒し手。
「でもこうしている間に他の人が」
「ええ、あんたはまだ生きている。運が良かった」
「こんなベッドの中では役立たずです・・・わた、いえ、この世界が私を必要としているのに」
「よくなるまでの我慢さ」
「いいえ、理解できないかもしれませんが、バントは……理解できない力で攻撃されているのです。このままでは、私がいなくては勝てない」
「いまは休んでいなさい、若き騎士」「いまは前線を立て直している。外の敵と戦う前に内なる敵と戦ってきた我らですよ」
「内なる敵?」
「ああ、ハジードとかいうケチな商人ですよ。黄金塔から逃げ出してきた。ヴァレロンの法廷にいます」
救護所のムビンは。
「はっきり言ってくれ、癒し手さんよ。わたしはまた歩けるようになるかい?」
「気がついたのですか」
「わたしの足だよ。どうなんだい」
「時間が必要です」
「ひどいように見えるよ」
「申し訳ありません……サー・ムビン……私たちの癒しの力ではこの手の傷は無理なのです。傷が深く、粉々になっていては」
「何人死んだ?」ムビンは尋ねました。
「戦闘でですか?」
「そうじゃない……何人……私の手で……?」
「あなたのせいじゃありません、敵の魔法で……」
「お願いだ、教えてくれ。何人殺した?」
癒し手は目を合わせようとしませんでした。
「多いんだな?」
「たぶん……」
「何だ」
「たぶん、貴方の脚は治りますよ、祈りを捧げるものには、天使様がきっと奇跡を」
「もういい、出て行け」
「サー……」
「出て行け、奇跡にしか頼れないほどなんだろう、わかった、もういい、重傷の殺人者のところで十分懺悔は果たしたろう、目が覚めたとラフィーク卿に伝えに……いや、行かなくていい、ラフィーク卿には言わないでくれ」
「サー……」
「もういい、行ってくれ」
「待った」
「何か?」
「祈りのための本を……持ってきてくれないか」
*グリクシス*
「お呼びでしょうか、主よ」デーモン・ドラゴンのマルフェゴールが姿を現します。
『大渦だ』『成長が遅い』
「どの世界の国境でも戦争は起きております。間も無く大渦も時が満ちるでしょう」
『時間など無い』『貴様などに理解できまい、ひとつ息をする間も惜しい。レオニンや人間どもの失敗で何もかも遅くなっておる』
「仰せのままに」
『バントへ行け。行ってオベリスクを起動せよ』
「私自らがですか?手先の仕事では?」
『あやつは捕まったと天望騎士団から報告があった。もはや役に立たぬ』
「天使や聖騎士であふれかえるバントまで行けと」
『それがどうした』
「しかし単騎で、しかも道のりが長くては」
『今すぐ行かぬなら八つ裂きにしてケデレクトのリバイアサンの餌にしてやろう、不死王セドリスか呪術師カラデサにグリクシスを任せるほうが良いか』
「出立します」
『急げよ。道行きのエスパーは好きなように破壊してかまわぬ』
ラフィークは友人ムビンを見舞いますがすげなく追い返されます。彼はエスパーへ斥候を出し、情報収集を始めます。
*ジャンド*
その頃、霊体をジャンドに飛ばしたアジャニは、かろうじて生き残っていたクレシュと部族の生き残りと接触します。
「強大なドラゴンを探しているんだ。ボーラスという」
「ボウロズ?ボーロス?聞いたことはある」
「どこにいる?」
「知らん、が知ってそうな奴に心当たりはあるな」
ラッカへの復讐ができる、とクレシュは笑います。
ラフィークはエイヴンの斥候をエスパーへ飛ばしてエスパーの情勢と、伝説のアーシャの剣のありかを探させます。
ラッカはサルカンを送った後、ジャンドに戻って戦士の部族をドラゴン狩りへと駆り立てる仕事に戻っていました。
ナヤにたどりついたサルカンは、ドラゴンを次々と召喚し、準備を整えます。
エルズペスはハジードと面会し、質問をはじめます。ロウクスの修道士ホリンが同席しますが、エルズペスが退席させます。
「お戻りなさい、ハジードさん。私は貴方に少し奇妙な質問をしたいのです。ここでは正直に答えて欲しいのです。貴方の答えは貴方自身の状況だけではなく、バント全体にとって重要かもしれないのです」
ハジードは相貌を崩してへらへら笑いながら「なぜ? いったいどういうことです?」
「最近、貴方は誰かと接触を持ちましたか?……その……おかしな人物と? 貴方が余所者だと考えるような誰かと?」
ハジードは鼻で笑い、「どの土地も私にとっては他所の地じゃありませんよ。私はバント全土を旅しているのですから」
エルズペスは瞬きをして「貴方は聞いたのではない。そうですね?」
「聞いた?何をです?彼らは何もおかしなことなど語っていませんよ」
「そう、仰るとおり貴方は旅をするもの。だから知ることが出来る位置に居る。誰が、貴方にそれを伝えたのです?破滅をもたらす呪文の計画を。誰が貴方のもとへもたらしたのですか?」
「わ、私は――」ハジードは演技を止めた。彼の目はせわしなく動き、部屋のあちこちを見た。ただ、エルズペスだけは見ようとしなかった。
「誰なのです?」
「い、言うことはできません」「嘘だと思うに決まっています」
「言ってみてください。他の人たちは理解できなかった。それが私がホリンを退けた理由です。私はあなたを信じます。」
「言えません。彼……彼は、誰かに言ったら殺す、と」
「私が護ります」
ハジードはくつくつ笑います。「彼からは無理だ」
「ハジード」「あなたは昨今の地響きや嵐が何であるか知っているのですか?」
「私は何も知りません」彼の目は定まらなかった。「でも、予想はつきます」
「どう予想したのです?」
「彼の仕業です。彼はここに来て、私に力を約束してくれました――でも彼は、私を騙して私に城を破壊させたんです。私はもうおしまいだ。彼は結果から私だけは救い出しにやってくると言いました。でも今になってわかる。彼は私を救いはしない。彼は私を利用したんだ」
「誰なの?」
「ドラゴンですよ」
*ナヤ*
「アニマ」従者のひとりが声をかけます。「一言よろしいですか?」
「もちろんです、サーシャ」
「こんなことは間違っています」「ガルガンチュアンはナヤの神です。それを戦争に使うなんて冒涜です」
「われらはガルガンチュアンとともに戦うのです。冒涜ではありません。それにこれは大祖始のお言葉です。予言の時がきたのです」
「でももし私たちが間違っていたら――」
「私の幻視です。それが冒涜だと?」
「いいえ、申し訳ありませんでした、アニマ」
彼女たちは空に影を見つけます。
「あれは?鳥の群れでしょうか」とサーシャ。
「いいえ、もっと、もっと大きなものです」とメイエル。
「突撃ラッパを、アニマ」
サーシャは長いラッパを差し出しますが、メイエルは盲いた目を神のごとき巨大な、翼の生えたトカゲに向けたままです。
サーシャはメイエルの肩をつかんで揺らします。「アニマ、突撃ラッパを吹いてください!」
それでも動かず彼女は空に目を向けたまま呆然としています。サーシャはラッパをとり、出来うる限りの息をラッパに吹き込みます。
サルカン率いるドラゴン軍団とガルガンチュアンの戦闘がはじまります。カーサスはガルガンチュアンの巨体を持ち上げ、投げ落としてビーストの群れを蹴散らします。
「ついて来い、かわいこちゃん。エルフの奴らに挨拶に行こうぜ」
アジャニはクレシュとともにラッカを探し始めます。行く手をさえぎる闇の魔物との戦闘で友情が芽生えたりもします。そしてラッカを追い詰めることに成功します。アジャニはボーラスのもとへの案内を頼みますが、ラッカは条件としてクレシュと一族をその手で殺せと要求します。
ラフィークはエイヴンの斥候からの情報で、グリクシスでとある家族を助けます。そこでアーシャが滅ぼしたはずの悪魔、マルフェゴールのことを知ります。
一瞬迷うアジャニにラッカがクレシュらに魔法を放ちます。
「あんたの判断なぞあてにしちゃいないよぉ。やりたいことをやるだけさぁ」
「死にたいのか」
「死ぬことなんざ恐かないねぇ」
「条件は飲めない。逃げたいなら逃げろ」
「殺したいならやればいいさ。トル族が死に絶えるまであたしゃ止めないからねぇ」
アジャニはラッカに駆け寄り、頬を切り裂き頭を斬りとばします。
ナヤではマリーシがナカティルを集め、戦争の準備を始めます。その中にはザリキの姿もありました。
バントでは、祈りの書から偶然ヒントをみつけたムビンが、アーシルのもとを訪れます。ヴァレロンの12の木の根元を掘って欲しい、と。当然アーシルは聖地を掘ることに難色を示します。天望騎士団のアドバイザーによりムビンは追い出されてしまいます。
マリーシの言動に不信を抱いたザリキはマリーシを問い詰めます。ジャザルが死ぬ直前まで調べていたオベリスクの秘密、それを知るものを消そうとマリーシはザリキに襲い掛かります。
圧倒されるザリキでしたがガルガンチュアンを呼び、マリーシを倒します。しかしマリーシが嘘をついていたという説得に耳を貸さないナカティルたちに追い詰められた彼女は、突如クァーサルの塔が粉々になり、魔力が解放されているのを目にします。
*バント*
ムビンは重傷の体を鞭打ち、独断で宮廷に忍び込み、そしてアーシャの剣の破片を掘り当てます。
「ムビン!」
「みつけましたよ、ひとつ」「アーシャの剣の欠片です」
「何事です?」天望騎士団のアドバイザーが駆けつけます。アーシルは青筋をたてつつ怒鳴りつけます。「人手を集めて、ロープと、駿猫を1ダース、鍛冶師も呼ぶのです」
「彼が何をしたのです? 一体何をするおつもりで――」
「一刻も、早く、ムビン殿に、必要な、ものを、取ってきなさい!」「早く!」
クレシュとアジャニはグリクシス内を歩き続けます。
「猫男よ、お前は止まる事がないな」
「止まるわけにはいかない。暗黒の殺し屋たちはまだ近くに居る」
「しかし当ても無く歩き回れば迷子か死にながら歩く羽目になる」
「戻りたければ戻ってくれていい」
「そういう意味で言ったのではなくてだな――」
「シッ」
「話をさえぎるな」
「静かに、何か聞こえる」
「この音は――」
「ドラゴンの羽音」
*バント*
守衛の詰め所で望遠鏡を覗いていた兵士が声を上げます。
「サー、エイヴンの姿です。味方のようです」
「それが歩いている、と?」と守衛長。
「はい」「ひどい有様です」
「罠かもしれん、だが罠なら見つけろ、急げ」
「了解しました!」
エイヴンは門にたどり着くとくずおれます。
「罠はありません」「キーダです。騎士長ラフィークの命を受けていました」
クレリックが駆けつけ癒しを行いますが息を引き取ります。
「残念だ」「羽根を見ろ、彼に何があったのだ」
「何があったというのでしょうか」
「巻物を持っています」
「内容は」
「悪魔は、黄金塔に、4日、これだけです」
「すぐに守衛長に報告を」
*グリクシス*
彼らが見たのはドラゴンの群れでした。
「カーサス」
「我らの世界のドラゴンじゃねえか、どうしてこんなところに」
「誰か乗ってますぜ」
「サルカンだ」
「あれは俺が探しているドラゴンじゃない」とアジャニ。
「だが俺たちが探している奴だ」とクレシュ。
ドラゴンたちは頭上を飛んでいきます。そこに響いてきたのはエルフの突撃ラッパ。
はるかに見えるエルフの旗。それを見てアジャニは隠れ場所から走り出ます。
「猫男!どぉこへいくつもりだ!」
「知り合いだ!」「エルフ、人間、ガルガンチュアン、ナカティル」「ナヤの軍だ!」
「どこへ進撃しようってんだ?」
この次元の中心部。アジャニはそう考えました。
大渦の前。それを見つめるマルフェゴールに、ボーラスが告げます。この世界はじきに崩壊する。お前の支配するものなど何も無い、と。呪いの言葉を吐きつつ、彼は怒りの矛先をバントに向けます。
*バント*
黄金塔の廃墟に着いたラフィークの軍勢は、廃墟の跡に光り輝く白いオベリスクがあるのを目にします。
天使アーシャと悪魔マルフェゴールの戦いの再現かと思いをめぐらすラフィークに話しかける声。
「将軍! 騎士長エルズペスです」
「加減はどうかな、騎士長」
「大丈夫です、サー。後方に居られることを進言します。消耗されたら、私たちの元へおいでください。糧食と癒し手、休める場所を用意してあります」
「そんなヒマがあればいいがな」「エルズペス、”悪魔”というものを卿は知っているかね」
顔色が変わるのを見て、彼は肯定と受け取ります。
マルフェゴールの角が丘の向こうに見え始めます。
「術者は準備を」「目明き階級の準備は?」とラフィーク。
「クレリック、モンクの部隊は準備完了です」とエルズペス。「号令を待っております」
「よろしい。始めてくれ」
「了解しました」エルズペスは指令所のテントに駆け込みます。
「卿」別の騎士に言います。「射手に伝えてくれ。敵が射程に入ったらすぐに撃てと。騎兵はそれまで待機」騎士はうなずいて指令所に駆けます。
「それと君」と従者に言います。「俺の鎧、ちゃんと直ってるだろうな?」
「ご希望通りに黒鋼をあてがいました、将軍」
「ようし」「着せてくれ。あと、剣も用意してくれ」
前哨戦が始まります。アンデッドの軍勢に矢が降り注ぎ、カターリはエイヴン軍と戦闘し、地上ではレオトーに騎乗した騎士がゾンビとスケルトンの軍勢を切り崩します。
「肉ねじり共、騎士を迎え撃て」マルフェゴールは屍術師に命令します。「《屑肉を引き裂くもの/Dreg Reaver(ALA)》第一隊を向かわせよ」
屍術師が呪文を放ち、騎士が駆け、異様のオーガが斧を振るい、下級天使がカターリを打ち倒します。激戦のなか、アーシャへの祈りは高まります。予言のときは今であるのに、天使はいまだ姿を見せてはくれません。
*大渦*
「何だコレは」目を覆いながらクレシュは言います。
「マナだ」この渦こそが鍵であるとアジャニは理解しました。
「きれい」メイエルがやってきます。
「アニマ。 あなたまで戦争に加わっているとは」
「ご挨拶ですね、白き猫よ」「ナヤのため、世界のためなら、我らは馳せ参じましょう」
「助けはありがたい」「が、ここを離れて欲しい。この嵐は不安定だ。あなたの民も危険だ」
「アジャニ」
「ザリキ、こんなところで何を?」
「私も聞きたいことがあるの」「クァーサルのオベリスクからマナが放たれ、それに導かれてここまで来たわ」「そして軍もついてきてくれた。彼らは答えを欲しているの。彼らこそ雲のナカティルなのよ、アジャニ」
「俺にもわからない」アジャニはきっぱり言います。「君も、皆もここを離れるんだ」
「アジャニ」「あなたに言っておかなければならないことがあるの」
「今はここを離れるのが先だ。ドラゴンがじきにやって来――」
「私がジャザルを殺したの」
アジャニの口は半開きで止まります。
「ごめんなさい。殺されても、二度と顔も見たくないと思われても、あなたは知っておくべきだと。私はマリーシから任務を与えられたの」
「マリーシだと?奴は生きているのか?」
「1年以上も前に知り合ったわ。チママトルが彼に連絡を取ったの。あのひとの計画が、脅威だと感じたから」
「ジャザル」
「あのひとは答えを探していた。 なぜナカティルの部族は分かたれたのか? なぜ自らの死が必要な予言が人間に伝わっているのか? コイルを破りしマリーシの祝祭の意味とは? その行為はチママトルの目論見と、そしてより強大な力の計画に干渉してきたのよ」(訳注:その過程でクァーサルのオベリスクがマナの伝導に使われていること、5つの次元のことまで突き止めれば、大渦にマナを集める計画までたどり着くことができるからでしょう)
「だから殺した」
「私がやったの。焚き火に魔法を仕掛けたのも、居住地に怪物を解き放ったのも私」
「ザリキ、なぜなんだ」
「ごめんなさい。 彼らはそうすれば皆が恐怖におびえ、共通の敵と戦うために団結するだろうと。マリーシへの反発を抑えるにも役立つとそれらしいことを吹き込まれたの。まさか……暗殺するなんて」
”アジャニよ”
「兄貴」
”ここが終点にはない。彼女が誰か忘れるな”
「彼女はあなたを殺したんだぞ」
”指示に盲目に従っていただけだ。 彼女は俺を恐れていたということだ。何が起こるかなんてわからなかった。彼女はずっと友達だったろう。生きているたった一人の友だ”
アジャニは怒りが湧き上がってきました。ザリキは目を伏せ、涙を落としています。
”そうすることが正しいと言うのなら、そうしろ。彼女を殺して俺の仇を討てばいい。お前の旅は終わりだ。それでお前に何が待っているというのだ?”
アジャニは歯をかみ締めました。
”お前の選択だ。弟よ”それきりジャザルの声はしなくなりました。
「間違ってるってわかってたわ」「呪文がジャザルを狙うことも、彼を傷つけることもわかってたわ」
「ザリキ――俺は、知りたい。マリーシは今何処にいる?」
「彼は死んだわ。私が殺した」
そういうものか。アジャニが復讐を果たす機会は永遠に失われたのだと気づきました。
「アジャニ。ごめんなさい。私は死んだほうがいいのよ。私が死ねばジャザルも浮かばれるわ」
彼女は泣きつきます。哀れみ、嫌悪、悲しみがアジャニの中でひとつに混ざり、彼はザリキを一度抱きしめ、力いっぱい殴ります。
ザリキを殺しても、彼女が働いた罪はより深くなるだけであり、彼女が直接手を下したわけではなかったことは、アジャニもわかっていました。そして、アジャニの追跡は別の方向へと向けられていました。すべての元凶。出来事の鎖をさかのぼった先に居る者を罰するまで、彼は立ち止まらないでしょう。
*バント*
騎士長エルズペスは黄金塔の廃墟の戦場を見ていました。彼女の心は重く沈み、守るべき白のオベリスクよりも、心を占めているのは彼女が愛した人々、名誉、平和でした。
彼女は天空で悪魔と戦う天使たちを見上げました。あの天使は、こんな恐怖を感じたことがあるのかしら?
戦場の後方にはデーモン・ドラゴンの姿があります。グリクシスの将軍、マルフェゴール。そのコウモリのような羽根が広がり、太陽を覆い隠すのを目にしました。それが腕を高く掲げたのを、彼女は見ました。
マルフェゴールの腕の間に黒いマナの塊が生まれ、眼下のバントの兵士たちとアンデッドどもはその魔法で苦しみもがきます。
「全軍進め!」エルズペスは指示を出します。「魔道士、あの悪魔を討て!全軍、悪魔へ突撃!全歩兵!悪魔を滅せよ!」
ヴァレロン兵たちは突撃を開始し、エルズペスもそれに続こうとします。そのとき、彼女は後方からの声を耳にします。
「エルズペス!」祝福階級のアーシルが、全速力でレオトーを走らせていました。その手には、光り輝く一振りの剣がありました。「エルズペス、これがアーシャの剣です。ラフィークに渡してください!」
マルフェゴールの呪文は思惑通りに働き、面前のオベリスクの強力な防御魔法を崩すための力を蓄えつつありました。戦場からエナジーを吸い上げ、彼の呪文をさらに強めていました。もはや勝利する必要もありませんでしたが、すべてを破壊し、その後は好きにするつもりでした。
騎士団が彼まで肉薄するのを見てマルフェゴールは手の中にある魔法の印を握りつぶし、蓄えた力を解放しました。大半が死の衝撃波により即死し、その生命エネルギーはさらにマルフェゴールの呪文の力となります。
ラフィークは死の魔法の波を受け、地面に転がり落ちます。彼の肉体と魂は同時に締め上げられ、死そのものが彼にまとわりつきます。しかし突如その痛みが消え、彼は周りを見渡します。周辺は彼以外生きているものはなく、見上げるとマルフェゴールは黒い魔法の触手をオベリスクに伸ばしていました。その触手はオベリスクを守る魔法をかき消し、オベリスクに激突します。
オベリスクはまばゆく光り、その後魔力がいずこかへ向かって流れ出します。悪魔はそれを見届け、流れの方向へ向きを変えます。
「待て」ラフィークは叫びます。こんなはずはない。栄光の勝利はどこだ?天使アーシャが現れてあのケダモノを両断するはずではなかったのか?
「ラフィーク!」エルズペスが全速力で走りこんできて、彼に一振りの剣を放り投げます。彼はそれを受け取ります。
鞘の上からでもわかるくらいそれは熱を帯びていて、彼が剣を抜き放つと、刀身はまばゆく輝き、直前まで鍛冶師が熱していたかのようでした。彼は立ち上がり、背を向けている巨大な悪魔へ走りこみます。エルズペスはありったけの防御魔法をかけ続けます。ラフィークは走るほどに空へと駆け上がっていることに気づきました。俺がアーシャの再来だ、彼は聖なる力を感じ取っていました。
マルフェゴールは振り向き、向かってくる騎士に向かって巨大な爪を振るいますが、ラフィークは傷ひとつ負いません。ラフィークは一度、二度、剣を振るい、悪魔の胸にXの字の深い傷を刻み、そして傷に沿ってその体が崩れ落ちていきます。忌まわしきもの最期でした。
アジャニの復讐についての思考は上空からの炎により中断させられます。
「ごきげんいかがだ、黄金のたてがみのアジャニ!」カーサスの背からサルカンが叫びます。
その後ろにはドラゴンたちが続き、吐き出す炎でエルフやナカティルたちを混乱に陥れます。
「撃ち滅ぼしなさい!」メイエルが叫びます。
エルフらはトゲの風を呼び起こし、ザリキは亜人間の仲間に力を与え、クレシュの戦士たちもドラゴンたちに槍を向け、戦呪術を唱えます。魔法の奔流をアジャニは感じ取り、マナの流れを大渦が利用していることを感じ取りました。これでは大渦の成長を助けてしまう。彼はそう考えました。そのとき、大渦に流れ込む大きな4本のマナの流れのほかに、新たにもう1本のマナの流れが加わります。何か決定的な一手をうつ必要がありました。
”お前がやるのだ、弟よ”ジャザルの声が響きます。
「止めなければ」とアジャニ。
「俺たちが大渦を引き起こしていたのだ。俺たちは生餌なんだ」
”そうだ。餌となることを止めるのだ”
「俺は皆が餌になることを止めなければ」
”そうだ。すべてを止めるのだ”
アジャニの目はマナの流れを見い出します。自然の魔法、火と怒りの魔法、癒しと守護の魔法、それ以外のもの――人間型の生き物、ドラゴンたちから伸びる固有のマナの流れすら認知します。世界全体に広がるマナの流れがまとまり、大渦に流れ込んでいるのです。
これを止めなければ。アジャニは自らのマナの源だけでなく、ナヤからだけでなくジャンドからも、サルカンのマナの源からも魔力を引き出します。咆哮とともに魔力の奔流は世界中を震わせ、次の瞬間、魔道士もドラゴンたちも、動きを止め、当惑してきょろきょろするばかりでした。衝撃から立ち直った者たちは再び戦おうとしますが、マナの接続は断ち切られ、ドラゴンの炎も尽きていました。
ドラゴンたちは怒りの声とともに空高く舞い上がり、サルカンはカーサスの横背を蹴りますが言うことを聞かず、ドラゴンたちはジャンド方面へと消えていきました。
歓声がエルフとナカティルたちからあがります。
「アジャニ、やったわ!」とザリキ。「どうやったのかはわからないけど、魔法を止めたのね」
アジャニは消耗しきった様子でうなずきます。
『だが礼など言わぬぞ』
古竜のプレインズウォーカー、ニコル・ボーラスが、空より姿を現していました。
『小さきウォーカーよ』
アジャニは眼前のナカティルやエルフ、人間たちがドラゴンに対して攻めかかろうとしているのを感じ取ります。
マナのつながりが無い今、彼らでは敵うわけがありません。ボーラスはアジャニの前に降り、左右を見回します。一瞬でエルフ、人間、ナカティルたちは殺されてしまうことでしょう。
「みな、退がれ!」アジャニは叫びます。「早く!」
それ以上の指示は必要なく、全員が退却を始めます。
「アジャニ、やめて」とザリキ。「かないっこないわ」
「なんとかする」とアジャニ。「行くんだ。ザリキ。さあ!」
ボーラスはそれを見送るのみで、笑いながらアジャニを見下ろし、爪を組み合わせます。
『しばしのよい見世物だったよ、小さきウォーカー』とボーラス。『定命の者どもを過信するのも止める必要があろうな』
「見ていただけだろう」アジャニは言い放ちます。「隠れていただけだ」
『隠れていた?ありえんな。我はお前の人生から少し離れていただけだ、小さき猫。すぐ近くにいたのだ。我のドアは大きく開いていたというのに。
我はお前の間違いを責めることはしない。お前はやっと一歩を踏み出すことを覚えたばかりだからな。それほど、お前より我は遠くにあり、筆舌に尽くしがたく、非現実的だということだ。お前は経験は我と比べるべくもないであろう。お前は我の遠大なる思考を理解するだけの言及の枠も、理論的な網も持ち合わせておらぬ。理解などできぬのだ。理解する能力が欠如しておるのだ。
我はお前が想像できぬ距離を見てきておる。お前はできるのか?お前の想像力はひとつの世界の境界線の内に閉じこもっている程度だ。そんなものが意味を持つというのか?否!お前の兄の死は?偶然の一致は? 我と釣り合うわけがなかろう。ちっぽけなナヤは、すべての真実の入れ物とするにはあまりに浅すぎるのだ』
「俺はここにいる。それが答えだ」
『それで、どうするのだ?復讐を果たすのか?我を殺すとでも?兄の形見の斧で我が死ぬまで内臓を引き裂きつづけるのか?そしてお前は愛する世界を守った英雄としてご帰還か?残念ながらそうはならん。誰もお前が死んでも悲しまぬ。千人も居る陳腐な人物の一人に過ぎん』
ボーラスは爪をはじき、隕石のような力でアジャニを吹き飛ばします。彼は背後の大渦のくぼみまで転がり落ちます。
『貴様の何百倍も生きておるのだ』『貴様の肝が冷える程度の大異変をいくつも生き抜いてきた。貴様が見たことも無い宇宙をいくつも見てきた。そんなマッチ棒程度の貴様が我に立ちはだかるというのか?我を打ち倒すというのか?言っておこう、ニコル・ボーラスが倒れるときは、貴様によってではない』
アジャニは這いずって戻り、片手で体重を支えながら言います。口からは血を流しながら。「老いた者よ、癇癪はまるで子供だな」
ボーラスは鼻を鳴らし、腕を振ります。アジャニの体は宙を飛び、くぼみの反対側の壁に叩きつけられます。彼は血とともに咳き込み、歯が2本折れているのを確かめます。
『そんな横着をするのは数百年早い。悪が英雄を倒したことは数多くある。貴様よりも立派なものたちがな。遊びは終わりだ。貴様には万に一つもありえぬ。ゴミのように潰されろ』
「お前の計画に意味はない」
『命乞いの時間稼ぎの方法でも思いついたか? 時間を引き延ばして絶体絶命から抜け出す方法でも探るか?』
「もし俺がそんなに矮小なら、どうしてすぐに殺さない?どうして下僕に呪文を運んでこさせない?どうして白い猫の予言などがある?俺がなんでもない人物なら、どうして問題に行き当たる?俺がどうでもいいなら、どうしてお前の脅威となりえる? なぜナヤにプレインズウォークして俺を子供の頃に殺さない?」
『もっともだ』ボーラスは答えます。『我はどうも盛り上げようとしすぎる。対等なものも居らず、自分で自分を楽しませることを好むものを、貴様は考えられるか?わがままに過ぎる、認めよう。我は自ら奏でる交響曲を眺めるのが好きなのだ』
「違う」「それが理由ではない。それはお前が手下を使った理由でもなければ、自分で汚れ仕事をしなかった理由でもない。おそらく、自らの不死性を失ったことがわかったからだ。お前は強い。しかし弱点があると理解してしまった。俺にはそう見える。古き竜であるお前ですら、恐いものがある」
ボーラスの頬の突起が広がり、胸は怒りで満たされました。彼の後ろの大渦からの光は彼の顔に影を作ります。翼を広げ、爪をアジャニに伸ばしますが、思いとどまります。
『おっと』『もう少しで貴様は我がここで成すことを忘れさせるところであったな』ボーラスは向き直り、大渦の中心へ歩み入ります。
アジャニは目を隠します。大渦は光の球となり爆発します。ドラゴンのプレインズウォーカーを力の波で包み、衝撃波はアジャニを壁へと押し付けます。絶え間ない電気ショックを受けているようでした。音がなかったのか、それとも耳が聞こえなくなるほどの轟音かわかりませんでした。
考えがまとまらず、アジャニはひとつの言葉を繰り返していました。奴はやった。奴はやった。
魔力の爆発はハリケーン程度まで弱まり、アジャニは轟くような絶え間ない咆哮を感じ取ります。薄目を開けると、光の中でドラゴンの影が胎児のように丸まっているのを見つけます。光の中でドラゴンは身じろぎし、羽根を広げ、手足を伸ばし、頭を宙にもたげて大きく口を開けていました。ボーラスに違いないはずですが、アジャニにはそれまでよりも大きく見えたのでした。彼は万能となり、唯一無二となります。
ボーラスは叫び、その声は空を引き裂きすべてに反響します。アジャニは痛みすら感じます。ついに、俺の最期のときがきた。いやもっと悪い。この世界のすべての命の最後が来たのだ。すべてを灰と化し、なにもかも破壊するだろう。
ボーラスは力をみなぎらせ、ゆっくりと上昇します。ボーラスが核から離れるに応じて、エネルギーも衰えだし、暴風も収まりだします。光の輝きはボーラスにまとわりつき、その体に吸い込まれていきます。後に残ったのは窪地の上で渦巻く、アジャニの背ほどの光り輝く小さな太陽の球体でした。ボーラスが大部分を持っていったのでしょう。ドラゴンはアジャニを見下ろします。殺したいのか、それとも慈悲を与えたいのか、表情はうかがい知ることはできません。そんな簡単な思考が作用しないほどの膨大な知性や感情を持っているのでしょうか?ボーラスは口を開きます。その声はどこにいても聞こえました。
『恐れるものなど、無い』
今週の壁紙はイオナ様
2009年10月9日 【マジック】 コメント (1)http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/295
人間と比べるとだいたい16mくらい?じゃあF91と同じくらいだね
お台場ガンダムより少し小さくらい、と覚えよう!
ところで《B. F. M. (Big Furry Monster)(UNG)》とガンバスターはどっちが大きいだろう?
小説Alara Reborn抄訳、パート3はもうちょっと待っててくださいな、ハイライトシーンとオチをきちんと説明しきらないといけないので文章量が倍以上に・・・
人間と比べるとだいたい16mくらい?じゃあF91と同じくらいだね
お台場ガンダムより少し小さくらい、と覚えよう!
ところで《B. F. M. (Big Furry Monster)(UNG)》とガンバスターはどっちが大きいだろう?
小説Alara Reborn抄訳、パート3はもうちょっと待っててくださいな、ハイライトシーンとオチをきちんと説明しきらないといけないので文章量が倍以上に・・・
あらーらむかしばなし ぱーと2
2009年10月7日 【マジック】それから数日後、群れの居住地に戻ったアジャニは、居住地はひとけ無く静まり返っているのを目にします。いや、物音は火葬の薪からしていました。ジャザルが葬られていました。
「これじゃカッコがつかないな」とジャザルの魂。
「そんなことはないさ」とアジャニ。「群れ長として葬られているんだ、立派だよ」
そこに残っていたザリキが現れ、不在を問い詰めます。アジャニはうまく説明できません。
その頃、ラッカはサルカンとボーラスを引き合わせていました。サルカンはボーラスに忠誠を誓います。
「戦争が始まる。できうるかぎりのプレインズウォーカーを引き入れ、勝利を我が物としたい」
「御身の武器となりましょう。ところで、俺はもう一人、プレインズウォーカーを知ってるんですがね・・・」
その頃アジャニは祝祭で奇妙な動きをしていたテノークを追い詰めていました。崖でもみあううち、アジャニとテノークは崖から落ちかけますが、テノークが崖っぷちにつかまり、アジャニがテノークの足につかまるという体たらく。
「テノーク・・・何かにつかまれ」
「俺の脚を離せ!」
「やめろ、なんとかするから、動くんじゃない!」
「滑り落ちそうだ、落ちてしまう」
「つかまるものを探すんだ」
「せいせいするぜ」
テノークはアジャニの腕を蹴りつけ、アジャニは崖から落ちてしまいます。
傷だらけのアジャニは、バントにプレインズウォークします。その報はエルズペスのもとに届き、彼女はアジャニを保護することに決めます。
エルズペスはアジャニがプレインズウォーカーであることを見抜いていました。アジャニは彼女に世界が変化していること、5つの次元のことを説明しますが、彼女は急に頑なな態度を取り始めます。
話を一方的に切り上げられてしまい、しょうがなく傷が癒えたアジャニはひとまずナヤに戻ります。狙うはテノーク。
行方を追うためにテノークの母親を訪ねます。
「生きておったのかい」
「あんたの息子のおかげでな、チママトル」
「不幸な事故だよ」
「すべて”事故”だって?あんたとテノークが関わってるとしか思えないが」「俺はあんたと息子の罪を知っているぞ。 ジャザルを殺した真犯人は誰なんだ」
「あたしのゴールなどわかりきったことさ、テノークを一人前にすることさ」
「その結果としてジャザルが死んだ」
「小さき猫、知りたいと願うことは大きすぎ、お前の見地は小さすぎる」
「あんたが犯人じゃないと言うのなら、いったい誰だと言うんだ」
「どうして追う」
「罰を与える」
「もう一月も前さ、お前さんなどひと噛みで食われるほど腹をすかせてるよ」
「そいつは何者なんだ」
「古き友、古き英雄」
ナカティルの生ける英雄、マリーシは目的の場所にたどり着いていました。その眼下、谷に広がるはエルフの集落、そして、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》が眠る場所。
その頃エスパーでは、サルカンがエスパーのオベリスクへの工作を完了していました。
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》への儀式を終えたマリーシに声がかけられました。「マリーシ」「本当にあんたなのか」
「人違いだろう」
「マリーシ、古きコイルを破りし者。赤茶(マホガニー)の毛を持つもの。チママトルが教えてくれた」「もしあんたが本当のマリーシなら、聞かなければならないことがある。闇の魔法で殺された兄のことだ」
「名はなんという、白毛」
「アジャニ」
「アジャニ、兄のことは残念に思うが、わしはやってはいない」
「あんたは嘘をついている。もし真実を話さないというのなら――」
「殺したければ殺すがいい」
「すぐには殺さない。聞きたいことは山ほどあるからな。本当にマリーシ、コイルを破りし者と呼ばれた者なのか」
「アンタリの獣、とも呼ばれたよ」「わしの罪は数多くあるがな、お前さんの兄を殺したのはわしではない。あやつ自身が招いた結果なのだ」
「嘘をつくな」
「そうさ、雲のナカティルに挑むべからず、危険な質問を発するべからず、主の計画を破るべからず」
「主?誰だ」
「はやく殺せ!すべてが起こる前に」
「何が起こるというんだ、言え!」
「お前が手を下さずとも、わしらはすべて死ぬ。お前にはあのドラゴンを止めることなどできはすまい、ニコル・ボーラス様をな」
そのとき恐ろしい地響きとともに足元の地面が隆起し、アジャニとマリーシは宙に投げ出されます。
アジャニはジャングルの木に落ち、そのままエルフの谷のほうへと転げていき、一匹のガルガンチュアンの前で止まります。
「あなたは誰?ここで何をしているのですか?」静かな女性の声。うら若き黒髪のエルフの巫女が、ガルガンチュアンの背に乗っていました。
「エルフよ、領地に入ったことを許して欲しい。俺は野生のナカティル群れのアジャニという。別のナカティルに会っていたところ、突然地面が揺れて・・・彼を見失ってしまった。何が起こったのか教えて欲しい」
「私たちにも、わかりません」
彼女は立ち去るように言いますが、アジャニには気がかりがありました。マリーシが持っていた黒い円盤、呪文の器のことが。
「私はメイエルと申します。野生のナカティル群れのアジャニ」「今代のアニマを務めています。私たちよりもあなたのほうが何が起こっているか詳しそうですね?呪文の器というアーティファクトは、魔力を封じ込め、あるいは解放するものです。見たことはないのですが、あなたが持ってきたのですか?」
「いや違う。しかし似たような物で俺たちの仲間は邪悪な魔法により散り散りになってしまった。同じことがここでも起こるかもしれない」
「あるいは、もう起きているかも」とメイエル。「あなたの仕業であるか、その魔法のしわざであるかは知りようがありませんね」
「信じてくれ、これは俺のしわざではなく、俺が追っている者のやったことだ、彼も、そのアーティファクトも危険だ、皆すぐにここを離れたほうがいい」
「できませんし、するつもりもありません」「私たちはここに残り真実を聞く務めがあります。あなたこそ、持ち物とその器を持って早く立ち去りなさい」
仕方なくアジャニは谷を後にします。そしてマリーシが残した言葉と黒いうろこで造られた器について考えをめぐらせます。そして瞑想し、その幻視はやがて真実の姿を――ナヤが2つの次元と重なり合い、バントが2つの次元と重なり合い、5つの次元が奇妙な結びつきをしている世界を見出します。
その頃、《大祖始/Progenitus(CON)》の声を聞いていたメイエルに、声が響き渡ります。
「戦争を起こせ」
「汝が、エルフたちがすべてを殺しつくすのだ。外敵の血で河を作れ」
メイエルは息を呑みます。「大いなるものよ、それがあなたの答えなのですか?私にはわかりません!」
「戦争は近い。遠征の準備をせよ。今夜にも奴らは襲ってこようぞ」
そこで幻視は途切れます。
「のどが痛いわ」
「叫んでおいででした」
「そう、ごめんなさい」「戦士たちを集めてください。エルフは戦を始めます」
「戦? いったい、何をご覧になったのですか、アニマ様?」
「恐怖を」
パート3へ続く~
「これじゃカッコがつかないな」とジャザルの魂。
「そんなことはないさ」とアジャニ。「群れ長として葬られているんだ、立派だよ」
そこに残っていたザリキが現れ、不在を問い詰めます。アジャニはうまく説明できません。
その頃、ラッカはサルカンとボーラスを引き合わせていました。サルカンはボーラスに忠誠を誓います。
「戦争が始まる。できうるかぎりのプレインズウォーカーを引き入れ、勝利を我が物としたい」
「御身の武器となりましょう。ところで、俺はもう一人、プレインズウォーカーを知ってるんですがね・・・」
その頃アジャニは祝祭で奇妙な動きをしていたテノークを追い詰めていました。崖でもみあううち、アジャニとテノークは崖から落ちかけますが、テノークが崖っぷちにつかまり、アジャニがテノークの足につかまるという体たらく。
「テノーク・・・何かにつかまれ」
「俺の脚を離せ!」
「やめろ、なんとかするから、動くんじゃない!」
「滑り落ちそうだ、落ちてしまう」
「つかまるものを探すんだ」
「せいせいするぜ」
テノークはアジャニの腕を蹴りつけ、アジャニは崖から落ちてしまいます。
傷だらけのアジャニは、バントにプレインズウォークします。その報はエルズペスのもとに届き、彼女はアジャニを保護することに決めます。
エルズペスはアジャニがプレインズウォーカーであることを見抜いていました。アジャニは彼女に世界が変化していること、5つの次元のことを説明しますが、彼女は急に頑なな態度を取り始めます。
話を一方的に切り上げられてしまい、しょうがなく傷が癒えたアジャニはひとまずナヤに戻ります。狙うはテノーク。
行方を追うためにテノークの母親を訪ねます。
「生きておったのかい」
「あんたの息子のおかげでな、チママトル」
「不幸な事故だよ」
「すべて”事故”だって?あんたとテノークが関わってるとしか思えないが」「俺はあんたと息子の罪を知っているぞ。 ジャザルを殺した真犯人は誰なんだ」
「あたしのゴールなどわかりきったことさ、テノークを一人前にすることさ」
「その結果としてジャザルが死んだ」
「小さき猫、知りたいと願うことは大きすぎ、お前の見地は小さすぎる」
「あんたが犯人じゃないと言うのなら、いったい誰だと言うんだ」
「どうして追う」
「罰を与える」
「もう一月も前さ、お前さんなどひと噛みで食われるほど腹をすかせてるよ」
「そいつは何者なんだ」
「古き友、古き英雄」
ナカティルの生ける英雄、マリーシは目的の場所にたどり着いていました。その眼下、谷に広がるはエルフの集落、そして、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》が眠る場所。
その頃エスパーでは、サルカンがエスパーのオベリスクへの工作を完了していました。
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》への儀式を終えたマリーシに声がかけられました。「マリーシ」「本当にあんたなのか」
「人違いだろう」
「マリーシ、古きコイルを破りし者。赤茶(マホガニー)の毛を持つもの。チママトルが教えてくれた」「もしあんたが本当のマリーシなら、聞かなければならないことがある。闇の魔法で殺された兄のことだ」
「名はなんという、白毛」
「アジャニ」
「アジャニ、兄のことは残念に思うが、わしはやってはいない」
「あんたは嘘をついている。もし真実を話さないというのなら――」
「殺したければ殺すがいい」
「すぐには殺さない。聞きたいことは山ほどあるからな。本当にマリーシ、コイルを破りし者と呼ばれた者なのか」
「アンタリの獣、とも呼ばれたよ」「わしの罪は数多くあるがな、お前さんの兄を殺したのはわしではない。あやつ自身が招いた結果なのだ」
「嘘をつくな」
「そうさ、雲のナカティルに挑むべからず、危険な質問を発するべからず、主の計画を破るべからず」
「主?誰だ」
「はやく殺せ!すべてが起こる前に」
「何が起こるというんだ、言え!」
「お前が手を下さずとも、わしらはすべて死ぬ。お前にはあのドラゴンを止めることなどできはすまい、ニコル・ボーラス様をな」
そのとき恐ろしい地響きとともに足元の地面が隆起し、アジャニとマリーシは宙に投げ出されます。
アジャニはジャングルの木に落ち、そのままエルフの谷のほうへと転げていき、一匹のガルガンチュアンの前で止まります。
「あなたは誰?ここで何をしているのですか?」静かな女性の声。うら若き黒髪のエルフの巫女が、ガルガンチュアンの背に乗っていました。
「エルフよ、領地に入ったことを許して欲しい。俺は野生のナカティル群れのアジャニという。別のナカティルに会っていたところ、突然地面が揺れて・・・彼を見失ってしまった。何が起こったのか教えて欲しい」
「私たちにも、わかりません」
彼女は立ち去るように言いますが、アジャニには気がかりがありました。マリーシが持っていた黒い円盤、呪文の器のことが。
「私はメイエルと申します。野生のナカティル群れのアジャニ」「今代のアニマを務めています。私たちよりもあなたのほうが何が起こっているか詳しそうですね?呪文の器というアーティファクトは、魔力を封じ込め、あるいは解放するものです。見たことはないのですが、あなたが持ってきたのですか?」
「いや違う。しかし似たような物で俺たちの仲間は邪悪な魔法により散り散りになってしまった。同じことがここでも起こるかもしれない」
「あるいは、もう起きているかも」とメイエル。「あなたの仕業であるか、その魔法のしわざであるかは知りようがありませんね」
「信じてくれ、これは俺のしわざではなく、俺が追っている者のやったことだ、彼も、そのアーティファクトも危険だ、皆すぐにここを離れたほうがいい」
「できませんし、するつもりもありません」「私たちはここに残り真実を聞く務めがあります。あなたこそ、持ち物とその器を持って早く立ち去りなさい」
仕方なくアジャニは谷を後にします。そしてマリーシが残した言葉と黒いうろこで造られた器について考えをめぐらせます。そして瞑想し、その幻視はやがて真実の姿を――ナヤが2つの次元と重なり合い、バントが2つの次元と重なり合い、5つの次元が奇妙な結びつきをしている世界を見出します。
その頃、《大祖始/Progenitus(CON)》の声を聞いていたメイエルに、声が響き渡ります。
「戦争を起こせ」
「汝が、エルフたちがすべてを殺しつくすのだ。外敵の血で河を作れ」
メイエルは息を呑みます。「大いなるものよ、それがあなたの答えなのですか?私にはわかりません!」
「戦争は近い。遠征の準備をせよ。今夜にも奴らは襲ってこようぞ」
そこで幻視は途切れます。
「のどが痛いわ」
「叫んでおいででした」
「そう、ごめんなさい」「戦士たちを集めてください。エルフは戦を始めます」
「戦? いったい、何をご覧になったのですか、アニマ様?」
「恐怖を」
パート3へ続く~
あらーらむかしばなし ぱーと1
2009年10月7日 【マジック】 コメント (2)むかーし、むかしつーかわりと最近。
あるところに、つーかナヤの次元に、白毛のレオニンがおりました。名をアジャニといいます。
不吉な象徴として忌み嫌われた彼ですが、唯一彼の兄、ジャザルに救われ、彼の群れで生活します。
マリーシの祝祭のために彼はガルガンチュアンを仕留めようとしますが、アジャニを嫌う筆頭、金毛のテノークにその手柄を取られてしまいます。
一方バントでは、グヮファ・ハジードが黄金塔へキャラバンを向かわせていたところを捕縛されることになります。
ジャンドでは急に強大な力をつけたラッカ・マーに対して、クレシュはその裏を探ろうとします。
クレシュらが偶然行き会った男はドラゴンを探していると言い、共にドラゴン狩りに連れて行くことになります。
マリーシの祝祭の際、ジャザルの行動に不信感を抱いたアジャニは彼の寝床を調べ、彼が品物や情報を集めて何かを調べていることを知ります。
マリーシの祝祭の後、テノークに怪しげな影が襲い掛かります。
休んでいたアジャニにも黒い影の怪物どもが襲い掛かり、間一髪難を逃れるアジャニでしたが、彼の群れは襲撃を受け、シャーマンであるザリキからジャザルが何者かに殺されたことを聞くのでした。
バントではアーシルから黄金塔が壊滅したとの報をうけ、ラフィークとその従者であるロウクスのムビンは調査に向かいます。また、アーシャの予言にあるバントのオベリスクが狙いであることも判明し、ハジードがその手引きをしたことも突き止めます。
ジャンドでは、ドラゴン狩りの結果は凄惨なものとなっていました。獲物たるマラクトスのヘルカイトによりクレシュの戦士たちは壊滅、ラッカは行方不明、ヘルカイトを仕留めたサルカンは、この行動の真の目的は別にあると睨みます。
悲しみに沈むアジャニに、死んだジャザルの魂が話しかけます。しかし悲しみと怒りでアジャニは自らの魔力を解放します。次元渡りが起こったのです。
一方バントでは、逮捕されたハジードをラフィークが尋問します。自分は何もしてないとうそぶくハジードを、怒りもあらわにラフィークは殴ります。
アジャニが気がついたときには、そこは火山地帯でした。見知らぬ地でとまどうアジャニに襲い掛かったドラゴンを止める声「やめとけ、それは俺のだ、カーサス」――サルカンでした。
「俺はサルカン・ヴォル」
「アジャニ。黄金のたてがみのアジャニだ」
「ずいぶん故郷から遠くにきたもんだな」
「ここは・・・何処なんだ?」
「ジャンドの次元さ」
「ここは故郷、クァーサルの谷じゃない」
「そりゃそうだ、ここはナヤじゃない。違う次元だからな、プレインズウォーカーどの? 」
もとの世界に戻るためにも、力を使いこなすべきだとサルカンは言います。もっとも奥深い望みを解き放てばいいと。火口に身を投げ、復讐のための力を得るのだと。
彼の言うとおり身を投げたアジャニは、雲に包まれたジャングルの遺跡に居ました。そこで老いたシャーマンと出会い、ナカティルのコイルについての教示を受けます。
あるところに、つーかナヤの次元に、白毛のレオニンがおりました。名をアジャニといいます。
不吉な象徴として忌み嫌われた彼ですが、唯一彼の兄、ジャザルに救われ、彼の群れで生活します。
マリーシの祝祭のために彼はガルガンチュアンを仕留めようとしますが、アジャニを嫌う筆頭、金毛のテノークにその手柄を取られてしまいます。
一方バントでは、グヮファ・ハジードが黄金塔へキャラバンを向かわせていたところを捕縛されることになります。
ジャンドでは急に強大な力をつけたラッカ・マーに対して、クレシュはその裏を探ろうとします。
クレシュらが偶然行き会った男はドラゴンを探していると言い、共にドラゴン狩りに連れて行くことになります。
マリーシの祝祭の際、ジャザルの行動に不信感を抱いたアジャニは彼の寝床を調べ、彼が品物や情報を集めて何かを調べていることを知ります。
マリーシの祝祭の後、テノークに怪しげな影が襲い掛かります。
休んでいたアジャニにも黒い影の怪物どもが襲い掛かり、間一髪難を逃れるアジャニでしたが、彼の群れは襲撃を受け、シャーマンであるザリキからジャザルが何者かに殺されたことを聞くのでした。
バントではアーシルから黄金塔が壊滅したとの報をうけ、ラフィークとその従者であるロウクスのムビンは調査に向かいます。また、アーシャの予言にあるバントのオベリスクが狙いであることも判明し、ハジードがその手引きをしたことも突き止めます。
ジャンドでは、ドラゴン狩りの結果は凄惨なものとなっていました。獲物たるマラクトスのヘルカイトによりクレシュの戦士たちは壊滅、ラッカは行方不明、ヘルカイトを仕留めたサルカンは、この行動の真の目的は別にあると睨みます。
悲しみに沈むアジャニに、死んだジャザルの魂が話しかけます。しかし悲しみと怒りでアジャニは自らの魔力を解放します。次元渡りが起こったのです。
一方バントでは、逮捕されたハジードをラフィークが尋問します。自分は何もしてないとうそぶくハジードを、怒りもあらわにラフィークは殴ります。
アジャニが気がついたときには、そこは火山地帯でした。見知らぬ地でとまどうアジャニに襲い掛かったドラゴンを止める声「やめとけ、それは俺のだ、カーサス」――サルカンでした。
「俺はサルカン・ヴォル」
「アジャニ。黄金のたてがみのアジャニだ」
「ずいぶん故郷から遠くにきたもんだな」
「ここは・・・何処なんだ?」
「ジャンドの次元さ」
「ここは故郷、クァーサルの谷じゃない」
「そりゃそうだ、ここはナヤじゃない。違う次元だからな、プレインズウォーカーどの? 」
もとの世界に戻るためにも、力を使いこなすべきだとサルカンは言います。もっとも奥深い望みを解き放てばいいと。火口に身を投げ、復讐のための力を得るのだと。
彼の言うとおり身を投げたアジャニは、雲に包まれたジャングルの遺跡に居ました。そこで老いたシャーマンと出会い、ナカティルのコイルについての教示を受けます。
オラクル更新を待ちわびる俺
2009年10月7日 【マジック】 コメント (1)Card Name:
Darigaaz, the Igniter
Mana Cost:
3BlackRedGreen
Converted Mana Cost:
6
Types:
Legendary Creature — Dragon
Card Text:
Flying
Whenever Darigaaz, the Igniter deals combat damage to a player, you may pay {2}{R}. If you do, choose a color. That player reveals his or her hand and Darigaaz deals X damage to him or her, where X is the number of cards revealed of that color.
P/T:
6 / 6
まだドラゴンさんのテキストが変わらない・・・マーゴとギャザラーチームの連携のとれなさはいつもどおり
Card Name:
Illusionary Mask
Mana Cost:
2
Converted Mana Cost:
2
Types:
Artifact
Card Text:
{X} : You may put a creature card with converted mana cost X or less from your hand onto the battlefield face down as a 0/1 creature. Put X mask counters on that creature. Activate this ability only any time you could cast a sorcery. The creature’s controller may turn the creature face up any time he or she could cast an instant by removing all mask counters from it. This effect ends if the creature is turned face up.
言わせてもらえれば、MO以外の現行ヴィンテージ・プレイヤーはこのカードをこのテキストでプレイしなければならないのぜ?
まあだー?
Darigaaz, the Igniter
Mana Cost:
3BlackRedGreen
Converted Mana Cost:
6
Types:
Legendary Creature — Dragon
Card Text:
Flying
Whenever Darigaaz, the Igniter deals combat damage to a player, you may pay {2}{R}. If you do, choose a color. That player reveals his or her hand and Darigaaz deals X damage to him or her, where X is the number of cards revealed of that color.
P/T:
6 / 6
まだドラゴンさんのテキストが変わらない・・・マーゴとギャザラーチームの連携のとれなさはいつもどおり
Card Name:
Illusionary Mask
Mana Cost:
2
Converted Mana Cost:
2
Types:
Artifact
Card Text:
{X} : You may put a creature card with converted mana cost X or less from your hand onto the battlefield face down as a 0/1 creature. Put X mask counters on that creature. Activate this ability only any time you could cast a sorcery. The creature’s controller may turn the creature face up any time he or she could cast an instant by removing all mask counters from it. This effect ends if the creature is turned face up.
言わせてもらえれば、MO以外の現行ヴィンテージ・プレイヤーはこのカードをこのテキストでプレイしなければならないのぜ?
まあだー?
ゼンディカー ドラフト感想 エンドカード
2009年10月5日 【マジック】 コメント (1)さて、レアリティの特に高いもので終わっちゃう系、即ピック、3パック目で出て色が合わなくてもカットすべきなものをピックアップ。
《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》
居るだけでも困るのに、軽いわ勝手にトークンが増えるわで大変困った人。
《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》
これだけで勝てる!というわけではないが、カウンター3個からの攻防が勝負。現状のクリーチャーを使い切ってでもこのカードさえ守りきれば、相手のターンエンドに4個目がたまり、即座に起動して次のターン4/4飛行が攻撃に移れるというとんでもないことになるので、早めに出して除去の対象になるよりかは(このカード自身やクリーチャーが)、地盤固めができてからを見計らうのがお勧め。
《世界を鎮める者/World Queller(ZEN)》
とりあえず、「土地」と宣言するのがいい。自分の首も絞めてしまうが5マナ4/4が走っていくのに後続が出てもらっても困る。もちろん、クリーチャーを連続展開できる(《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》とか、《コブラの罠/Cobra Trap(ZEN)》とか)なら、「クリーチャー」と宣言して消耗戦をしても喜ばれる。(主に自分が)
《フェリダーの君主/Felidar Sovereign(ZEN)》
ライフ40点の前に「もう負けでいいよ」というレベルのクリーチャー。がんばれば倒せる程度のクリーチャーながら、そのための被害がなかなかバカにならない。
《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths(ZEN)》
ドローはいい仕事をしてくれる。
《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle(ZEN)》
単体除去が通用しない5/5飛行とかもはや凶器レベル。
《複製の儀式/Rite of Replication(ZEN)》
キッカー時の威力がでかすぎるので、そこまでマナが伸びていれば十分恐い。うっかり伝説のクリーチャーの相殺という間接除去も狙えるし、5マナ以上のクリーチャーをコピーするとわりとお得感もあふれている。いいカード。
《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen(ZEN)》
出ると勝てる。
《ソリン・マルコフ/Sorin Markov(ZEN)》
クリーチャー除去が強い。
《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
というわけで、5マナ6/3威嚇としてお楽しみください。わりと威嚇は通ってしまうので、それまでにがんばって削れていればじゅうぶんこいつだけで勝てる。
《電撃力/Electropotence(ZEN)》
やばい。
《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger(ZEN)》
ありえない。
《巨身化/Gigantiform(ZEN)》
ありえない。(いろいろと)
《獣使いの昇天/Beastmaster Ascension(ZEN)》
冗談じゃない。
《土を踏み付けるもの/Terra Stomper(ZEN)》
リミテッドでは打ち消されることがあまりないので、要するに8/8トランプル。除去に弱いのはいつもどおり・・・だけど、そんないつも除去を抱えていられたら幸せに違いない
《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》
地味なれど、実際はドローが進むわ事故が減るわで仕事はすごい。手札の土地はとっておいてかまわないので、どんどんライブラリーの土地をプレイすればいい。エンドカードではないがこれ1枚で展開がガラリと変わる幸せが味わえる。
《エルドラージの碑/Eldrazi Monument(ZEN)》
飛行は偉かった
《組み合い鉤/Grappling Hook(ZEN)》
コストも装備も重いが強いことに変わりはない。
《水の帳、マゴーシ/Magosi, the Waterveil(ZEN)》
そのパックは非常に終わっている。
《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》
居るだけでも困るのに、軽いわ勝手にトークンが増えるわで大変困った人。
《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》
これだけで勝てる!というわけではないが、カウンター3個からの攻防が勝負。現状のクリーチャーを使い切ってでもこのカードさえ守りきれば、相手のターンエンドに4個目がたまり、即座に起動して次のターン4/4飛行が攻撃に移れるというとんでもないことになるので、早めに出して除去の対象になるよりかは(このカード自身やクリーチャーが)、地盤固めができてからを見計らうのがお勧め。
《世界を鎮める者/World Queller(ZEN)》
とりあえず、「土地」と宣言するのがいい。自分の首も絞めてしまうが5マナ4/4が走っていくのに後続が出てもらっても困る。もちろん、クリーチャーを連続展開できる(《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》とか、《コブラの罠/Cobra Trap(ZEN)》とか)なら、「クリーチャー」と宣言して消耗戦をしても喜ばれる。(主に自分が)
《フェリダーの君主/Felidar Sovereign(ZEN)》
ライフ40点の前に「もう負けでいいよ」というレベルのクリーチャー。がんばれば倒せる程度のクリーチャーながら、そのための被害がなかなかバカにならない。
《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths(ZEN)》
ドローはいい仕事をしてくれる。
《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle(ZEN)》
単体除去が通用しない5/5飛行とかもはや凶器レベル。
《複製の儀式/Rite of Replication(ZEN)》
キッカー時の威力がでかすぎるので、そこまでマナが伸びていれば十分恐い。うっかり伝説のクリーチャーの相殺という間接除去も狙えるし、5マナ以上のクリーチャーをコピーするとわりとお得感もあふれている。いいカード。
《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen(ZEN)》
出ると勝てる。
《ソリン・マルコフ/Sorin Markov(ZEN)》
クリーチャー除去が強い。
《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
というわけで、5マナ6/3威嚇としてお楽しみください。わりと威嚇は通ってしまうので、それまでにがんばって削れていればじゅうぶんこいつだけで勝てる。
《電撃力/Electropotence(ZEN)》
やばい。
《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger(ZEN)》
ありえない。
《巨身化/Gigantiform(ZEN)》
ありえない。(いろいろと)
《獣使いの昇天/Beastmaster Ascension(ZEN)》
冗談じゃない。
《土を踏み付けるもの/Terra Stomper(ZEN)》
リミテッドでは打ち消されることがあまりないので、要するに8/8トランプル。除去に弱いのはいつもどおり・・・だけど、そんないつも除去を抱えていられたら幸せに違いない
《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》
地味なれど、実際はドローが進むわ事故が減るわで仕事はすごい。手札の土地はとっておいてかまわないので、どんどんライブラリーの土地をプレイすればいい。エンドカードではないがこれ1枚で展開がガラリと変わる幸せが味わえる。
《エルドラージの碑/Eldrazi Monument(ZEN)》
飛行は偉かった
《組み合い鉤/Grappling Hook(ZEN)》
コストも装備も重いが強いことに変わりはない。
《水の帳、マゴーシ/Magosi, the Waterveil(ZEN)》
そのパックは非常に終わっている。
ゼンディカー ドラフト感想 緑とその他
2009年10月5日 【マジック】緑のシステム
《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid(ZEN)》
なにはなくともマナブースト。確実にマナが伸びるので、重いキッカーでもこれで手が届くようになるのはうれしい。
《砕土/Harrow(ZEN)》
テンペスト、インベイジョンの頃は3ターン目にマナを伸ばすために唱えていたが、今回は上陸ギミックとの組み合わせでトリックを狙うのが主な目的となってくる。ライブラリー圧縮と事故回避の役に立つので、ドラフト中盤で流れてきたら1枚は押さえておきたい。
《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》
この環境のアーティファクトは数が少なく、しかも軽いものが多いのであまり罠ピッチにハマることは無いかもしれないが、単に5マナインスタントのトリックブロッカーとして考えても優秀なカード。
《輝刃の探索/Quest for the Gemblades(ZEN)》
リミテッドではわりとクリーチャー同士のぶつかり合い(基本的には相打ち)が多く発生し、それによって有利になれるこのカードはピックしておいて損はない。
《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》
強化回避や単体除去回避として役に立つだけでなく、キッカーを払えば+4/+4という強さは安心してデッキに仕込める。
《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》
緑中心のデッキだとやや重くシフトしがちだが、テンポ戦術がとれるならこのカードの採用も考えていい。パンプしたうえに再生まで持っていれば、安心して突撃できる。
緑のコモン・アンコモンのクリーチャー
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》
基本的に熊、後続が望めれば熊以上なので拾えるときに集めておくと安心できる。
《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk(ZEN)》
上陸によって接死を確定除去として利用することができるので、利用価値は高い。除去呪文の的になりやすいので、サポートカードがあればなお心強い。
《大木口の幼生/Timbermaw Larva(ZEN)》
攻撃には安心していける程度のサイズになれるはずなので、4マナ2/2とはいえ実質的な有用性は高い。
《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher(ZEN)》
アンコモンのクリーチャーの中でも特筆級の威力を持っているクリーチャー。見かけたらピックすべき。
《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》
同じくアンコモンなのだが上と比べると遥かに地味。だが軽く堅実なボアさんはいつでもみんなの味方だ。
《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
重いことは重いのだが、シングルシンボルで5マナ、サイズは中堅以上、上陸でわりとやばいサイズの良質コモン。
《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse(ZEN)》
蜘蛛は大切。
アーティファクト
《猛火の松明/Blazing Torch(ZEN)》
色を選ばない無色の2点火力。これだけでもピックする価値がある。
《冒険者の装具/Adventuring Gear(ZEN)》
地味だがダブル上陸が発生すると意味が分からないことになるので、テンポデッキの要としても採用する価値はある。
《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》
とにかく土地は大切だ。リミテッドにおける重要要素は土地を確保することと土地を引きすぎないこと。《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition(ZEN)》や《砕土/Harrow(ZEN)》は手に入らなくても、これだけでも確保しておきたい。
《信頼おける山刀/Trusty Machete(ZEN)》
まさにトラスティ・マチェティ。英語で読むと韻を踏んでいることに気づく程度のジョークが隠されているのは置いとくとして、軽さといい威力といい《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar(10E)》を髣髴とさせる。いい装備品である。
《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
《飛翔する海崖/Soaring Seacliff(ZEN)》
コモンランドの中ではこの2枚がいい仕事をする。盤面に影響するのでは《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove(ZEN)》もそうだが、威力的にやや不安が残る。
タップイン2色ランド
あればあったで困らない。
《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid(ZEN)》
なにはなくともマナブースト。確実にマナが伸びるので、重いキッカーでもこれで手が届くようになるのはうれしい。
《砕土/Harrow(ZEN)》
テンペスト、インベイジョンの頃は3ターン目にマナを伸ばすために唱えていたが、今回は上陸ギミックとの組み合わせでトリックを狙うのが主な目的となってくる。ライブラリー圧縮と事故回避の役に立つので、ドラフト中盤で流れてきたら1枚は押さえておきたい。
《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》
この環境のアーティファクトは数が少なく、しかも軽いものが多いのであまり罠ピッチにハマることは無いかもしれないが、単に5マナインスタントのトリックブロッカーとして考えても優秀なカード。
《輝刃の探索/Quest for the Gemblades(ZEN)》
リミテッドではわりとクリーチャー同士のぶつかり合い(基本的には相打ち)が多く発生し、それによって有利になれるこのカードはピックしておいて損はない。
《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》
強化回避や単体除去回避として役に立つだけでなく、キッカーを払えば+4/+4という強さは安心してデッキに仕込める。
《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》
緑中心のデッキだとやや重くシフトしがちだが、テンポ戦術がとれるならこのカードの採用も考えていい。パンプしたうえに再生まで持っていれば、安心して突撃できる。
緑のコモン・アンコモンのクリーチャー
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》
基本的に熊、後続が望めれば熊以上なので拾えるときに集めておくと安心できる。
《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk(ZEN)》
上陸によって接死を確定除去として利用することができるので、利用価値は高い。除去呪文の的になりやすいので、サポートカードがあればなお心強い。
《大木口の幼生/Timbermaw Larva(ZEN)》
攻撃には安心していける程度のサイズになれるはずなので、4マナ2/2とはいえ実質的な有用性は高い。
《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher(ZEN)》
アンコモンのクリーチャーの中でも特筆級の威力を持っているクリーチャー。見かけたらピックすべき。
《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》
同じくアンコモンなのだが上と比べると遥かに地味。だが軽く堅実なボアさんはいつでもみんなの味方だ。
《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
重いことは重いのだが、シングルシンボルで5マナ、サイズは中堅以上、上陸でわりとやばいサイズの良質コモン。
《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse(ZEN)》
蜘蛛は大切。
アーティファクト
《猛火の松明/Blazing Torch(ZEN)》
色を選ばない無色の2点火力。これだけでもピックする価値がある。
《冒険者の装具/Adventuring Gear(ZEN)》
地味だがダブル上陸が発生すると意味が分からないことになるので、テンポデッキの要としても採用する価値はある。
《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》
とにかく土地は大切だ。リミテッドにおける重要要素は土地を確保することと土地を引きすぎないこと。《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition(ZEN)》や《砕土/Harrow(ZEN)》は手に入らなくても、これだけでも確保しておきたい。
《信頼おける山刀/Trusty Machete(ZEN)》
まさにトラスティ・マチェティ。英語で読むと韻を踏んでいることに気づく程度のジョークが隠されているのは置いとくとして、軽さといい威力といい《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar(10E)》を髣髴とさせる。いい装備品である。
《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
《飛翔する海崖/Soaring Seacliff(ZEN)》
コモンランドの中ではこの2枚がいい仕事をする。盤面に影響するのでは《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove(ZEN)》もそうだが、威力的にやや不安が残る。
タップイン2色ランド
あればあったで困らない。